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2017年03月29日

高齢者を支えるためには介護か医療か、心が揺れて…転職理由Oさん2 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

軽い気持ちでリハビリクリニックのスタッフになり、その流れで偶然にもデイサービスの管理者と生活相談員になったOさん。
社会人3年目にして介護業界に飛び込み、その奥深さにのめり込みます。
しかし、「利用者さんを本当の意味で支える」を考えると、医療業界へ転身した方がよいのでは……。
今回は、自分の生きがいを模索するOさんの様子をお伝えします。

*O・Nさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目4回目(最終回)はこちら



O・Nさん(42歳)のプロフィール・転職経験

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●介護業界歴…14年

●介護の仕事に就く前…リハビリテーションクリニックのスタッフ

●介護業界での転職回数…5回

●いままでの勤務先…デイサービス、居宅介護支援事業所

●保有資格…社会福祉主事、介護福祉士、介護支援相談員


みんなでデイサービスを作り上げる

image003デイサービスがオープンしてからは、そちらにかかりきりになりました。
介護の経験が何もないのに大役を与えられて、心配していましたが、そこは院長の奥さまも心得ていて、私のポジションは肩書だけでいい、と。
ほかにベテランの生活相談員1人、看護師3人をそろえてくれ、私が心配しなくてもいいように考えてくれました。

うれしいと思うと同時に、早く介護のプロにならなければ、と意気込みました。
そこで、現場になるべく出て、利用者さんとお話をしたり、スタッフに仕事の手順を教わったりしました。
介護の現場では学ぶことがたくさんありました。
そんな私の熱心さを周囲も受け止めてくれて、和気あいあいと仕事ができました。

ただ、やはり事務関連の仕事については戸惑いました。
ずっと患者さんとともに体を動かす立場だったので、デスワークの知識がなくて。
当初は請求書などもパソコンでうまく作成できず、手書きで送っていました。
やっとパソコンを使えるようになってからも、エクセルを保存するのが当時はフロッピーディスクだったりと、その施設はITの面でとても遅れていましたね。

何もかも手探りで手作り。
でもそれがよかったのかもしれません。
利用者さんたちが私たちの一生懸命さをくみとってくださり、良好な関係を築くことができました。
むしろ、利用者さんに助けてもらったというほうが正しいのかもしれません。

まだ介護保険が始まる2000年より前だったので、デイサービスはのんびりとした空気をかもして利用者さんを迎えていました。
私は車の免許を持っていたので、利用者さんの送迎も任されていました。
そんな中で、利用者さんのご家族とも懇意になれたのがよかったですね。
おのずと利用者さんを取り巻く環境がわかるようになりました。
定員25名に対して、常に17~18人の利用者さんが来てくださり、稼働率もよかったのです。

また、介護は人手不足、と言いますが、当時はそれほどでもなかったですし、私が大学の後輩をどんどん引き入れたので、十分なサービスもできていたと思います。
開設当時から比較的うまく行っていて、私も楽しく働いていました。


高齢者の生活の要は医療なのか…

image005しかし、デイサービスが連携している訪問診療の事務長さんと知り合い、何度か話しているうちに、「うちの相談員にならないか」と誘われ、心が揺れました。

「介護はどんどん伸びる業界だと思う。けれど、万能ではない。医療のほうが年齢などを問わず支援できるし、これからの自宅介護を支えるのは在宅診療だ」と。

デイサービスには筋ジストロフィーの女性が来ていたのですが、年齢が若かったので、介護の手が差し伸べられない部分もありました。
デイサービスでは、お看取りもできない。
たしかに医療のほうが、守備範囲は広いのだと思い知らされることもありました。

在宅生活はまず医療が支える。
介護はその次――。
ならば、在宅診療で、自宅での生活をしっかりと支えたい。
そう思って、デイサービスのほうには辞表を出しました。
職場に不満があってやめるわけではなかったので、申し訳ない思いでいっぱいでした。

在宅診療では、新しい患者さんを受け入れる事務処理を行ったり、患者さんの入院先と連携したり、生活相談員らしい仕事を中心にやっていました。
でも、業務の中で、患者さん宅でカンファレンスをすることもありましたし、車の運転ができない看護師さんの代わりに薬剤を患者さんに届けることもありました。
患者さんとも近い関係を作ることができました。

そんな中で、ふと思うこともありました。
たしかに、訪問診療は、在宅生活を支える中心かもしれません。
しかし、患者さんはなかなか本音で医療従事者と付き合ってくれません。
高齢者にとって、医師はちょっと別格な存在で、自分の具合が悪くても「大丈夫です」などと言ってしまうようなところがあります。
気楽にわがままを言ってくれないな、と不満に思うことが多かったのです。

本当の意味で高齢者を支えるなら、もっと悩みをぶつけてきてもらわなければなりません。
でも、こちらが受け入れるつもりでも、患者さんは距離を置く。
結局、うわべだけのお付き合いになってしまわないか、と悩むようになっていました。

そんなことを考えているうちに、利用者さんと近しい関係を築けたデイサービスの時代が懐かしくなりました。
やはり自分は医療よりも介護の人間なのだな、と思い、またデイサービスで働こうと思い直したのです。

次回は、ふたたびデイサービス職員として勤務するOさんの様子をお伝えします。

<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>

*O・Nさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目4回目(最終回)はこちら



●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
→ 「こんなはずじゃなかった…」 転職先選び 私の失敗談


●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●

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