毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「介護の日」にまつわる話題を紹介します。
一説によれば11月11日は、1年でもっとも“○○記念日”が多い日。「ポッキーの日」「チンアナゴの日」「豚饅の日」「いい出会いの日」「鮭の日」などが同日に制定されており、「介護の日」も11月11日だ。オリックス・リビングが行った調査によれば、79.7％の人が「知らない」と答えており、まだまだ認知度は今ひとつの「介護の日」。
当日は、以下のような介護関連のニュースが普段以上に多く取り上げられた。
（ちなみに姉妹サイト『オアシス介護』が「介護の日」にリニューアルされたことも、ニュースサイトに登場）
「『介護の日』 無料の電話相談」
「介護の担い手の57％が『ニオイ』に悩み」
「介護食品:愛称は『スマイルケア食』 農水省が発表」
「介護の心配事、1位は『お金』」
「介護を受けるなら介護職員がいい43.2％」
一部にはこれらをを複雑な思いで受け止めた人もいたようだ。
介護の日は、2008年7月に厚生労働省が、
「介護について理解と認識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援するとともに、利用者、家族、介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進する観点から、高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日」（厚生労働省の資料より）
として定めた記念日。厚労省が意見の募集を行ったところ、「介護の日」のほか、「介護ささえあいの日」「かいごの日」「介護感謝の日」といった名称が寄せられたが、最も多くの支持を集めた「介護の日」が採用され、「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけた「11月11日」が記念日に制定された。
当日のツイッターを見てみると、
「今日はいい介護の日らしいですね」
「今日は、ポッキー&プリッツの日でもあるけど、介護の日」
「今日は、介護の日 ヘルパーさんや介護に携わって居る方 毎日ご苦労様です」
など、およそ1600人が「介護の日」を話題にしており、厚労省の啓発活動は、決して空振りに終わっているわけではない。
しかし一方で、“現場レベル”の声をピックアップしてみると、
「介護の道を進むことになった私はこの日をより大切にしていこうと思います。。。」
「介護学校通ってる身からすればポッキーの日云々よりも『介護の日』の方にももっと目を向けて欲しい気持ちはある」（原文ママ）
など、ポジティブな意見もあるものの、
「施設では全然話題にならないのです・・・」
「実を言うと11月11日が『介護の日』というのを今日まで知りませんでした。自分、介護福祉士なのに」
「今日介護の日だったんだ～w介護の仕事してるのにしらなかったww」
といった声も多く、一部からは、
「私たち毎日介護の日ですけど？」
「介護しとる者にとっちゃあ毎日が闘い。今日だけ『介護の日ですー』言うたってピンと来まへんがな」
「当事者にとっては、毎日が介護の日」
「毎日が介護の日の私にはなんとも」
と、怒りを含んだコメントも登場。毎日多くの時間を介護に費やす介護の当事者の中には、「介護の日」という呼称に違和感を覚えた人も少なからず存在したようだ。
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