毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「たった一文字のミスで…」という話題を紹介します。
自分だけに厳しく接する上司がいたらどうする?
長い人生を生きていれば、「まったく心当たりが無いのに、一方的に人に嫌われる」という経験も一度や二度はあるだろう。
都内の介護付き有料老人ホームで働く20代の女性・コバヤシさんは、上司が自分にばかり厳しく接するのをずっと不思議に思っていたが、先日、その理由が判明したという。
利用者からもスタッフからも評判がいいコバヤシさん
コバヤシさんは高校を卒業後、すぐに介護業界に飛び込み、いくつかの施設を経て、現在の有料老人ホームに転職。介護福祉士の資格を取得しようと奮闘している。
小柄で愛想が良く、ユーモアもある彼女は、利用者のお年寄りからの人気も高く、スタッフからの評価も上々。
しかし、唯一、コバヤシさんに厳しかったのが、直属の上司のHさんだった。コバヤシさんがいう。
「私はかつて働いていた施設で、周りのスタッフと衝突してしまい、退職したことがありました。理想に燃えすぎて、周囲にもそれを求めてしまったのです。
そんな失敗があったので、今の施設では人間関係を上手く築くことに神経を使ってきたつもりでしたが、直属の上司にあたるHさんだけは、どうしても上手に付き合うことができませんでした。
同じミスをしても、他の人なら軽く注意されるところを、私だとキツく言われたり、数分遅れただけでひどく怒られたり……。
Hさんの存在が重荷になっていました」
上司が私にだけ厳しい!そのワケは?
厳しい指導は期待の表れという可能性もあるが、コバヤシさんにその気持ちが伝わらなければ、一歩間違えばパワハラだ。
ところがある時、上司がコバヤシさんにだけ厳しく指導していた理由が唐突に判明することに。
「スタッフのみんなでご飯を食べていた時のことです。
『就職活動の時に、履歴書に何と書いたか?』という話題になり、色々と盛り上がっている時、Hさんが私の名前を出して、『この子はスゴいよ』と言ったのです。
私にはまったく思い当たる節がなかったので理由を聞くと、私の履歴書の志望動機の欄には
『楽そうだから』と書いてあったそうです」
「介護の仕事はラクそう」と履歴書に書いた真相は?
コバヤシさんはその時、学生時代に体験学習で介護施設に行ったことを書き、「介護の現場が楽しそうだと思ったから」と書いたつもりだった。
しかし、一文字書き忘れて「楽(ラク)そうだから」と書いてしまっていたのだ。
当時、採用を担当していたHさんはコバヤシさんの履歴書を見て憤慨したが、現場のトップが「まぁいいじゃないか」と言って、採用されたのだった。
「結果的に、一文字抜けても文章が通じてしまったのが不運だったんですよね。Hさんに、『書き間違えです』と言うと、Hさんは『おかしいと思った』と言い、すっかり誤解は解けました」
この場合は理由が分かったから良いものの、誤解が解けずに関係性が悪くなってしまうのが世の常だ。
コバヤシさんの場合は、ひょんなことから謎が解けたが、人に嫌われるのにも何か理由があるもの。
人間関係に悩みすぎるぐらいなら理由を聞いてしまうことも考えてみても良さそうだ。
公開日:2020/1/13
最終更新日:2020/2/26
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