介護業界で転職を考えている人にとって、事業者が求める人材の傾向や採用のポイントは、ぜひ知っておきたいこと。そこで今回は、さいたま市や上尾市で7つの通所介護のほか、有料老人ホームやショートステイなどを展開する、医療法人 博シン会の統括マネージャー兼「ル・サンク 湯澤」副施設長・堀切勝さんにお話を伺いました。
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「ショートステイ茶の木」にて。常に正確な情報を共有し、チームとして連携しながら利用者のケアにあたっています。
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医療法人 博シン会
医療機関の運営/通所介護(デイサービス)/訪問介護/訪問看護/訪問リハビリ/短期入所(ショートステイ)/居宅介護支援事業所/在宅介護支援センター/地域包括支援センター/介護付有料老人ホーム/福祉用具貸与事業所/高齢者専用賃貸住宅
埼玉県さいたま市西区西遊馬1260-1
TEL:048-624-3974
医療法人 博シン会 公式サイト
スキルよりも介護に対する考え方や意識が重要
今回は、採用についてお話を伺っていきます。医療法人 博シン会では、どのような採用プロセスをとっているのでしょうか?
「採用のプロセスは、基本的に面接のみという方針です。面接の際に、履歴書と職務経歴書、それと資格証を持って来ていただきます。書類審査だけで可否を決めることは、極力したくはありません。まずは面接をし、お話を聞かせていただきたいと考えています。採用の可否については、通常、面接後一週間ほどで連絡をさせていただきます」
せっかくポテンシャルを秘めていても、面接の場で緊張してうまく表現できない人もいるでしょう。「面接する側としても、できるだけその可能性を引き出すようなアプローチは心がけているんですよ」と堀切さん。では、採用プロセスにおいて、資格の有無は影響するのでしょうか?
「資格は必要です。最低限、介護職員初任者研修や旧ヘルパー2級の資格を取得していることが必要ですが、実務経験はなくてもかまいません。技術については、入職後、さまざまな研修や現場でのOJT、カンファレンスなどで学んでいくことができますから。むしろ、介護という仕事をしていくうえでの考え方や意識のほうが重要だと思っています」
「介護の現場でやりたいこと」を持っているかがポイント
博シン会が採用において重視する点はなんでしょうか? 堀切さんは、2つのポイントを教えてくれました。
「一つは、博シン会の理念を受け止めてもらえるか、という点です。面接では、なるべく具体的な例を出して、博シン会の介護事業に対する思いや、めざすサービスの方向についてお話ししています。その場ですべて無理に共感してもらう必要はありません。ただ、面接の場でこちらが説明したことを真摯に受け止め、考えてくださるかどうか、こちらの言葉が響いているか、だと思います。もちろんその場で、介護理念等についてのご本人の考えをお聞きできれば、さらにポイントが高くなりますね」
採用で重視する、もう一つのポイントは何でしょうか?
「どのような意識を持って、この仕事に就きたいと考えているのか。やりたいことは何かという点です。面接の際、ご応募いただいたきっかけや理由をお聞きすることで伝わってくる部分です」
面接の時点で、「こういう介護がしたい」「こういうふうにしていきたい」という意見をしっかり持っている人は、採用する側としても評価が高いそうです。
「漠然としたものでも構わないんです。教科書に書いてあるような内容をすらすら答えるよりも、その方自身の言葉で語っていただきたいですね。たとえば未経験の方なら、『施設に通っているお祖母ちゃんが、こんなことを嫌だなあとこぼしている。だから私は、そういうことがない施設にしていきたい』というような話でもいい。ですから、面接に臨むにあたっては、なぜこの仕事がしたいのか、介護の現場でやりたいこと、どんな施設で働きたいかという思いや意見を頭の中で整理し、まとめておくといいと思いますね」
次回は最終回。長年、管理者として採用人事の現場に携わってきた堀切さんに、事業者が求める人材について迫ってみたいと思います。
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