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2019年08月14日

サ責に昇進。待遇が良くても人間関係に耐えられない!~転職体験Eさん2 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」



◆訪問介護事業所(サービス提供責任者)→訪問介護事業所(サービス提供責任者)

E・Mさん(女性・49歳)
介護業界での経歴詳細
●訪問介護事業所(登録ヘルパー)(勤務期間:1年/月収約15万円)
●訪問介護事業所(登録ヘルパー→サービス提供責任者)(勤務期間:3年/月収約25万円)
●訪問介護事業所(サービス提供責任者)(勤務期間:5年/年収300万円)
●訪問介護事業所(サービス提供責任者)(勤務期間:5年/年収300万円)


保有資格:介護福祉士
家族構成:一人暮らし

*E・Mさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目、2回目、3回目4回目(最終回)はこちら


【初めての介護職】資格を取らせてくれた事業所で訪問ヘルパーデビュー

登録ヘルパーとしてフルタイムで働く

ヘルパー2級の資格が取得できた直後に、資格取得に必要な費用を負担してくれた知り合いの訪問介護事業所に転職し、晴れて訪問介護の登録ヘルパーになりました。
登録ヘルパーといっても毎日フルタイムで働かせてもらいたいと願い出て、月曜から土曜日まで働きました。

給料は月に15万円程度。登録ヘルパーですから、保険も年金も自分で払う形です。
以前より収入は減ってしまいましたが、ヘルパーとしては新人なのだし、まずは仕事を覚えなければ一人前になれないのだから仕方がないと思っていました。
子どもたちは高校生で、これからお金がかかる時期ですが、ひとり親家庭なので国からの手当てなどもありましたし、なんとかなっていました。

これは嫌がらせ?先輩ヘルパーが自分の利用者さんを囲ってしまう

初めての仕事も、収入が減ってしまったことも、苦にならないくらい介護の仕事そのものは楽しかったです。
でも、お金や仕事内容ではなくて、同僚との人間関係に悩みました。
同じ登録ヘルパーさんで、先輩として私についてくれていた人だったのですが、その人から嫌がらせのようなひどい扱いを受けていました。
同行して私の介護を指導してくれる立場の人でしたが、「そんなやり方じゃダメよ!あなたは下手ね」などと利用者さんの前でも平気で怒鳴られました。
利用者さんと一緒になって私の仕事にひとつひとつ「ダメ出し」をしてくるのです。

その先輩は、どこに行っても、その先輩じゃなきゃ介護が受けられないような、そんな状況を作ってきたようです。
自分の担当を取られたくないという気持ちが強すぎて、私以外にも、新人にはとにかく意地悪をしていたのです。

ヘルパー2級を取らせてくれた事業者の女性には、「あなたには正社員になってほしい」と言われたのですが、その先輩がいる限り、いびられ続けると思うと、正社員として長く働きたいという気にもなれなくて。
資格を取らせてもらったのに申し訳なかったけれど、1年も持たずに退職しました。


【転職のきっかけ】同僚の登録ヘルパーからの紹介

1回目の転職で転職先を紹介してくれたのは、同じ事業所で働く同僚の登録ヘルパーさんでした。

訪問介護の場合、登録ヘルパーとして働いているヘルパーさんの中には、複数の事業所に登録して働いている人も多いです。
仲良くなると、「ここは意地悪な先輩がいるけれど、私が登録している別の事業所はすごくいいよ」などと教えてくれるのです。
私が先輩との人間関係に悩んでいたら、同僚が別の事業所に紹介してくれて、スムーズに転職することができました。

訪問介護の場合、こうした転職の仕方をする人は多いようですね。
正社員になってからも、訪問介護では他の事業所との交流があるケースが多いです。
今働いている職場への悩みや不満があって転職を考えているときには、いい就職先がないか、インターネットの転職サイトや地域の就職ガイドのような冊子、事業所の登録ヘルパーさんの口コミなど、いろいろな手段で情報を得て、よく考えてから転職するようにすると良いと思います。


【1回目の転職先】訪問介護事業所のサービス提供責任者に昇進!

登録ヘルパーから正社員のサービス提供責任者へ

転職先は、理学療法士のご主人が経営者で、奥様やご主人の弟とともに経営している法人でした。
デイサービス、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所を経営していました。

最初は訪問介護事業所の登録ヘルパーとして入職しましたが、ヘルパー業務にも慣れ、フルタイムで働きたいと申し出たところ、「サービス提供責任者(サ責)として働かないか」と打診されました。

サービス提供責任者になると、登録ヘルパーさんたちをまとめ、スケジュールを作ったり、介護保険の請求をしたりと、事務仕事も増えますが、もらえる給料も上がりますし、介護業界でずっと働いていこうと思っていましたから、昇進するのはありがたいことでした。

サービス提供責任者になると同時に正社員としての勤務になり、給料は月に25万円程度。
でも、社会保険が完備でなかったため、健康保険や国民年金は自分で払う形でした。

経理に関わり経営面での危険性が見えてきた

サ責になったばかりの頃は、ヘルパーの代わりに訪問にも出るし、請求業務などの事務処理に慣れていないせいもあって、残業をずいぶんしました。
業務も多くて、新人のサ責には荷が重い、と誰もが思っていた量でした。
しかし、デイサービスの施設長をしていた経営者の奥さんが、ものすごくきつい人で、訪問介護の業務についても口を出してくるのです。
「仕事が遅いわね、残業が多くなるのは自分のせいよ。なんでそんな人のために残業代を払わなきゃいけないの」
「正社員で雇っているのに、毎日何の仕事をしているのかわからないわね」

私だって、残業などしたくないのです。
でも、業務が多すぎる。
しかも、経理にも少し携わっていると、「この事業所、経営的に危なそう」と言うのが見えてきました。
居宅介護支援事業所やデイサービスはまだしも、訪問介護事業所には問題が山積していました。
奥さんが文句を言うのも、事業がうまくいってないからだというのも気づきました。


【転職のきっかけ】事業所が閉鎖?!経営者の弟からの提案で転職

仕事を評価してもらえないし、事業も不安定。
こんな事業所は辞めたいと思っていました。
けれど、サ責は私ひとり。次の人が入るまで辞められないという思いだけで業務をこなしていました。

そんなときに、経営者の弟さんから「会社が訪問介護事業所を閉鎖しようとしている」という話を聞きました。
しかも、利用者さんたちの今後のことは全く考えず、採算が取れない事業をたたむ、というつもりとのこと。
そんな!20人もいる利用者さんたちはどうなるの!と責任感のなさにあきれ、怒りを覚えてきました。

なんとかスムーズに利用者さんたちが介護サービスを受け続けられる手立てはないものか、と頭を悩ませていた時に、経営者の弟さんから
「僕の知り合いの事業所にあなたが転職して、利用者さんごと転職先で面倒を見てくれないか」
と提案されました。

びっくりしました。そんなことってあるのだな、と。
でも、経営者の弟さんは、利用者さんのこと、私のことを考えて提案してくれていたのです。
ありがたいと思い、ふたつ返事でOKしました。

利用者さんたちには、弟さんが紹介してくれた新しい事業所に移ってもらうことを話し、承諾してもらいました。

利用者さんの契約がすべて確定した時点で、
「私がやることはなくなりました、別のところに転職します」と奥さんに挨拶をして退職。利用者さんたちに紹介した事業所に、転職しました。
利用者さんも弟さんも口がかたく、私は経営者や奥さんには1年以上も転職先を知られずにすみました。


【2回目の転職先】待遇が良いことと人間関係を天秤に

とりあえず利用者さんは訪問介護のサービスを受け続けることができ、自分も利用者さんをこれまで通り見ていくことができて、ほっとしました。
2回目の転職先も、居宅介護支援事業所と訪問介護事業所、デイサービスを持つところで、私は訪問介護事業所のサービス提供責任者として働くことに。
サ責の業務にも慣れ、だんだん中堅としてキャリアアップしてきた、という実感もありました。

この会社では、厚生年金、健康保険、退職金まであり、正社員として働くありがたみを強く感じました。
私はシングルマザーですし、最後は一人で生きてくことになると思っていたので、やはり福利厚生がしっかりしているところに就職すると安心だな、と感じました。

しかし、ここも、経営者の奥さんが感情の起伏の激しい人で、怒鳴ったり泣いたり、大変な人でした。
介護や医療に関する知識も浅く、在宅診療のドクターや提携している訪問看護事業所のナースなどにも迷惑をかけるのです。
サ責やケアマネジャーなどがとばっちりを受けることが多く、奥さんの同行にいつもヒヤヒヤしている状態でした。

でも、福利厚生がいいのだから辞めたくない。
いやいやながら5年がまんしました。
他のスタッフとはいい関係が築けていたのですが、とにかく奥さんの言動がひどく、やはり耐えられなくて、とうとう辞めることにしたのです。
どんなに待遇が良くても、人間関係が良くなければ続けていくのは難しいと感じました。


<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>

次回は、現在勤務している訪問介護事業所に転職することになったいきさつと仕事内容をお伝えします。
次回「訪問介護もヘルパーの管理もこなすサ責の仕事の現実は?~転職体験Eさん3」は、8月21日に公開予定です。

*E・Mさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目、2回目、3回目4回目(最終回)はこちら


●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●

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