グループホームでの仕事内容は?
グループホームとは、認知症の高齢者が介護士と共同生活を送る住宅型の介護施設のこと。
5~9人を1つのユニットとした少人数制で、入居者さんと職員が共同生活を送りながら、認知症の進行緩和と自立支援をめざします。
グループホームでの介護士の仕事内容は、実は「介護」というよりも、「日常生活のお手伝い」がメインになります。
たとえば、調理や掃除・洗濯などの家事を一緒に行う
生活援助や、買い物や通院に付きそう
外出援助などがあります。
グループホームでは、
入居者さんが自身でできることを尊重し、
どうしてもできない部分を介護士がお手伝いするというスタンスがポイント。手を出しすぎないように注意をしつつ、認知症の入居者さんが安全に作業ができるよう常に確認し、見守る必要があります。
もちろん介護が必要な方には食事やトイレ、入浴などの介助を行います。
ほかに、レクリエーションや地域交流のイベント企画やその進行を担当するのも、介護士の仕事のひとつです。
グループホームでの1日のスケジュールは?
多くのグループホームでは、早番・日勤・遅番・夜勤の4交代制をとっています。
日勤と夜勤の場合の、1日のスケジュール例を見てみましょう。
■グループホームでの1日のスケジュール例《日勤の場合》
8:30 出勤
9:00 バイタルチェック・申し送り
利用者さんのバイタルチェックをし、夜勤担当からの申し送りを受けます。
10:00 散歩&買い物
入居者さんと近くのスーパーマーケットへ。
11:30 昼食の準備
12:00 昼食
入居者さんと一緒に配膳や食事の準備。必要な入居者さんには食事介助も行います。
食後の片づけが終わったら、口腔ケア、服薬介助も。
13:00 入浴
入浴前にバイタルチェックをし、必要な方には入浴介助を行います。
15:00 おやつ
一緒にテーブルを囲み、団らんを楽しみます。
15:30 レクリエーション
和気あいあいと、簡単なゲームや体操に取り組みます。
16:30 申し送り
夜勤担当が出勤したら、申し送りをします。
17:00 退勤
■グループホームでの1日のスケジュール例《夜勤の場合》
16:30 出勤
日勤担当から申し送りを受けます。
17:00 夕食の準備
18:00 夕食
入居者さんと一緒に配膳や食事の準備をし、必要な入居者さんには食事介助も。
食後の片づけが終わったら、口腔ケアや服薬介助も行います。
19:00 団らんの時間
20:00 就寝準備
必要な方には排泄介助、更衣介助を行います。
20:30 消灯
入居者さんの居室を定期的に巡回し、体位交換も行います。
入居者さんからのコールにも随時対応します。
消灯後は、夜勤担当は交代で休憩を取ります。
6:00 朝食の準備
7:00 起床介助
必要な方には更衣介助を行います。バイタルもチェックします。
8:00 朝食
入居者さんと一緒に朝食の支度をします。必要な方には食事介助を行います。
食後の片づけが終わったら、口腔ケア、服薬介助も行います。
9:00 日勤へ申し送り
9:30 退勤
グループホームで働く介護士の平均給料は?
グループームで働く介護士の平均給与額(月給)は常勤で
276,320円、非常勤で180,410円です。
他の施設系介護職と比べると、低く設定されているようです。
これは、身体的介護が少ないこと、入居者さんの介護度が比較的低いことなどが影響していると考えられます。
グループホームで働くうえでは、資格取得は必須ではありませんが、働きながら取得資格をめざすことで、給与アップにつながる可能性があります。
ほかにも、夜勤を積極的にこなすことで夜勤手当をプラスすれば、もらえる給与はアップしていくことができます。
※厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」より
グループホームの仕事のメリット・デメリットは?
他の介護施設に比べ、
少人数でアットホームな雰囲気の中、あまり時間に追われることなく、
ゆとりを持って介護に当たることができます。
また、身体介護を必要としている入居者さんが他の施設に比べて少ないので、
体力的な負担も大きくなく、介護の経験が浅い方でも挑戦しやすい点が魅力です。
グループホームというと難しいイメージを持つ方がいるとすれば、
認知症介護への不安からでしょう。
たしかに他の介護施設より、一人ひとりのケアに細やかな気遣いが必要であったり、最初のうちは入居者さんの言動に接してストレスを感じてしまうケースもあるかもしれません。
またシフト制勤務なので、夜勤もあります。夜間徘徊があると夜勤の負担が増すことになります。
ただ、そうした認知症の方とのふれあいひとつひとつが貴重な経験と知識となり、介護サービスを続けるうえで大きな糧となるに違いありません。
認知症介護を経験することは、今後のステップアップにもつながります。
グループホームでの仕事に向いている人は?
認知症の人たちは、できないことが増えていくことで自信を失い、大きな不安を抱えています。
グループホームでは、そんな
入居者さんの気持ちに寄り添える人が求められます。
人の得意なことにすぐ気がつき、それを活かして
サポート役に徹することができる人は、グループホームの仕事に向いているでしょう。
また、グループホームではレクリエーションにも力を入れていますから、
レクリエーションやイベントなどの企画力を持った人も歓迎されます。
生活を共にしながら、入居者さんの日常をお手伝い!
グループホームでの介護士の役割は、認知症の進行を遅らせ、日常生活のできることを維持するためのサポートを通し、入居者さんに寄り添い、不安の軽減につなげていくこと。
身体介護が少ない分、体力に不安のある人にもオススメです。
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