介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材がどういった傾向なのか、ぜひ知っておきたいこと。今回は神奈川県の横浜市・川崎市・鎌倉市内で、グループホームの運営を中心とした介護事業を展開する、株式会社白寿会・医療法人社団平平會グループのグループ統括本部総務人事課・企画開発課課長の木村博人さんにお話を伺いました。
<取材・文・写真 西山武志>
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株式会社白寿会・医療法人社団平平會グループが運営する有料老人ホーム「はなみずき」の内観
○●○ インフォメーション ○●○
株式会社白寿会・医療法人社団平平會グループ
横浜市中区不老町2-9-2 DPM不老町ビル3階
TEL : 045-650-7300
FAX : 045-650-7307
http://www.hakujukai.co.jp
現場の声を拾う「サポート部」を立ち上げ、よりよい労働環境を追求
(株)白寿会(医)平平會グループでは、働くスタッフたちのフォロー体制を整えるため、5年ほど前から「サポート部」という部署を設置、現場の声を吸い上げようと試みています。
「本部にいる現場の経験者や有資格者に、月に1度ほど各施設に行ってもらって、現場で働くスタッフの意見を聞きてもらっているんです。『悩みはない? 何か問題はある? 続けられそう?』……などと声をかけて。同じ現場で働く者同士だと、意外と相談ってしにくいものなんですよね」(グループ統括本部総務人事課・企画開発課課長 木村博人さん)
こうして聞き取った意見は、その施設の管理者と運営方針の相談をする際にとても役に立つと、木村さんは話してくれました。
「採用は積極的にしていきたいのですが、なかなか応募が増えなくて……。ならば、せめて現状いるスタッフには気持ちよく、長く勤めてもらいたいんです。離職につながる一番大きな要素は“人間関係の不和”なので、スタッフ同士の摩擦は極力取り除いてあげたいと思っているんです。うちの場合なら、ひとつの施設でうまくいかなくても、希望すれば違う施設に移ることも可能です。実際に移ってから長く働いてくれている社員もいるので、その点は強みかなと感じますね」(木村さん)
社員の向上心を支援し、少しでも長く働いてもらえるように
現場へのフォローの精神は、新しく入る社員にも等しく向けられています。
「新入社員の研修期間は半年間と、長めに設定しています。基本的に施設ごとに採用を行っているので、応募してくる方は希望勤務地がはっきりとはしているのですが、研修期間中には他の施設にも行ってもらっています。本人の希望があれば、勤務地も変更できるようにしていますよ。各施設の運営方法が異なる分、その人にとっての向き不向きもあると思うので」(木村さん)
また、介護関連の資格取得やセミナー受講の支援など、社員のスキルアップのための制度も整えています。
「社員の自発的なやる気は大事にしていきたいんですよ。以前、この制度を利用してヘルパーの資格を取った女性がいたのですが、その方は16歳のときにウチで働き始めたんですね。当然、介護の仕事は未経験だったのですが、一生懸命仕事をこなしながら資格の勉強もしてくれて。6年ほど勤めた後に結婚をして退職しましたが、彼女のように資格支援などの制度を利用してくれる人は、比較的長く働き続けてくれることが多いんです」(木村さん)
その女性には「落ち着いたら、また戻ってきて働きにおいで」と声をかけているんだとか。そんな話をしている時の木村さんの目には、温かさがあふれていました。
次回はいよいよ話の核心へ…ズバリ「どんな人を採用したいのか」を伺っていきたいと思います。
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