毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「介護がテーマのエンターテインメント」を紹介します。
有吉佐和子さんが、当時はなかばタブー視されていた認知症をテーマにした小説『恍惚の人』を発表したのが1972年のこと。同作は100万部以上を売り上げて同年のベストセラーとなり、その後幾度となく映像化されたが、近年、“介護”をテーマとした良質な映画や小説、ノンフィクションが次々と発表されている。そんな作品をいくつか紹介しよう。
現在公開中の映画『0.5ミリ』は、安藤桃子さんが、自身で書き下ろした小説を、自ら監督・脚本を務めて映画化した作品だ。俳優・奥田瑛二さんとエッセイスト・安藤和津さんの間に生まれた安藤桃子さん。8年にもわたって祖母を介護した経験から、介護をする苦労や家族の愛情を描いた。
「冥土の土産におじいちゃんと寝てあげてくれない?」という派遣先からの突拍子もない申し出を受けた山岸サワ(安藤サクラさん=安藤桃子さんの実妹)が、予期せぬ事件に巻き込まれ、仕事もクビになり、寮も追い出され、人生の崖っぷちに立たされ、やがて“おしかけヘルパー”になる……というストーリー。上映時間196分の大作で、2014年報知映画賞では作品賞と助演男優賞(津川雅彦さん)をW受賞している。
*映画『0.5ミリ』の内容はコチラでも詳しく紹介しています
*姉妹サイト「オアシス介護」でも、安藤桃子さんのインタビューを掲載しています
一方、漫画から映画化された作品が、2012年公開の『ペコロスの母に会いに行く』(森崎東監督)だ。この映画の原作は、認知症の母と、自分の頭を小タマネギ(=ペコロス)に例えた息子のほのぼのした日常を、8コマ漫画で描いたもの。作者の岡野雄一さんが、自身が編集長を務めていた長崎のタウン誌に発表していた作品を自費出版し、その後新聞社から再刊。ネットなどを通じてじわじわと話題となり、およそ20万部を売り上げる大ヒットになった。
映画では、赤木春恵さんが母・光江を、岩松了さんが“ペコロス”を演じ、同作は2013年のキネマ旬報日本映画ベスト1に選出。今年8月、光江さんは天国へと旅立ってしまったが、岡野さんは10月には続編となる『ぺコロスの母の玉手箱』(朝日新聞出版)を、12月には明るい認知症との付き合い方を伝授する『「ペコロスの母」に学ぶ ボケて幸せな生き方』(小学館新書)を刊行している。
こちらのページで『ペコロスの母の玉手箱』を、著者 岡野雄一さんのインタビューとともにご紹介しています。
高齢者介護を扱い、第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞したのが、葉真中顕(はまなかあき)さんの『ロスト・ケア』だ。こちらは、要介護の高齢者を次々と殺めた連続殺人犯を通じて、介護が抱える諸々の問題をえぐりだした一作。同作は早川書房が選ぶ2014年の「ミステリが読みたい!」で第5位(新人第1位)、別冊宝島が選ぶ2014年版「このミステリーがすごい!」で第10位に選ばれている。
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