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2021年05月11日

面接で退職理由はこう答える!パターン別OK例文・NG例文あり│面接ノウハウ【介護求人ナビ】

面接で退職理由はこう答える!パターン別OK例文・NG例文あり│面接ノウハウ【介護求人ナビ】

面接で退職理由はこう答える!パターン別OK例文・NG例文あり

 

自己PRや志望動機をポジティブに語ることは簡単ですが、退職理由はなかなか前向きに答えるのが難しい内容です。
しかしながら、採用担当者は長く勤めることができ、かつ活躍できる人材を採用したいと考えているため、前職を辞めた理由は気になるところです。

今回は、介護業界での就職を希望される転職活動者を中心に、面接時の退職理由の答え方や、パターン別によるOK例・NG例などを紹介します。

退職理由を聞かれる理由は?

採用担当者が退職理由を聞くのは主に以下の理由が考えられます。

(1)前職と同様の理由で辞めてしまわないかを確認するため
(2)退職理由から仕事の価値観を知るため
(3)退職理由によって人柄や性格を把握するため
(4)仕事に対する取り組み姿勢や責任感の有無を把握するため

退職理由は、退職という事実からその理由を探ることになるので応募者の人間性が反映され、応募者の生の声を聴くことができます。

介護業界に関しては、職員の採用と同時に定着させることを目標としている会社も多いのでこれら(1)~(4)のことを特に重視している場合があります。
転職活動において、面接で退職理由を確認されることはよくあります。採用担当者の考え方を理解したうえで話せるようにしておきましょう。

マイナスな理由を正直に答えていい?退職理由に関する疑問

マイナスな理由を正直に答えていい?退職理由に関する疑問

 

 

Q1.退職理由は基本的にはネガティブであることが多いです。それでもネガティブな退職理由をそのまま答えてもよいのでしょうか?

A1.退職した理由がどんなにマイナスなことであっても噓をついてはいけません。
噓をつくことは、採用後のミスマッチを起こす大きな原因となり、本人にとっても会社にとってもダメージとなります。

ネガティブな理由での退職については、可能な限りその内容をポジティブに変換することが重要です。
そして、退職理由を現在の会社の志望動機につなげることがポイントになります。

Q2.介護業界に転職したいと思っています。前職の退職理由にマイナスの要素はないのですが、前職がまったく関係ない業界だとマイナスの評価になってしまうのでしょうか。

A2. 会社によって判断は異なりますが、前職がまったく関係のない業界からの転職であっても、前職の退職理由に問題がなければ必ずしもマイナスになるとは限りません。
介護業界に関しては、一般的に慢性的な人手不足が続いているため、採用枠が比較的広い傾向にあるからです。
自己PRや志望動機で、なぜ介護職を目指しているのかを明確にしておくとよいでしょう。

 

 

退職理由を上手に答えるポイント!

面接で退職理由を上手に答えるポイントは、「ポジティブ」と「志望動機」の2つ。
本当の理由はネガティブでも、上手に言い換えることが重要です。

<ポイント1>ネガティブな言葉をポジティブに変換する
退職理由は様々ありますが、前職でのありのままの不平・不満をぶつけてしまうと採用担当者としては「この会社でも同じような状態になるのではないか」「もめ事を起こすのではないのか」「すぐに辞めてしまうのではないのか」などのマイナスな印象をもってしまいます。

そのため、ネガティブな内容であってもポジティブに言い換えるように意識しましょう。

 

 

〈退職理由のポジティブ言い換え例〉
・職員同士の人間関係による退職の場合
⇒チームワークを大切にする職場で職員の皆様と意思疎通を図り、協力しながら働きたい

・社長がワンマン、企業風土が合わない退職の場合
⇒社長の思いに共感しながら自分の目標を定めて働きたい

・ノルマが厳しい
⇒お客様と長く付き合い、信頼関係が構築できるようになりたい

・サービス残業が多いことでの退職の場合
⇒仕事への努力や成果に見合うだけの評価をしてもらいたい
 

実は、これらのポジティブな表現は採用面接だけではなく採用後の業務でも重要なことになります。

介護は対人援助業務です。コミュニケーション能力においてポジティブで明るい人には多くの人が寄りつき、みんなが笑顔になります。そのため、利用者さんとのコミュニケーションを上手くとることが、円滑な業務の流れを作り上げるために大変重要なことになります。

<ポイント2>志望動機につなげる
退職理由に志望動機を結びつけることで方向性が定まり、一貫性のあるストーリーが構築できます。それによって面接全体での説得力が増し、採用担当者に良い印象を与えることができます。

たとえば、警備員を辞めて介護職員になったとします。
この際に「警備員は屋外での業務も多く、体力がなければ続けられない職業でしたが、警備員としての業務を通じて足腰が鍛えられ持久力が上がりました。そして、この持ち前の体力を使ってもっと多くの人の役に立ちたいという思いが強くなり、介護職を応募させていただきました」とすると、退職理由が志望動機へつながります。

 

 

「退職理由」の例文とポイント

「退職理由」の例文とポイント

 

 

 

面接で退職理由を聞かれたときの例文を、7つのパターンで解説します。
同じ理由でも「これは避けるべき」というNG例文も用意してあるので、自分に合った例文をぜひ参考にしてみてください。

 

 

人間関係を理由とする退職の場合

 

【回答例】
前職では分業制が構築されており、チームでの取り組みがほとんどなく個人での作業が中心でした。そのため、トラブルがあっても一人で解決しなければならず、他の職員を頼ることもできませんでした。責任も一人で背負っており、精神的にも厳しい状況が続いていました。
ただこの経験から、個人でできることの限界というものも知ることができました。大きな目標に向かって仕事をするには、多くの人たちの協力が不可欠でチームプレーがとても重要なことが分かりました。
今後を見据えたときにチームとして仕事ができる環境の下で働き、積極的にコミュニケーションをとりながら仕事に取り組みたいと思い応募させていただきました。

【回答例のポイント】
上記の回答例は、上司から常日頃、怒鳴られて精神的に追い込まれ退職したケースです。
これらの人間関係を理由とした退職を前向きに変換することは大変難しいことではありますが、人間関係が原因であっても前職でのトラブルについて感情を込めすぎるのではなく、あくまでも冷静にそして新しい職場では前向きになれるような表現にするとよいでしょう。

 

【NG例】
上司から人前で怒鳴られるというパワハラを受けたため退職しました。パワハラがトラウマとなり、退職後もしばらくは仕事をする気になれませんでした。

【NG例がダメな理由】
パワハラを退職理由として、真正面に伝えることは控えた方がよいです。
採用担当者は前職の退職までの生々しいやり取りを聞きたいために退職理由を聞いているわけではありません。どういう状況でどういう原因をもって退職をしてしまったのか、そのプロセスを客観的に知りたいのです。
また、パワハラの要因によっては「それは自らにも非があるのでは」と思われるケースもあるので注意が必要です。

 

 

給与を上げたい/給与が安かったことが理由で退職した場合

 

【回答例】
介護を必要とする利用者さんを大切にすることが第一であることはもちろんですが、同時に職員の生活を守ることも大切なことであるという御社の方針に感銘を受けました。
その方針のとおり、年3回の賞与の支給や各種手当の充実など職員の処遇改善のために取り組んでおり、私も利用者さんのみならず職員の生活を大切にするこの会社に勤めたいと思い、応募させていただきました。

【回答例のポイント】
介護業界の場合、介護職員処遇改善加算という、介護報酬に組み込まれた加算があります。これにより、職員の処遇改善に積極的に取り組むよう仕組みが構築されています。

職員への処遇改善は単に職員の採用や定着につながることだけでなく、お金の余裕が心にも余裕を与え、利用者支援に集中して取り組める環境を整備することにもなります。

そのため、結果的に利用者さんの利益にもつながるという考え方をする経営者の方は多くいます。
給与が低いことを理由とした退職を訴えるのではなく、応募先の会社における給与水準向上のための取り組みを志望動機に絡めてアピールすることで採用担当者に良い印象を与えることができます。

 

【NG例】
退職した理由は給与が安いことでした。特に昨年は結婚し、子供も生まれたため、今の給与水準のままでは生活ができなくなることから、給与の高い御社に応募させていただきました。

【NG例がダメな理由】
給与が安いことを退職理由として直接的に訴えてしまうと、採用担当者としては、もし別の会社で給与が上回るところがでてきたら辞めて別の会社に移ってしまうのではないかと不安にさせてしまいます。
また、お金の話は大変デリケートなことになります。ビジネスマナーとしてもお金については慎重に話さなければなりません。そのため、ストレートにお金を訴える表現は好まれないことがあるので注意しましょう。

 

 

 

体調不良が原因で退職した場合

【回答例】
前職を退職した理由は〇〇病により体調を崩したためです。退職後は治療に専念し、現在は健康状態に問題ありません。医師からも就業することに差し支えのない状態であるとの診断をいただきましたので、就職後も業務に支障をきたすことはありません。
体調を崩したことにより、当たり前の日常が当たり前ではないということを感じました。改めて健康でいることの大切さや仕事ができることへのありがたみを感じることができ、御社に就職した際は積極的に仕事に取り組み貢献していきたいと考えています。

【回答例のポイント】
介護の仕事は体力を要し、不規則勤務であることからも体調に影響を及ぼしやすいです。
そのため、前職が体調不良により退職された場合は正直にその旨を伝え、同時に現在は回復していて業務に支障をきたすことがないことをしっかりと伝えることがポイントになります。
その際に医師の許可が得られていることも伝えると採用担当者は安心します。

 

【NG例】
前職を退職した理由は体調不良でした。前職の職場環境が劣悪だったことが原因です。しかしながら、退職後はしっかりと休んだので現在は問題ありません。

【NG例がダメな理由】
仮に前職に問題があったとしても、前職を批判することに対して採用担当者は良い印象を持ちません
この会社でも不満が少しでもあればすぐに辞めてしまい長続きしないのではと思われてしまうからです。
「体調不良になり仕事を辞めざるを得なくなってしまったが、体調不良になったことによって健康に対する意識が高まった」というように、前向きに捉えるようにしましょう。

 

 

 

家庭の事情で退職した場合

【回答例】
遠方に住んでいる母が介護を必要とする状態となり、仕事と介護との両立が難しくなり退職しました。
しばらくは母の介護に専念し、様々な介護保険サービスを受けながら入所施設を探していましたが、先月無事に入所することができ、母も安心して暮らすことができています。
母の介護を通じて、介護に携わる人たちの暖かさを身近に感じることができました。また、家族にとって介護保険サービスというのは大変重要な地域資源であり、私も介護の現場で働きたいという意識が強くなりました。この度、就業環境が整いましたので応募させていただきました。

【回答例のポイント】
家庭の事情として、多く挙げられるケースが親の介護によるものです。
親の介護を理由とする退職というのは誰にでも起こりえるケースであることから、比較的職場の理解が得られやすい傾向にあります。

ポイントとしては、親の介護に対しての支援体制がしっかりと構築され、また仕事に専念できる状態になったことを伝えることです。

また、介護業界に興味を抱いてくれる方の中には回答例文のように、親の介護がきっかけの方もいます。この場合は退職理由が志望動機にもつながり、自らが感じた体験談を具体的に語れることから、採用担当者に良い印象を与えるでしょう。

 

【NG例】
母に介護が必要な状態となり、退職しました。一応落ち着いてきたので復帰したいと考えて応募させていただきました。

【NG例がダメな理由】
「落ち着いてきた」の具体例が一切述べられていません。介護を必要とする母の様態が落ち着いたのか、支援の方向性が定まったのかが分からないため、採用担当者は不安になります。
前述のとおり、親の介護が必要な状況というのはマイナスポイントになる要素ではないため、仕事と介護を両立させ、業務に支障が生じないように親の介護に対しどのように支援を構築していったのかをしっかりと伝えられるようにしましょう。

 

 

企業理念・考え方への不満などが理由で退職した場合

 

【回答例】
前職は、利用者さんは会社に利益をもたらすものという収益至上主義の考え方であったため、常にキャパシティーを上回る利用者さんを毎日受け入れてきました。そのため、日々利用者さんの介護に追われていました。利用者さんと外出して散歩することもできなければ、まともにお話することもできませんでした。
所属長にも、利用者さんと外出したい、もっとお話がしたいということを伝えましたが「時間に余裕がない」とのことで改善されませんでした。
もちろん、多くの利用者さんを受け入れることで介護を受けられない利用者さんの数を減らすことができるため評価するところもありますが、私は利用者さん一人ひとりを笑顔にするための介護を理念としている御社で、個々の利用者さんと時間をかけて向き合いたいと思い応募させていただきました。

【回答例のポイント】
企業理念は、会社の存在意義や経営の目指すべき方向性など会社が最も大切にする基本的な考え方になります。
その企業理念が合わないことを理由として退職した場合、その理由が真に利用者さんのためになるかどうかをまず考える必要があります。そうでなければ、ただの前職の批判になってしまうからです。

この場合は、退職の理由と同時にそれが志望動機につながっているため、採用担当者がより退職理由について納得する材料となっています。

 

【NG例】
前職では社長の考え方が古く、社長の考えに対して誰も批判できないという空気が蔓延していました。とてもではありませんがついていけなかったため、退職を決意しました。

【NG例がダメな理由】
企業理念への具体的な不満が見えておらず、社長個人の批判に終始しています。
社長の考え方の何が自分に合わなかったのか、この会社に就職することでその原因が解消されるのか、何を望んでいるのかをしっかりと伝えるようにしましょう。

 

 

経験を積みたいという理由で退職した場合(他の施設・サービスを経験したいなど)

 

【回答例】
前職は一法人で一施設のみの運営でしたので、介護の経験が限られていました。15年間入所施設での介護に取り組んできましたが、もっと広い視野をもちたいと考えるようになりました。特に通所や訪問介護事業所でより多くの利用者さんのために働きたいという思いが強くなり、転職を決意しました。

【回答例のポイント】
経験を積みたいという理由で退職したのであれば、それを採用担当者に納得してもらうためにはある程度の経験をすでに積んでいなければ意思や覚悟が伝わりにくいです。
同時に転職してやりたいことも具体化しておかなければなりません。

回答例文では、一法人一施設で入所施設のみという理由で、前職では目的が達成できないということが明確になっていますが、複数事業所を運営していて前職であってもやりたいことが実現できる可能性がある場合は、なぜ前職ではダメなのかということをしっかりと伝える必要があります。

 

【NG例】
通所施設に勤めていましたが、日常生活のパターンが決まっていて毎日が同じことの繰り返しであったため、今の仕事にやりがいを見いだせなく別の事業所で経験を積みたいと思い応募させていただきました。

【NG例がダメな理由】
ネガティブな理由での転職は理解が得られにくいです。
上記NG例の場合だと、この会社でも飽きたら辞められてしまうのではないかと採用担当者を不安にさせてしまいます。
介護の仕事は短距離走のように一瞬で結果がでるものではなく、長距離走のように長い時間をかけて身体機能等の維持・改善に努めていくことになるので、まずはしっかりと経験を積んだうえでさらなる経験を積みたいという理由での退職を考えるようにしましょう。

 

 

キャリアアップが理由(上位のポジションが空いていなかった、資格を活かしたいなど)

 

【回答例】
これまで20年間障がい者の生活支援員として働いてきました。
昨年、障がい福祉サービスに携わってからずっと興味のあったサービス管理責任者と並ぶ、障がい者の上位資格である相談支援専門員の資格を取得しました。
しかしながら、前職では相談支援事業は行っておらず、今後も予定されていないことから、将来について改めて考えました。
そして生活支援のみならず相談支援へも業務の幅を広げ、新たな環境で相談支援の能力を高め、そこでのキャリアアップを図りたいと思うようになり転職を決意しました。

【回答例のポイント】
キャリアアップが理由の場合は、まず目指すべきキャリアアップが前職では達成できない理由をしっかりと伝えることが大切です。ここで重要なのは、キャリアアップに資格が必要な場合、その資格を取得しているかどうかです。資格を取得していると説得力が増します。

そして前職において、昇格試験のようにキャリアアップに挑戦できるケースがある場合は挑戦した結果も伝えられるようにしておくとよいでしょう。

 

【NG例】
今の会社に10年勤めていますが、上位のポジションが空いておらず、今後も空く予定がないことからこのままではキャリアアップできないと思い転職を決意しました。

【NG例がダメな理由】
キャリアアップできないことは前職に原因があるように伝えてしまうと、この会社でも上位のポジションが埋まると辞めてしまうのではないかと採用担当者を不安にさせてしまいます。
また、NG例だとキャリアアップのためにどのような努力をしてきたのかが分からず、ただキャリアアップすることだけが目的となってしまっています。キャリアアップしたいのであれば、具体的な計画を策定し実行したが、前職では叶えられなかった旨を伝えるようにしましょう。

 

 

まとめ

これまで明るくはきはきと話をされていた応募者の方が、退職理由を聞かれたときだけ暗くぼそぼそと話し始め、採用担当者が驚くというケースがあります。
いくら回答例のとおりに内容を構成しても話し方に問題があると、内容の信憑性に疑問符がつき、本当は言いにくい事情があるのではないかと思われてしまうことがあります。

話し方でも印象が大きく変わることがあるので、退職理由を聞かれても決意や覚悟が伝わるようにはっきりと答えるように心がけましょう。

 

 

 

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