介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材の傾向や、採用で重視するポイントは、ぜひ事前に知っておきたいところ。そこで今回は、埼玉県で特別養護老人ホームを中心とした老人介護事業を展開している社会福祉法人 光彩会を取材。「特別養護老人ホーム みちみち伊奈中央」の施設長・吉成さんにお話を伺いました。
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お話を聞かせてくださった吉成さんが施設長を務める、特別養護老人ホーム『みちみち伊奈中央』。右手前の建物が「幼老共生施設」の『みちのこ保育園』。
○●○ インフォメーション ○●○
社会福祉法人 光彩会
特別養護老人ホーム/デイサービスセンター/ショートステイ/訪問介護/居宅介護支援事業
埼玉県越谷市船渡2046
TEL:048-979-5381
社会福祉法人 光彩会 特別養護老人ホームみちみち 公式サイト
“家”をイメージしたユニットケアのサービスを提供
社会福祉法人 光彩会は、社会福祉事業を通じて地域社会に貢献することを目的に2007年に設立されました。その後、2009年開設の『みちみち越谷』を皮切りに、『みちみち伊奈中央』『みちみち伊奈北』と、埼玉県で3つの特別養護老人ホームを展開中です。
『みちみち』は、従来型(多床室)の特別養護老人ホームではなく、ユニット型という点が特長です。全室個室で、1ユニットに入居者が10名。吉成さんが施設長を務める『みちみち伊奈中央』は12ユニットあり、120名の入居者を50名以上のスタッフで対応しています。
ユニットケアのメリットについて、吉成さんは次のように話してくれました。
「毎日同じスタッフが、入居者様一人ひとりの生活スタイルやリズムに合わせたケアを提供できることが利点です。きめ細かなケアを実現するために、ユニットリーダーが中心となって、その方にはどういうケアがベストなのかを親身に考え、取り組んでいます」
また、『みちみち伊奈中央』には、隣接地併設型の「幼老共生施設」という、他にはない特長があります。
「敷地内に『みちのこ保育園』があり、毎週木曜日に『みちのこデー』と呼ぶ交流会を行っています。園児たちが特別養護老人ホーム『みちみち伊奈中央』のユニットを訪問し、一緒にじゃんけんをしたり、歌を歌ってくれたり…。一緒に書道教室や、クリスマスなどのイベントも楽しみます。入居者様もとても楽しみにしていて、涙を流して喜ばれる方も。そうした姿に接すると、こういう施設に勤務をしていて良かったと思います」
「この施設は、ひとつの大きな“家”なんです。孫やひ孫世代の子どもたちと触れ合うことも、いわば多世代が同居した昔ながらの“家”のイメージです」と吉成さん。「幼老共生施設」は全国的にも珍しいことから埼玉県のホームページでも紹介され、県内外から視察に訪れる人や、そういう施設に憧れて応募してくる人も多いそうです。
入居者様も、働く職員も笑顔になる施設へ
次に、特別養護老人ホーム『みちみち』の運営方針について、吉成さんに伺いました。
「ここに入居して良かったと、入居者様やご家族様に言っていただける施設づくり。そして、ここで働いて良かったと、職員が思えるような環境づくり。この2つが、光彩会がめざしているものです」
吉成さんは、「働いているスタッフの満足感は、入居者様のよりよいケアにつながる」と考えています。働きやすい環境の一番の条件は、円滑な人間関係。そのために重視しているのが「相性」だとか。
「スタッフ同士や入居者様との相性を考慮して、介護主任と相談のうえユニットへの配属を決めています。人が足りないからそこに入れる、ということはしません。配属後にどうしてもうまくいかないというときも、話を聞いてユニットを異動するなど、細やかに対処することで、辞めずに続けてもらえることが多いですね」
改まって面談という形になると堅苦しくなるので、定期的な面談は特にしていないのだとか。その分、施設長の吉成さんは、日頃から全職員に気さくに話しかけ、本音を聞ける雰囲気作りを心がけているそうです。
「日頃のケアはユニットごとになりますが、施設全体での情報共有や、お互いに助け合う気持ちは大事にしています。施設全体がひとつの“家”というイメージなので、そこで暮らしている人たちをみんなでケアしようという雰囲気がありますね。『今、このユニットが忙しくて手薄になっている』と言えば、看護師や事務職員がそのユニットに入ってお茶碗洗いをしてくれることも。そういう環境なので、安心して働けるのだと思います」
次回は、人材育成やキャリア支援についてお話を伺います。
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