介護の世界で、情熱を持ってキラキラと輝いて生きている「情熱かいごびと」。高瀬比左子さんの3回目は、彼女が立ち上げている未来をつくるkaigoカフェの実際の活動内容やテーマについて説明していただきました。その内容には、「介護の未来を明るくしたい!」という強い思いが込められています。
○●○ プロフィール ○●○
高瀬比左子さん
「未来をつくるkaigoカフェ」主宰
介護施設のケアマネジャーとして勤務するかたわら、未来をつくるkaigoカフェを主宰。職場や仕事のジャンルを超えて対話をする場を作ることで、理想の介護のあり方を模索する。(未来をつくるkaigoカフェの概要については
第1回、
第2回のインタビューをご参照ください)
未来をつくるkaigoカフェ
*掲載内容は取材時(2014年)の情報となります。
介護の未来を語り合う 場づくりに向けて
カフェでの一場面。それぞれの思い、目標を公表しています
――月1回開催される未来をつくるkaigoカフェ、どんな人たちが参加するのですか?
幅広く介護や介護に関わる方にご参加頂いています。現場の介護職はもちろん、医師や看護師、理学療法士や作業療法士といった現場の専門職の方から、介護福祉学部の学生、介護事業経営者、介護保険外サービスの方など、様々な業種・職種で活躍されている方が肩書や役職を気にせず、介護にまつわるテーマをもとに自由に対話をすることができます。
――参加者が30数人だというのは、何か理由があるんですか?
カフェのお席の都合でそれ以上の人たちが参加できないというのもあるのですが、それだけではなくて。ゲストとなる方のお話があった後、5つほどのテーブルごとに対話をする関係上、あまり人数が多いと一人ひとりが話せる時間がつくりにくくなりますし、30人程が共有のしやすい人数ではないかと思います。
――どんなテーマで話し合うのですか?
これまで様々なテーマで開催してきましたが、「笑顔をつくるコミュニケーション」「認知症の“人の気持ち”を理解した関わりとは」のような介護現場にすぐに役立つ内容や、「もしも介護保険がなかったら」「介護保険外のサービスの未来」のように、制度を見据えつつそれ以上に何ができるかを探るという、発展的な内容もあります。また哲学的なものや離職をテーマにしたストレートな内容も。
こうしたテーマに、みんなで対話しながら向き合っていくことで、「本当の意味でのいい介護とは?」という介護の本質的なテーマへの導きもあると信じています。
ある月のコーヒーとスイーツ。対話の合間に、このおいしさは「癒し」になります
――それでお茶やスイーツつきで会費が1000円というのは安すぎるのでは?
今のところ、この「未来をつくるkaigoカフェ」でお金をいただくつもりはなくて非営利でやっています。私は他に収入を得ることができていますし、この活動は純粋に、「介護に関わるすべての人に未来を感じてほしい」との思いを実現していく場にしていくことができたらと思っています。
――今後はこの未来をつくるkaigoカフェをどう発展させていく予定ですか?
今現状としては、ありがたいことに、参加された方は、様々な気づきや学びを受け取っていると言って下さっていますが、限られた30数名だけに「介護の未来」があるのではなく、
もっとたくさんの方に未来を感じていただくのが課題だと思います。
そうした意味では、未来をつくるkaigoカフェに参加された方が、ご自身の組織や身近な地域で自分なりのアクションにつなげていって頂くことを願いますし、またこのような前向きな介護職の輪が広がっていくためには、活動を広く知って頂く機会もこれからつくっていくことができたらと思っています。
第4回(最終回)に続きます。