◆介護事業会社(企画営業職・福祉用具営業職・訪問ヘルパーを兼務)→居宅介護支援事業所 3施設(ケアマネジャー)→居宅介護支援事業所(主任ケアマネジャー)
M・Fさん(女性・51歳)
●介護事業会社(勤務期間:8年/年収約400万円)
●居宅介護支援事業所 3施設(勤務期間:それぞれ、2年・3年・1年/年収約350万円)
●居宅介護支援事業所(勤務期間:3年/年収約350万円/主任介護支援専門員手当あり)
介護業界でのその他経験:訪問介護(パート/介護職/3年)
介護業界以外でのその他経験:PR会社(正社員/企画職/10年)
保有資格:介護職員初任者研修(旧・ヘルパー2級)、介護福祉士、介護支援専門員、主任介護支援専門員
家族構成:長女
*M・Fさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【現在の職場を選んだ理由】経営が安定していて信頼できる事業所を選びたい
不正のひどい事業所を辞めて、新たな職場を探すときに、一番大事にしたのが、クリーンな職場であることでした。
誰から見てもさわやかで信頼できる事業所を選びたいと思いました。
また、倒産しそうもない、経営の安定したところがよい、という思いが強かったです。
そんな中、歴史があり、ずっと健全な経営をしてきた事業所を職場に選んで3年が経ちました。
今の会社は居宅介護支援事業所と、訪問介護事業所を運営しています。
私は主任ケアマネジャーとして居宅介護支援事業所に所属。私を含めて4人の主任ケアマネジャーがいます。
今の事業所はベテランぞろいで、管理者を任されているのは、経験豊富な頼りになる先輩です。
そんなわけで気楽な部分もありますが、ケアマネ業務に集中できていると実感しています。
勤務の面でも、18時を回ってまで職場にいることはほとんどありません。
22時まで残業をしていた時代からは考えられないほどです。
【1日の仕事の流れ】ケアマネ業務に集中!残業はほぼなし
8:45 出勤。掃除をして事業所を開ける。
9:00~ ミーティングは特になく、それぞれの仕事に入る。
9:20~ 事務所を出発。午前中に5件ほど利用者さん宅を訪問する。
12:00~13:00 昼食。この時間はしっかり確保。
13:10~ 午後の訪問。入院している利用者さんの病院に出向き、モニタリングと、ナースステーションで看護計画を確認。
14:30~ 新しくできたデイサービスの見学。地域資源を数多く知っていて連携が強いことがケアマネジャーとして働くうえでの強みだと思うので、施設の見学は重要。
15:00~ 3件ほど利用者さん宅を訪問
16:50 帰社。
17:30 何件か電話をし、記録を書いて退社。残業はほぼなく仕事を終えることができている。
【1か月の仕事の流れ】基本のケアマネ業務の中でどれだけ工夫できるか
ケアマネジャーとしての仕事は、毎月ほぼ同じような流れで進んでいきます。
以下のような流れが、ケアマネジャーの業務の基本になっています。
もちろん、新規の利用者さんのケア会議や、既存の利用者さんの入院その他、イレギュラーな対応もあり、いつもこのようになるとは限りませんが、給付業務を中心に、ケアマネジャーのスケジュールは、こうしたサイクルで回っていきます。
この中でどれだけ1人1人の利用者さんに対してきめ細かくケアプランを作っていけるか、対応をしていけるかがポイントになります。
月の中旬:ケアプラン作成、サービス調整など
利用者さん宅を訪問し、利用者さんの様子などを伺いながら、ケアプランの原案作成、サービスの調整、サービス担当者会議、モニタリングを主に行います。
月の中旬の10日間に担当の方にできるだけ会っておくことが、業務を円滑に進めるコツ。
月の下旬:サービス利用票作成など事務処理がメイン
月末が近づいてくると、サービス利用票や提供票の作成・交付時期になります。
翌月の予定表であるサービス利用票を作成し、利用者に同意を得ることと、デイサービスや訪問介護など、事業所側に配布する予定表を作成し、交付していきます。
その他に、モニタリング結果の入力業務など、事務処理が多い時期です。
月の上旬:給付管理業務で大忙し
月のはじめになると、前月分の利用実績がケアマネジャーのもとへ続々と集まってきます。
ケアマネジャーはその実績をもとに、給付管理票の入力を行います。
10日までに給付管理業務を終える必要があるため、月のはじめの3日、4日ぐらいまでは忙しい時期です。
また、月初には介護保険更新者の対応業務が発生することもあり、更新書類の代理申請なども必要です。
【転職後の人間関係の作り方】先輩を尊重し、控えめにする
ベテランぞろいの今の職場では、たとえ主任ケアマネジャーの立場であっても、控えめに行動しています。
長年、先輩たちが築いてきた社風を、私が1人で変えることはできません。
先輩を立てながら、自分の業務を確実にこなしていくという、事業所全体の雰囲気や空気を考慮したふるまいを心がけています。
これまでの事業所ではケアマネ業務以外の仕事を任されることも多く、ずっと走り続けてきたので、入職当時は身体が休まっていいと思っていましたが、子どもが大学生になり手が離れて自分の生活にも余裕が出てくると、もっと貪欲に思い切り働きたいな、と思うこともあります。
【転職後の悩み】勤務時間が短く、利用者さんとの深いつながりが持ちにくい
今所属している事業所は、伝統があり、安定性が高いところがよいのですが、職員の平均年齢が高く、のんびりしているというか、「無理をしない」という空気が蔓延しています。
利用者さんのことを思ってとことん話し合いをしたり、きめ細かくケア会議を開いたり、というよりは、広く浅くお付き合いをするような感じです。
あまり残業をしない職場なので、複雑な案件は好まれず、できるだけシンプルなケアプランを作るような傾向です。
地域で何か新しいことを始めたい、と思うこともあるので、少しずつ解決していける方法を考えていきたいと思います。
【介護の資格は必要?】社会福祉士も主任ケアマネジャーも取得
子どもが幼稚園に上がる前にヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)の資格を取得。
介護事業会社で企画営業とヘルパーを兼務するようになってからすぐに介護福祉士、そして介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取りました。
企画営業と福祉用具営業と訪問ヘルパーを兼務していた8年間は非常に忙しかったですが、処遇が安定していて生活にゆとりがあったし、休みもきちんと取れていたので、資格は取得しやすかったです。
ケアマネジャーになったからには、主任ケアマネジャーの資格も欲しいと思い、努力しました。
私が勤務する自治体では、ケアマネジャーとして常勤で5年以上の勤務が必要で、かつ医療系の研修も必要です。
その研修も、自治体からの推薦がないと受けられない仕組みになっています。
非常にハードルが高かったのですが、困難に向き合うと燃える、という性格なので、無事に取得することができました。
取得しただけにとどまらず、研鑽も続けていきたいです。
4年前には、社会福祉士の資格も取得しました。
居宅介護支援事業所で働きながら通信制の大学でレポートを提出し、スクーリングなどもこなしながら、難関の試験を受ける必要がありました。
娘が受験期だったので、一緒に勉強をするような形で、資格取得に励むことができました。
社会福祉士の資格があれば、ソーシャルワーカーとして仕事ができ、誇りも持てます。
知見も広がり、介護業界での仕事の幅も広がると思い、取得したのです。
できれば、精神保健福祉士の資格も欲しいところです。
最近は精神的に不安定な高齢者が多く、介護現場でも精神に関する知識が必要となってきます。
また、障害領域の仕事もしていこうと思ったときには、やはりこの資格の勉強が生きてくると思うのです。
この年齢で勉強をするのはちょっと大変ですが、今、仕事がわりと早く終わるので、そう遠くないうちにチャレンジしたいと思っています。
資格は仕事の幅を広げ、仕事を深めてくれるものです。
また、自分に自信をつけてくれるものでもあると思っています。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
最終回の次回は、転職活動のポイント、将来に向けての展望などを語っていただきます。
次回「介護職の転職活動は見た目も大切。服装にも注意!~転職体験Mさん4」は、5月8日に公開予定です。
*M・Fさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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