毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週と来週の2回にわたって、「電話番号の語呂合わせで大騒ぎ」という話題について紹介します。
電話番号の語呂合わせの話がオーナーの耳に入り…
テレビCMなどを見ていると、しばしば登場するのが電話番号の語呂合わせ。音楽に乗ってリズミカルに繰り返されるCMはインパクト抜群で、広告効果は絶大。だが、先日、東京都のある介護施設では、電話番号の語呂合わせを巡って珍騒動が繰り広げられた。
騒動のきっかけは、職員同士でおしゃべりをしていた時のこと。話題が“家の電話”のことになり、「彼女の家に電話をして、親が出ると緊張した」「昔は色んな人の電話番号を覚えていた」「敬語の使い方は電話で覚えた」といった話題で盛り上がっていると、ふとある職員が「ウチの電話番号の下4ケタが“良い老後”(4165)なのよ」と。
すると、たまたまその場に居合わせた介護施設のオーナーが、この「良い老後(4165)」の語呂合わせをたいそう気に入り、「ウチもその電話番号にしよう!」と、大はしゃぎ。そこから「電話番号っていうのは好きなのが取れるのか?」「良い語呂合わせを考えろ!」と、“語呂合わせ騒動”がスタートした。
語呂合わせを決めるために会議が開かれる
施設で働くAさんが語る。
「職員はみんな『なんて余計なことを思いついてくれたんだ』ってドン引きだったんですよ。そもそも猫の手も借りたいぐらい忙しいのに。だから『好きな電話番号なんて選べませんよ』とか『電話番号を変えたら利用者や家族が混乱しますよ』とか言って、なんとかそのアイデアを撤回させようとしたんです。けれど数日後、オーナーが『おいっ! 電話番号って空いてるもののなかから選べるらしいぞ!』と。自分で色々調べたみたいなんですよね」
ノリノリでことを進めるオーナーに対し、「本当に電話番号を変える気なんだ」と、憮然とする職員たち。そして施設では、電話番号の語呂合わせを巡る会議が行われたという。
「とりあえず話の発端となった『4165』は空いていなかったんですね。で、オーナーが『代わりに良いやつを考えろ』というので、みんなで『いい老後(1165)はどうですか?』『老後良い(6541)は?』とか、延々と会議ですよ。最後の方はみんな面倒くさくなって『ヨロシク(4649)でいいでしょ』とか『サイコー(3150)は?』とか、もうメチャクチャでした」
思い浮かんだ語呂合わせの数字を、空いている番号のリストと首っ引きで確認する作業が繰り返されること数時間。しかし“悲劇”はこれでは終わらなかった。(次回に続く)