■書名:プロとして知っておきたい!介護保険のしくみと使い方
■編集:ケアマネジャー編集部
■発行元:中央法規出版
■発行年月:2019年8月
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介護保険をわかりやすく整理!利用者さんへの説明のコツも解説された1冊
介護保険制度がスタートしたのは2000年4月。
介護を必要とする高齢者を社会全体で支えるために、国が介護保険料と税金を使って、プロの専門職がサービスを提供する仕組みを整えた。
ケアマネジャーも介護保険制度の中から生まれた専門職で、要介護者と種々のサービスとを仲介する大切な役目を果たす存在だ。
専門職である以上、介護保険制度をきちんと理解していることは当然だが、介護保険法は3年に1度改正されるので、改正点をきちんと把握することが求められる。また、利用者にサービスの内容がきちんとわかるように説明する必要もある。
介護の現場での多くの悩みに応えるために、介護保険制度について、サービスの内容・利用手続き、報酬単位、ケアプラン作成時のポイントなどがわかりやすくまとめられたのが本書だ。
<ケアマネジャーをはじめとする相談援助職が業務を行ううえで、最も重要となるのが介護保険制度の理解です。しかしながら、こうした専門職の養成課程においては、同制度について理解を深める時間は十分に割かれているわけではありません。そのため、資格を取得して現場で実務にあたるなかで「制度が複雑で改正も頻繁なため理解することが難しい」「利用者・家族に対してサービスの内容をうまく説明できない」などの悩みを抱える方が多いようです。>
介護職として、特にケアマネジャーや相談員においては、介護保険について確認し参考にできるガイドブックを手元に置いておきたいと思う人も多いことだろう。
わかりやすい言葉と図表を使って、介護保険制度のしくみからサービス内容までを網羅した本書をぜひ見ていただきたい。
本書の構成は次のようになっている。
第1章 介護保険のしくみ
第2章 介護保険の利用方法
第3章 介護保険のサービスと使い方
第4章 介護保険の豆知識
第1章「介護保険のしくみ」では、
介護保険サービス受給までの全体像をざっと確認することができる。
また、地域包括支援センターや地域支援事業についても触れられている。
第2章「介護保険の利用方法」では、実際に介護保険を利用するにあたっての
申請から利用開始までの流れがわかる。
手続きの方法、自己負担額の割合など具体的な内容が理解できるようになっている。
第3章「介護保険のサービスと使い方」は本書の中心となるところで、介護サービスの具体的な内容を
「居宅サービス」「地域密着型サービス」「施設サービス」に分けて説明。
「訪問介護」「福祉用具貸与」「夜間対応型訪問介護」など、サービス形態別に23項目が掲載されている。
各サービスについて専門職向け、利用者向けに分けて解説されているところが特長だ。
専門職向けには、「どんなサービスを行うか?」という
サービス内容の具体例や、単位表がコンパクトにまとめられている。
第3章では、
利用者向けの説明ページも充実。専門用語ではなくわかりやすい言葉を用いているので理解しやすく、そのサービスのメリット・デメリットも掲載してある。
利用者や家族が気になるサービス費用についても、具体的な金額で明記されているので、利用者への説明時に参考にしやすいだろう。
第4章「介護保険の豆知識」では、介護保険制度と国の示す方向性などを5つのトピックを挙げて紹介。
介護現場の1人1人が日本の将来像を視野に入れ、介護保険制度の持続性を考えることも大切なことで、大変参考になる。
全ページオールカラーでイラストや図表も多く使われているのでわかりやすい。
2019年10月からの介護報酬改定にも対応しているので、点数や金額もそのまま利用することができる。
また、いたるところに介護保険やケアマネジメントに関する情報をまとめたコラムもあり、巻末にはキーワード集も掲載されていて便利だ。
介護現場での様々な場面で活用できるように編集された本書を利用して、よりよい実務を目指してみてはいかがだろうか。