理想の介護の実現やスキルアップ、待遇アップなどを考えて転職。しかしそこには、民間企業ならではの不安が!?
今回は、民間企業が運営する老人ホームに転職した先輩の転職体験エピソードを、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
入居者が減るたびに、施設がつぶれるのではないかと心配に…
32歳/女性/マナミ
以前は、社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームに勤務。ですが、手厚い認知症ケアに魅力を感じ、民間企業が運営する有料老人ホームに転職しました。前職の特養は、入居待ちの方が何百人もいるという状態。ところが転職先の民間老人ホームは、けっこう空室があるんです。利用者様が入院されたりして入居者が減ったりすると、経営は大丈夫なのかな…と、内心ドキドキ。まさか、こんな心配をするとは思ってもいませんでした。
《アドバイス》
特養は、社会福祉法人や市区町村が運営する公的な介護施設。また、ほとんどの施設で入居待ちが出ている状態で、待機期間の長さが社会問題にもなるほどです。そうしたことからも、たしかに現状は、経営不安は、さほどないと言えるでしょう。
ただ将来に渡って考えると、実は、必ずしもそうとは言い切れません。これから、日本の人口は減少していきます。すでに地方都市では高齢者の人数も減り始め、待機なしで入居できる特養も出てきています。今後は、空室の目立つ特養も増えてくるとみられています。
あなたがいざ働き始めて、いままでとの違いにとまどう気持ちはわかります。社員として、会社の経営状態を考えるのも重要な視点です。ただ、あまり不安に思わずに広い視野で見てみましょう。
あなたが現在の有料老人ホームを選んだ理由を思い出してみてください。特養ではなく、有料老人ホームを選んだ理由があったのではないですか?
有料老人ホームには、特養とは違う魅力やメリットもあります。たとえば、民間経営ならではの特色あるサービスを打ち出している施設や、施設のコンセプトに独自のカラーが現れているところなど。あるいは接遇面で、従来の介護サービスとの違いを打ち出している施設もあります。
あなた自身が、「ここが魅力!」と思った点は、入居者も同様に魅力に感じる可能性が高いでしょう。その魅力を極めたり外に伝えていくことで、入居者の増加につなげることができるかもしれません。漠然と不安に思っているよりも、今のホームで入居率を上げるために出来ることを考えてみてはいかがですか。
もちろん一人の力でなんとかできることではありません。まわりのスタッフと、課題を話し合う機会を作ってみたり、ホーム長に、素直に今後の施設運営方針について疑問をぶつけてみるのもいいかもしれません。
まずは
利用者様のケアに集中し、
今の仕事に真摯に取り組むこと。それはけっして無駄にはなりません。介護業界はこれからも、おおぜいの介護職を必要とします。優秀な介護職は引く手あまた。ですから、万が一倒産という事態になったとしても、
しっかりスキルを積んでいれば、どこでも通用する力がついているはずです。
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