リーダーや管理者・ホーム長をめざして転職。希望通り管理職になったのはいいけれど、部下との人間関係に悩む人も多いようです。
こんなことなら現場の介護スタッフのままの方がよかった…と後悔しても、今さら元には戻れない。
ここでは、そんな部下との関係に悩む転職失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
〈事例1〉施設が掲げている目標を理解してくれない部下との関係に悩んでいます
46歳/男性/総一郎
利用者様の自立促進を目標にしている老人ホームに、管理職として転職しました。部下であるスタッフが熱心にさまざまな提案をしてくれるのですが、自立を妨げるものが多いため、現場には取り入れていません。
そんなことが続くうちに、部下から不満が増え、人間関係がギクシャクして…。自分は管理職の器ではなかったのかもと自信を失い、最近は転職も考えるようになりました。
《アドバイス》
介護の現場では、スタッフ同士の意見やめざす介護の違いから、人間関係が悪くなってしまうこともあるようです。
施設が目指す介護、スタッフがやりたい介護、さまざまな考え方や意見をまとめ、バランスをとりながら一つの方向に持っていくことは、上司であるあなたの役目。なかなかの難題です。
現状は、施設がめざす介護が、部下に伝わっていないのかもしれませんね。
スタッフの提案が、施設の理念に合っていないなら、現場に取れ入れることは難しいでしょう。
しかしその時、提案を取り入れない理由をしっかり伝えておかないと、スタッフはただ「上司が話を聞いてくれない」とだけ思ってしまいます。
なぜ取り入れることができないのか、施設がめざしているのはどんな介護なのか、スタッフに丁寧に説明することが大切です。
また、部下の提案をそのまま反映させるのが難しい場合は「ここだけ変更してやってみようか」など、提案を受け入れつつ施設の目標とする方向にもっていくのがおすすめです。
提案が多いということは、それだけやる気のある部下が多いという素晴らしいこと。しかし、「上司に話しても無駄だ」と思われてしまっては、スタッフのモチベーションも下がってしまうでしょう。
以下のようなことに取り組んではいかがでしょうか?
●ミーティングなどで、スタッフの意見を聞く場や方向性を確認する場を持つ
●スタッフの提案に積極的に耳を傾ける
●提案を受け入れられない場合は、スタッフが納得するまで説明する
●施設の理念とともに、なぜそのような理念を大事にしているのか、の背景を伝える、など
施設の理念をしっかり浸透させることができれば、現場のスタッフから、よりよい提案が出てくるかもしれません。
あなた自身も、スタッフから信頼される上司に近づけるでしょう。
今回の件で、あなたがすぐに転職を考えるのは、時期尚早だと思います。
部下との人間関係に悩んだことのない管理職はいません。真剣に部下と向き合っている上司だからこそ悩むのです。
この経験を糧に、管理職としての成長に結びつけてはいかがでしょうか。
〈事例2〉何度注意してもタメ口で話しかけてくる年下スタッフにイライラしています
43歳/女性/ひろみ
転職して介護リーダーになったのですが、部下の言葉づかいにイライラしています。私の方が介護職の経験も年齢も上。しかも上司なのに、タメ口で話しかけられるんです。
確かにこの職場では新人かもしれませんが、納得できません。注意した時は直っても、すぐまたタメ口に戻って…。
小さなことだけど、毎日イライラしっぱなし。この部下の顔を見るだけでストレスになってきています。
《アドバイス》
介護業界に関わらず、目上の人に敬語を使うことは一般常識です。しかし今まで、敬語を使わない環境で仕事をしてきた人は、そもそも敬語の使い方自体を知らない可能性もあるでしょう。
また、以前の上司がタメ口を気にしていなかった場合、上司が変わったから急に言葉づかいを変えるということが難しいのかもしれません。
注意するとその瞬間は直るということですから、悪意はないのでしょう。ただ、すぐまた忘れるということは、部下は敬語の必要性をあまり感じていないようですね。
指導は継続していった方が良いでしょうが、敬語を気にして部下との距離を作るより、あなた自信がその部下を受け入れてみてはいかがでしょうか。
あなた自身がストレスをためないよう、言葉づかいは大目に見ようと、気持ちを切り替えることも一つの方法です。
敬語を使わないということは、逆に言うと、「誰に対してもフレンドリー」、「細かいことを気にせずおおらか」などの良さがある人かもしれませんね。
ただし、もし利用者が部下の言葉づかいを不快に思っているなら、しっかり注意して直させることも上司の役割です。部下も「利用者が嫌がっている」と言えば、真剣に取り組むかもしれません。
また、チームの他のメンバーにも協力してもらい、あなただけではなく全員がしつこく指摘し続けていくのも手でしょう。
上記はあくまで一例ですが、転職を考える前に、まず部下へのアプローチ方法を変えてみてはいかがでしょうか。
〈事例3〉転職して3カ月でリーダーに!ベテランスタッフをひっぱっていく自信がない…
29歳/女性/杏子
老人ホームに介護スタッフとして転職したのですが、前のリーダーがいきなり辞めてしまい、入社3カ月でリーダーになってしまいました。私よりベテランで年上のパートさんも多く、スタッフをひっぱっていく自信がありません。
実際、私がリーダーになってからみんなとまどっているみたいで、職場に迷惑をかけてしまっています。元の現場スタッフに戻りたい!このポジションをはずれるためには、私も辞めるしかないのでしょうか?
《アドバイス》
リーダーという立場になると、現場や他のスタッフのマネジメントなど、今までと仕事内容が変わってきます。転職して3カ月目で急にリーダーという立場になったことで、とまどうことも多いでしょう。
しかし、リーダーの仕事を通して、気づくことや成長できることも多いはずです。
スタッフをひっぱっていく自信がないようですが、リーダーにもさまざまなタイプがあります。
たとえば…
●リーダーシップを発揮して、他のスタッフをひっぱっていくタイプ
●スタッフの意見をうまく調整する、コーディネータータイプ
●他のスタッフのサポートを受けながら、周囲とうまくやっていくタイプ
あなたがリーダーだからと肩ひじをはっていたり、自信がなくて何も判断できず身動きがとれなくなっていたら、他のスタッフもやりづらいでしょう。
あなたがとまどっていること・困っていることを素直に伝えれば、周囲のベテランスタッフがサポートしてくれるのではないでしょうか。一人でがんばろうとせず、周囲を巻き込みながら、「あなたらしいリーダー」をめざしてみてはいかがでしょうか。
また、あなたがリーダーに選ばれたことには、何か理由があるはずです。どうして自分をリーダーに抜擢したのか、施設長や上司に聞いてみましょう。
そこから「あなたらしいリーダー像」が見えてくるかもしれませんし、不安に思っていることを上司に相談すれば、しっかりサポートしてくれるはずです。
もし、経験不足から本当にトラブルが起こってしまいそうな場合は、上司にありのままの状況・気持ちを伝えましょう。その上でサポートや対処をしてもらえない場合は、転職を考えることも一つの方法です。
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