介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材がどういった傾向なのか、ぜひ知っておきたいこと。今回は墨田区にある社会福祉法人八広会が運営する施設「和翔苑」の施設長の丹沢正伸さんにお話を伺いました。
<取材・文 中条佳子>
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○●○ インフォメーション ○●○
丹沢さんの趣味はバイクの他にカメラ。オフのときは人とはほとんど会わずに機械と向き合うのがストレス解消に
和翔苑
社会福祉法人八広会
特別養護老人ホーム
高齢者在宅サービスセンター
ヘルパーステーション
〒131-0041東京都墨田区八広6-55-17
電話:03-3617-1501
FAX:03-3617-1502
http://www.washouen.com/index.html
3年後、5年後に目標をもてる仕事が他にありますか?
介護の仕事は安くてきついと言われていますが、続けていれば確実にステップアップできる業界。ポジティブな将来を描ける仕事という点について、丹沢さんは強調します。
「3年後、5年後という目標をもてる仕事が他にあるのか、これからこの業界で働く人には、そこを考えてほしいですね。私は採用のときに、一般企業に勤めたとして、5年後の自分を描けるかということをまず問うんですよ。課長や部長になるのは難しいと思うんですね。だけど介護業界では3年たてば、介護福祉士の受験資格が平等にもらえるし、5年たてばケアマネジャーの受験資格をもらえます。たとえば介護福祉士の資格を取ると、今まで社員になれなかった人が社員になれたり、ケアマネの資格があれば自分で会社を立ち上げることもできますから。僕も今のポジションを目指していたわけありませんが、仕事をやってきてもちろんその間に苦労したこともあります。続けて行くうちにいつの間にか施設長になっていました。仕事を続けて、自分がどれだけ頑張れるかというところだけなんです」
仕事を続けていけば、経験が身に付き、確実に資格が手に入りステップアップができるという点は、この業界の最大の魅力の一つでしょう。それにも関わらず、介護業界はどの施設も人材不足といわれています。資格を取る人も年々増えているのに、なぜでしょうか。
「人材不足なのは、事業所が多すぎて分散しているからでしょうね。それとヘルパーの資格取得者が増えても、実際に仕事にする人は少ないというのが現状です。現場に来ないのは、イメージの問題が大きいかもしれません。最近は、昔の暗いイメージに戻ってきていて、ポジティブ部分にはどうしても目がいかないというのもありますよね。必要なのは、業界自体のイメージを打破することですね」。
毎日出会いがあり、ロマンがあってとても楽しい仕事
介護の仕事は、ヒューマニズムに富んだコミュニケーションの仕事だという丹沢さん。最後に“採用したい人、したくない人”についてまとめていただきました。
「採用したくないのは、仕事がないのでとりあえず介護の仕事をしようとしている人です。採用したいのは、経験関係なく、介護の仕事をずっとやって行こうと思っている人。技術がなければいけませんが、それが先行するわけではありません。モチベーションを維持できる人で、それにはオンとオフの切り替えが出来てストレスマネジメントが出来ることが必要でしょうね。この施設の採用担当としての希望は、和翔苑を大事にしてくれる人がいいですね。私も和翔苑が好きだからここで仕事をしているんです。毎日出会いがあり、ロマンがあってとても楽しいですよ」
丹沢さんのお話をうかがい、介護の仕事がますます魅力的に感じられるようになりました。
(終わり)
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