介護報酬の請求業務などを行う介護事務のお仕事。デスクワークと思っていたけど、転職先の実情はちょっと違っていて…。
今回は、介護事務に転職した先輩の経験談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
1 【先輩たちの体験談】介護事務のつらいポイント
2 介護事務のやりがい・魅力
3 介護事務への就職・転職を成功させるポイント
4 介護事務はつらいことばかりではない、やりがいのある仕事です
介護事務に興味はあるけれど、仕事がつらいのではないかと心配な方は多いです。
ここでは、介護事務の先輩たちの体験談をもとに、介護事務で大変だった体験談を具体的なアドバイス付きでご紹介します。
35歳/女性/こずえ
介護施設の事務職として勤め始めて8か月。せっかく通信講座で介護保険のことを勉強して転職したのに、介護報酬請求業務以外の雑用が多くて、ちょっととまどっています。しかも最近、介護スタッフが辞めたこともあり、施設長から現場を手伝ってと言われてしまって…。今は、掃除や調理などの生活援助のサポートもしています。もともとケアの仕事がしたくて就職したわけではなかったので、どうしたらいいか悩んでいます。
《アドバイス》
メインの仕事は「介護報酬請求業務」。だけど施設によって業務範囲はさまざまです。
介護事務の重要な仕事といえば、介護報酬請求業務(レセプト作成)です。しかし、介護報酬請求業務だけが介護事務の仕事ではありません。たとえば、ケアマネジャーの補佐的な業務も主な仕事のひとつ。ほかにも、窓口業務や電話応対をはじめ、労務管理や経理、施設の備品類の管理・発注、連携機関への連絡、提出書類の作成など、幅広い業務があります。
さらに職場によっては、事務系の仕事以外に、現場の仕事を手伝うケースも多いようです。応募職種が「介護事務」だからといって、デスクワークだけだと決めつけてはいけません。実は、介護事務がどのような業務を担うかは、施設の規模や人員状況、事業者の考え方次第で異なります。事務系の仕事に専念できるところもありますが、もともと、“介護事務と現場の介護業務の兼任”、として募集している事業者もあります。
あなたは思っていた仕事内容と違った、と感じているようですね。今後その状況がずっと続くのか、一時的なものかなど、この機会に施設の方針を確認してみてはどうでしょう?
もし今後も介護スタッフの人員不足が続き、介護補助が常態化するのなら、どこまで手伝うのかも確認しておくべきです。たとえば、「生活援助」といわれる食事作りや配膳、掃除、洗濯などを担当するのか、あるいは、食事の補助や着替え、おむつ交換といった「身体介護」の補助まで要求されるのか。
仕事の範囲が「生活援助」までであったとしても、あなたが不満に感じているのであれば、事務以外の仕事についてどう考えるかを改めて自分に問い直してみてはいかがですか。この状態を続けるのが厳しいと考えるなら、施設長などに正直に今の自分の悩みを相談してみることをおすすめします。
ただ、介護事務の求人の多くは、介助の手伝いも含めたオールラウンドな業務を求められることが多いのが現実です。だとしたら、「介護事務なのに介助までするなんて…」とマイナス方向に考えず、介護業務に携わることをポジティブにとらえてみては? 介護事務の仕事を続けるうえで、現場を知ることはきっと役に立つはずですし、仕事の幅も広がるでしょう。
また、介護職の仕事は、介護事務以上にニーズがあります。正社員はもちろん、パートや派遣でもたくさんの募集があり、全国どこでも、何歳でもできる仕事。キャリアアップの道筋や、将来の安定性は介護事務以上です。この際、思い切って介護職員初任者研修の資格を取ってみる、といったチャレンジもアリかもしれません。プライベートでの家族の介護にもきっと役立つことでしょう。
41歳/女性/たえこ
主婦業の合間にできる仕事をしたいと思い、週4日勤務で介護事務のパートを始めました。職場のスタッフはみないい人ばかりで、環境は快適です。ただ、問題は残業の多さ。事務のパートだから残業はほとんどないと思っていたのですが、実際は、介護報酬の請求業務で月末月初は多忙を極めます。残業だけでなく、予定外の出勤もあって、家族からはクレームが…。このまま続けられるかどうか、不安になってきました。
《アドバイス》
介護事務は月末月初が繁忙期。事前に家族にも伝えておいて!
介護事務のメインの仕事は介護保険に関する手続きです。介護保険の集計は1か月単位なので、その後の介護報酬の請求や利用料の請求作業も含め、月末から翌月10日頃までの期間は大忙しです。これはどの事業所もほぼ同じです。
介護事業所にとって、売り上げに直接反映する作業なので、ミスは許されません。また、毎月10日という国が定めた締め切りもずらせません。ですから、介護事務の仕事と家庭をスムーズに両立させる場合は、「月末月初に繁忙期がある」という介護事務の仕事の特性を、事前に家族に理解してもらった方がよいでしょう。
介護事務の繁忙期を知らずに働き始めた場合は、家族の理解を得るのは大変かもしれません。
しかし、日々の業務の中でも、工夫できることはたくさんありますよ。
たとえば、下記の点を工夫してみてはいかがですか?
家族の了解が得られるのであれば、上司やケアマネジャーに実現可能かどうか相談してみることをおすすめします。
また、学校の行事などは変えられませんが、家族との外出・レジャーなどは、できるだけ月末月初は避け、中旬に集中させてはどうでしょうか。
そうした工夫をしても、どうしても家庭との両立が難しいようであれば、転職も選択肢のひとつ。その場合は、家庭の事情を考え、残業ができなくてもOKという職場を探すことになります。面接で、残業ができない理由をしっかり説明し、業務のスケジュールなどを確認しましょう。
残業なし、日中のパート勤務という条件で探すのであれば、介護事務にこだわらず、施設のパート介護職に転職するという道もあります。もし、今の職場が働きやすく自分に合っていると感じるならば、その職場内でパート介護職へ異動することを考えるのも手です。その場合は、施設長に職種変更を相談してみましょう。
29歳/女性/ゆきか
先月から介護事務として働き始めました。前職は介護とはまったく関係ない仕事に就職しており、介護事務としては未経験で就職。そのせいか、わからないことばかりで事務はもちろん介護スタッフのサポートのやり方も覚えられません。近ごろはミスも多く、先輩に注意されることも増えてきました。やっぱり、未経験で介護事務になるのは難しいことだったのでしょうか…。
《アドバイス》
最初は誰もがつまずくもの。空き時間に介護の勉強をしてみて!
介護事務の仕事に限らず、最初は覚えることが多いため誰もがミスしてしまうものです。
大事なのは「同じミスを繰り返さないこと」。ミスを繰り返さないために、下記のポイントを意識してみましょう
教えてもらったことは必ずメモをとり、忘れないようにしましょう。教えてもらったその場では覚えていても、次の日には曖昧になったり忘れてしまうものです。
さらに、確認作業の徹底も怠らないようにするとよりミスが減ります。勘違いや自己判断が原因でミスにつながることは少なくありません。「大丈夫」と思っても確認作業を行なうよう心がけましょう。
また、介護事務の仕事は事務だけではありません。施設によっては事務作業だけでなく介護スタッフのサポートや受付業務も任されます。専門用語も多く、未経験だと混乱してしまうこともあるかもしれません。
介護に関する知識があると専門用語への苦手意識が減ります。空き時間に介護の勉強をしてみてはいかがでしょうか。
介護事務に関する資格もあるので、勉強のついでに資格も取得しておくと業務に役立てられるかもしれません。
介護事務は大変なことばかりでなく、やりがい・魅力もたくさんあります。
介護事務ならではのやりがい・魅力としては下記が挙げられます。
ここでは、介護事務ならではのやりがいや魅力について具体的に解説していきます。
介護事務は介護報酬請求業務や職員の給与の管理など、お金を扱う業務も行ないます。
他にも施設の整備や介護スタッフのサポートなど行なうため、介護事務がいないと施設が回らないほど重要な存在です。
責任が大きい分、仕事のやりがいを感じられます。
介護スタッフのサポートや窓口での受付も、介護事務の業務のうちです。
業務を通して入居者さんやその家族と関わることが多いため、直接的なコミュニケーションを通じて感謝されることもあります。
自分の仕事に「ありがとう」と言ってもらえるのは、モチベーションにもつながりますね。
単純な仕事ばかりだと飽きてしまう人にとって、介護事務は魅力的な仕事です。
なぜなら、介護事務の仕事は事務作業だけではなく、介護スタッフのサポートから受付業務・施設の整備まで多岐にわたるからです。
最初のうちは仕事を覚えるのが大変ですが、覚えてしまえばいろいろな業務ができるので、飽きずに仕事を続けられます。
先述した体験談のように「つらい・大変」といった思いを抱えながら仕事を続けるのは難しいです。楽しく前向きに働くには、事前の準備が重要です。
ここでは、介護事務への就職・転職を成功させるポイントを解説します。
応募の前には業務内容の確認を忘れずに行ないましょう。
介護事務の業務内容は介護報酬請求業務以外にもあり、どの業務をふられるかは施設によって異なります。施設と自身に認識のずれがあった状態で就職してしまうと、事例1のようにあとから悩んでしまうかもしれません。
もし介護報酬請求業務を中心にやりたいのであれば、面接時に「他にはどういう業務を担当するのか」「介護報酬請求業務に集中してできるか」など業務内容を確認しておくことをおすすめします。
家庭や育児などプライベートを優先したいのであれば「残業なし」の求人に絞って応募するとよいでしょう。
介護事務は月末月初が繁忙期で、どの施設も忙しいです。パートやアルバイトであっても残業を任され、家庭に影響が出ることも考えられます。
施設のなかには「残業なし」で介護事務職員を募集しているところもあります。残業をどうしても避けたいのであれば、就職先を探す際の条件に「残業なし」を入れてみてください。
就職や転職をする前に、介護事務関連の資格を取得するのはおすすめです。
介護事務は会計や書類作成といった単なる事務仕事だけでなく、介護報酬請求業務や介護スタッフのサポートといった介護業界ならではの仕事も担当します。
そのため、介護業界が未経験の状態で就職するとわからない用語ばかりで混乱してしまうかもしれません。
就職前に介護事務関連の資格を取得しておくと、事前知識が身につくため仕事も覚えやすくなります。
また、同じ未経験の応募者がいた場合は資格を持っている人のほうが有利になります。
介護事務の資格は誰でも受験できるものもあるので、すき間時間に勉強してみてくださいね。
介護事務は仕事の幅が広く、月末月初には残業になることもある仕事です。未経験の場合だと仕事についていくのが大変なこともあるかもしれません。
しかし、責任感のある仕事を任せてもらえたり、感謝の声が直接受け取れたり、と介護事務ならではのやりがいもあります。
前向きに楽しく働くためには、事前に業務内容を確認すること、希望条件に合った求人を探すことが大切です。
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