介護の仕事が自分の性に合っていると感じるようになってからは、他の事業所でもかけもちで働き、資格をとるなど、自分を高める努力をしたAさん。その中でたくさんの気づきを得て、当初の事業所のよさを再確認します。今回は、新人から中堅へとキャリアアップしたAさんの当時の様子を語っていただきます。
*A・Wさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
A・Wさん(42歳)のプロフィール・転職経験
●介護業界歴…12 年
●介護の仕事に就く前…フリーター、接骨院助手、ミュージックバー経営
●転職回数…4回
●いままでの勤務先…訪問介護ステーション、デイサービス
●現在の勤務先…訪問介護ステーション
●保有資格…介護福祉士、介護支援専門員、ケアマネジャー
他の職場を経験したくて、がむしゃらに働いた
介護の仕事を始めて3年近く経つと、もっと介護のことを深く学びたくなって。ずっと同じ事業所で、いつもの利用者さんを担当するだけでは、飽き足らなくなってきたんですね。そこで、他の事業所でも働き始めたのです。
ひとつは、同業他社の訪問介護事業所。最初のところは高齢の利用者さんばかりだったので、若い利用者さんがいるような事業所に興味があり、何人かの担当になりました。
若い利用者さんだと、交通事故あるいは生まれつきの病気で、なんらかの障害がある方が多かったですね。また、精神疾患のある方も多くて。これまでの知識と経験だけでは十分ではなく、ずいぶん勉強もしました。精神的に不安定な方には、よりいっそう、穏やかに接することが大切ですし、幻覚や幻聴で苦しんでいるときのケアの仕方には注意が必要です。ちょっとした声かけで気持ちがなごむこともあれば、かえって刺激してしまうこともあるので、医学的な知識も得ながら、利用者さんに接していました。
また、訪問介護だけでなく、施設介護も経験してみたい、という気持ちも高まりました。かといって、夜勤のあるようなホームではなかなか難しいので、デイサービスに勤務しました。3つの事業所をかけもちし、目まぐるしく町を走り回っている時期が、3年ぐらいあったでしょうか。今思えば、自分の子どもが幼稚園に行くような年齢で、よくやっていたな、と思います。近くに住む両親がサポートしてくれたから、何とかできたという感じですね。
他の事業所で働くようになると、自分がもともといた事業所に対しても、客観的に見ることができます。そして、事業所のよさを再確認しました。
他の事業所を経験し、今の職場の良さを再確認
所属する事業所は、経営トップがボランティア活動などに熱心な方です。福祉全般についても知識や経験が深く、利益よりもまず、利用者さんのことを考えるようなところです。だから、私たちも、「その人らしさ」に重点を置いたケアができる。ありがたかったですね。他の事業所では、営利優先で、利用者さんにとっては別のサービスのほうがよくても、利益を上げるためにサービスを選定するようなこともありました。
この時期は、自分を高めることにまい進し、3つの事業所を掛け持ちしながら、介護福祉士の資格を取得。2年後にはケアマネジャーの資格もとりました。当時は、子どもも幼稚園や小学校低学年でしたから、簡単ではありませんでした。
でも、仕事って、がむしゃらにやっている時期には得られることも大きい。ますますおもしろくなって、自然と頑張れてしまうんですね。視野が広がり、事業所全体のことも見えて来るようになって。そんなころ、上司から、「いつまでもパートで働いていないで、常勤にならないか?」と誘われました。それはつまり、サービス提供責任者になるということでもありました。
そうなれば、掛け持ちしていた事業所を辞めることになります。責任も重いし、勤務時間の自由もきかなくなる。でも、介護という仕事を大きくとらえて、スタッフみんなで作り上げていけるサ責の仕事にやりがいを感じて、お受けすることにしました。
最終回では、管理職として介護の仕事に携わるようになったAさんの活躍ぶりをお伝えします。
*A・Wさんの「私が転職した理由」…
1回目、
2回目、3回目、
4回目(最終回)はこちら
●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
→ 「こんなはずじゃなかった…」 転職先選び 私の失敗談
●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●
介護求人ナビの求人数は業界最大級! エリア・職種・事業所の種類など、さまざまな条件で検索できます