毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は「未婚者の介護」という話題を取り上げます。
近年は婚姻率がどんどんと低下し、厚生労働省のデータによれば、1955年に男性1.2%、女性1.5%だった生涯未婚率は、2010年に男性19.1%、女性10.0%にまで上昇。同省は、この数字が2030年には男性29.5%、女性22.6%にまで上昇すると予想している。そうした現象が進むということは、将来、未婚の子どもたちが親の面倒を見るパターンが飛躍的に増えるということだ。
これは生涯未婚を貫いた関東在住の男性・Vさんのケースだ。
現在60代のVさんは、若い頃に家を出て以来一人暮らしを続け、これまで一度も婚姻歴のない男性。3年ほど前、80代の母親の介護をすることになったVさんだったが、炊事や洗濯、掃除などは長い一人暮らし生活の間、すべて自分で行ってきたため、「まあ何とかなるだろう」と、母親の面倒を見ることに、それほど不安はなかったのだという。
しかしVさんは、ほどなく壁にぶち当たる。洗濯や掃除に関しては何とか無難にこなしたものの、大いに頭を悩ませられたのが“食事”。気楽な一人暮らし生活を続けてきたVさんの料理は、大正生まれの母親の口には全く合わず、さりとて母親の口に合わせた料理を作れば、Vさんには全く物足りず、結果的にVさんは、2人暮らしなのに2種類の食事を用意することを余儀なくされるようになったのだ。Vさんにとってこの作業は、時間を大きく取られるのはもちろんのこと、経済的な負担も大きく、そのことに大いにストレスを感じているという。
2013年3月に厚労省が実施した、15~39歳の若者に対する意識調査によると、「『生涯を独身ですごすというのは、望ましい生き方ではない』という考えに賛成ですか、反対ですか」という質問に対し、49.8%が反対(「まったく反対」「どちらかといえば反対」を足したもの)と回答。つまり若い年代の半数は、未婚に対して抵抗感を抱いていないということが見えてくる。
未婚者がその理由として“経済的な不安”を掲げる例は多いが、仮に一人っ子が未婚を貫けば、実親の介護を担うのは、常識的に考えればその未婚の一人っ子。“お金がないから結婚しない”というシングルたちは、「では誰が、どうやって親の面倒を見るのか……」という問題が存在することも認識する必要がありそうだ。
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