利用者との会話はもちろん、レクリエーションなどもある介護の仕事。人見知りや引っ込み思案な性格でも務まるかな…?
今回は、性格的に介護職が務まるか不安な人のために、先輩の転職失敗談を介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
《事例1》人見知りのせいで利用者とうまく会話ができず、悩んでいます…。
27歳/女性/聖子
ボランティアで老人ホームを訪問し、そこで介護職の素晴らしさを実感。それをきっかけに、今まで勤めていた中小企業の事務員からデイサービスの介護職に転職しました。先輩スタッフは親切で優しいし、利用者様に喜ばれる仕事はやりがいもあります。ただ、2カ月経ってもいまだに人見知りのせいで利用者様とうまく会話ができません。利用者様と楽しそうにおしゃべりしている先輩達を見ると、私は介護職には向いていなかったのかなと悩んでしまいます。
《アドバイス》
人見知りだから、介護に向いていないということはありません。たしかに介護の仕事では、利用者とのコミュニケーションは大事な要素です。しかし、「コミュニケーション上手=おしゃべり上手」ではありません。
コミュニケーションというと、自分が“話す”ことばかりに気を取られがちですが、実は、“聞く”ことが重要なのです。利用者が話したいこと、言いたいことをしっかり引き出して受け止める。聞き上手であることは、介護スタッフの大事な要素です。
利用者もそれぞれ性格が違います。会話を交わすのが好きな人もいれば、自分の話をじっくり聞いてほしい人もいるでしょう。また、あなたと同じように人見知りの方もいるでしょうし、おしゃべりが苦手で、静かにしているほうが好きな人もいます。ですから、あなた自身も無理におしゃべりをしなくてはと、気負う必要はありません。
心を込めて仕事に取り組んでいれば、それは周りにも伝わります。人見知りでも、一生懸命に接しようとしている姿に好感を持って見ている利用者もいるはずです。また「無駄なおしゃべりをせず、真面目に仕事に取り組んでいる」と評価してくれる先輩もいるかもしれません。
ただ、もっと会話力を身につけたいと思うのであれば、まずはできることから始めていきましょう。たとえば、利用者のなかには耳が遠い方もいらっしゃると思うので、ハキハキと聞き取りやすい声で話してみましょう。そのときには笑顔も忘れないように。また、話し上手の先輩に、会話のキッカケをどうしているのかなど、ヒントやコツを教えてもらってはいかがですか?
それでも利用者とのコミュニケーションに不安や苦手意識が残るのであれば、思い切って職場を変えてみるのも良いかもしれません。たとえば、入居施設に転職してみるのはどうでしょう。
デイサービスは、利用者の顔ぶれが日によって違います。しかし入居施設は24時間生活し、暮らす場。人が入れ替わる機会も少なく、利用者とゆっくり信頼関係を築いていくことができます。
働き始めてまだ2カ月。本当の意味でコミュニケーションのスキルを身につけるには時間が必要です。もう少し頑張ってみませんか? 先輩スタッフと良好な関係を築けているようなので、あなたはけっしてコミュニケーション下手ではないはず。自信を持って取り組んでください。
《事例2》照れ屋で引っ込み思案なので、レクリエーションで人前に立つのが苦痛です…。
46歳/男性/陽介
業績不振の会社を早期退職。親の介護のために取得した介護職員初任者研修の資格を活かし、老人ホームに転職しました。身体介助などの仕事にはだいぶ慣れてきましたが、いまだにレクリエーションが大の苦手です。もともと照れ屋で引っ込み思案な方ですし、若くもありません。なんだか気恥ずかしくて…。まわりのスタッフのテンションの高さに、とてもついていけません。レクリエーションのない施設に転職しようかと、本気で悩んでいます。
《アドバイス》
人前に立って話したり、歌ったりすることに慣れていないのは、あなただけではありません。レクリエーションに苦手意識を感じる介護職は少なくないのです。でもその苦手意識は、場数を踏むことで消えることもあります。
介護施設でのレクリエーションの目的は、主に、利用者の心身の健康維持と、コミュニケーションの活発化や生きがい創出です。レクリエーションを通じて、他の利用者と交流もできますし、スタッフにとっても、利用者との距離を縮める絶好のチャンス。
そのためにも欠かせないのが、楽しい雰囲気づくりではないでしょうか。
他のスタッフのハイテンションに合わせなければ…と気を揉む必要はありません。しかし、テンションを上げるには理由があります。いつも以上に大きな声を出すのは、率先して盛り上げ、明るく元気な雰囲気を作り出すため。利用者の気持ちを惹きつけ、集中してもらうためではないでしょうか。
声が小さく、スタッフがつまらなそうにやっているレクリエーションを、利用者は楽しいと感じるのでしょうか? 興味を持って取り組めますか? 嫌々やっていることは利用者に伝わってしまいますし、そういう空気は伝染しやすいもの。明るく楽しいレクリエーションになるとは思えません。
あなたがまず心がけるべきなのは、自分が率先してその時間を楽しむことです。照れ屋で引っ込み思案の自分を変えるチャンスと気持ちを切り替え、挑戦してみてはいかがでしょうか。
レクリエーションのときに、いつもより大きな声を出すように頑張ってみる。先輩方の話し方やジェスチャーを参考にして、マネできそうなところを取り入れてみるなど、できる限りの工夫をしてみましょう。
生まれ持った性格を変えようとするのは大変なことです。しかし、利用者のことを思う気持ちがあれば、少しずつでも前進できるはずです。
また、自分自身が楽しめることであれば、自然と笑顔になれ、テンションも上がるはず。あなた自身は、どんなレクリエーションだったら本気で楽しめそうですか?
人によって、好きなことや得意なことは異なります。スタッフ同士で話し合い、それぞれの得意分野を活かしてテーマを分担するのも一つの選択肢。
また、ゲームや体操のような人前で大きな声を出すレクが苦手ならば、映画鑑賞や散歩、書道や塗り絵などのレクリエーションを担当できないか相談してみては? 自分に合ったレクリエーションがなければ、他の施設の事例を探し、自分に合うものを積極的に提案してみてはいかがでしょう。
それでもレクが大きなストレスになると感じるなら、そのときは転職を検討してみるのも良いかもしれません。レクが少ない施設もありますし、訪問介護であればレク自体がありません。
もし転職を検討される場合は、面接で、業務におけるレクリエーションの比率や、プログラムの内容について確認しておくと良いでしょう。
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