毎回、ちょっと困った介護スタッフの珍行動や、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。先週は、「オープニングスタッフとして介護施設で働くメリット」という話題を紹介したが、メリットがあればデメリットもあるのが世の定め。今週は「オープニングスタッフとして働くデメリット」について紹介します。
見切り発車でスタートすることも…
少子高齢化が猛烈なペースで進行しており、全国で介護施設の建設が進んでいる。そんななか先週は、介護施設の取材を続けているライターのTさんが語る「オープニングスタッフとして介護施設で働くメリット」として、
・皆が同期なので、フラットな人間関係を築きやすい
・自分たちがこの施設をつくりあげたという思いが持てる
・設備が綺麗
などを紹介した。こういった話を聞くと、メリットばかりのようだが、やはりデメリットもないわけではない。Tさんはオープニングで働くデメリットについてこう語る。
「まず“あるある”なのは、『職員が十分にそろっていない』というものです。私が取材した例でも、『建物はできたのに職員が集まらず、何ヶ月もオープンが遅れた』という施設がありました。予定していた人員が集まらず、見切り発車でスタートしてしまう施設もあるようです」
介護関係の仕事が軒並み人手不足なのは、もはや誰もが知るところ。何とかオープンにこぎつけても、現場のドタバタぶりは想像できる。
「オープンしたはいいものの、マニュアルが現実に即していなかったり、そもそもマニュアルそのものが存在しなかったりするケースもあるようです。飲食店などでも同じですが、新たにオープンした店というのは、見た目はピカピカですが、働く人間が不慣れで、サービスも試行錯誤の段階。そういった状況に利用者が不満を抱いてトラブルになることも珍しくありません。オープニングのドタバタで業務があふれてしまい、大幅な残業が必要になることもあります」
メリットであるはずの人間関係は諸刃の剣?
そしてTさんが「最大のメリット」として挙げた「人間関係」も、諸刃の剣なのだそうだ。
「オープニングスタッフとして応募してくる人の中には、“前の施設で仲間はずれにされた”とか“嫌がらせをされた”など、『人間関係でイヤなことがあったので、施設を変えた』という人もいます。
そういった人の中には、今回はいじめられないように、と自分が派閥作りに走っちゃう人もいるようです」
ただしTさんによれば、「やはりオープン時から携わっている“オリジナルメンバー”は仲間意識が強く、居心地良さそうにしている人が多い」とのこと。
オープニングスタッフは人気の求人だ。メリットが多数あるが、オープニング特有の注意点があるのも事実。前回のメリット紹介、今回のデメリット紹介の記事を合わせて読み、ぜひとも参考にして頂きたい。
※介護求人ナビでは、オープニングスタッフ募集に関する特集を掲載しています。ぜひ参考にしてください。
→ オープニングスタッフ募集 特集