毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「面接で答えなくても良い質問」という話題について紹介します。
面接ではすべての質問に答えなければダメ?
就職を希望する際、ほぼ間違いなく行われるのが面接。
就職を希望する者にとっては、自分を直接アピールすることができる唯一の機会であると同時に、職場の雰囲気を知る良いチャンスだ。
しかし、「上手く話すことができなくて……」と、苦手意識を持っている人も少なくないだろう。
だが、“面接をする側”にも実は厳しいルールが定められているのをご存じだろうか?
面接と言えば、多くの人が「どんなことを聞かれても、上手に答えなければ採用されない」というイメージを抱いているだろう。
しかし実際には、面接といえども何を聞いても良いわけではないばかりか、質問して良いことは厳しく制限されている。
厚生労働省は、採用活動に関してのガイドラインを示しており、基本的な考え方として、「応募者に広く門戸を開くこと」「本人のもつ適性・能力以外のことを採用の条件にしないこと」という2点を提示。
「応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しない」ことを求めている。
こんな質問なら答えなくてOK!
例えば、「本籍はどこか?」「出生地はどこか?」という質問はNGだ。本籍や出生地は、本人には選択の余地がないもの。
そのほか、「両親の有無は?」「父親の職業は?」「両親は健康か?」といった、本人に責任が及ばない質問はすべてNGとなる。
また、本人のことであっても、質問が禁じられている項目は存在する。それは思想信条に関わることだ。
例えば、「信仰している宗教は?」「支持している政党は?」といったストレートな質問や、労働組合や学生運動への参加経験を尋ねるのはNG。
購読している新聞や「尊敬する人は?」という質問も禁じられている。
ただしこのルールには“穴”があり、“面接される側”が自ら申し出れば、それを聞いて採用の参考にすることは可能だ。
それゆえ面接する側は、上述したようなNG質問について、自ら申し出るように仕向けるような巧みな質問を投げかけてくることもある。
そういった質問をされた場合、「そういう質問は禁じられているはずです!」と、指摘するのは簡単だが、そんなことをすれば採用が遠のくことは火を見るよりも明らかだ。
そのような場合は、うまくやり過ごすか、厚生労働省の指導を守らない会社はこちらからお断りと考えるかの二択になりそうだ。