毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、現在厚労省が検討している「介護職の資格を取るハードルを下げよう」という動きについて紹介します。
介護業界が慢性的に人手不足の状態であることは、広く知られているが、そうした状況を改善するべく、厚生労働省が介護職の資格要件を緩和する方針であるらしい。しかし現場からは、一斉に反発の声があがっている。
このニュースは10月15日付けの読売新聞にて報じられたもの。同紙によれば、現状では最短130時間の研修で取得できる「介護職員初任者研修修了者」について、要件を緩和して短い時間で取れるようにするか、新たに研修時間の短い資格を創設することが検討されており、合わせて外国人の受け入れに関しても拡充する方針だという。
介護業界の人手不足解消、人材の確保が緊急の課題であることは疑いようのない事実だ。今年6月に行われた「第1回福祉人材確保対策検討会」に提出された「介護人材の確保について」という資料では、離職率の高さ、賃金の低さ、有効求人倍率の高さが指摘される一方、2025年には237~249万人の介護職員が必要であるとの試算も登場。これは2025年までに毎年6.8~7.7万人ずつ新たな人材を確保しなくてはならない計算だ。
多数の人材が必要であるにも関わらず人材が足りないのであれば、「資格をとるためのハードルを下げる」という厚労省の方針が事実だとすると、一見合理的であるようにも見える。しかしこのニュースに対し、ネットユーザーからは、
「問題は資格ではなく、所得だと思うけど・・・」
「介護士の給与じゃ生活が厳しいのだから。必要なのは資格緩和ではなく給与の底上げ」
「介護分野の資格要件を緩和したところで、労働環境が改善されなければ人手不足は解決しないので意味がない」
と、資格緩和よりも待遇改善を訴えるコメントが次々と寄せられ、一方では、
「サービスの質がますます低下するよ」
「介護がそんなにイージーな仕事だと思っているのか」
「専門知識や技術への軽視、辞める分、数投入すればいいっていう使い捨ての発想に怒りが」
など、サービス低下を危惧する声も続々登場。この件に関して厚労省から正式な告知があったわけではないが、先行報道への反応を見る限り、資格要件の緩和は介護業界でも激しい議論を巻き起こしそうだ。
【関連リンク】
・介護分野の人手不足解消へ、資格要件を緩和
・介護人材の確保について(PDF)
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