■書名:仕事・人間関係「もう、限界!」と思ったとき読む本
■著者:石原加受子
■発行元:KADOKAWA
■発行年月:2014年2月16日
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職場の人間関係や仕事のモチベーションに悩んだら、「自分中心」でいこう。
本書のタイトルに苦笑いした人や、まさに自分の今の心境だと感じた人もいるかもしれない。おそらく誰もが、仕事の面で一度や二度は、「もう嫌だ!もう限界だ!」という気分になったことがあるだろう。
人と言い争ってどんどんネガティブな感情がたまっていくとき、一生懸命伝えているのにわかってくれないとき、自分でも負のスパイラルに陥っていると感じるとき……。本書には、そんな追い詰められた自分の心を上手に守るための、42項目の生き方のヒントが収められている。たとえば、『嫌いな人を分析するのは逆効果』『「どうにも嫌だ」と感じたら、その感情を信じていい』など。目次を見て、そのとき自分にピンときた項目を拾い読みしてもいいだろう。
著者の石原加受子さんは、「自分中心心理学」というものを提唱している。石原さんが説くのは、今の自分の感情を大事にするということ。意識を他者に向けすぎると、その関係から抜け出せず、常に相手に依存してしまうからだ。しかも嫌いな相手ならなおさら、その人格や性格にばかり目を向け、マイナス感情を増幅してしまう。
自分中心というと、他者をないがしろにするマイナスなイメージに受け取るかもしれない。しかしそうではない。
<相手のことを憶測するのではなく、自分の気持ちや感情を基準にして、相手との関係を判断するのです。>
<「あなたの感じ方」を基準にして、それに添った決め方をしたほうが、はるかに、相手との関係は良好になっていきます。あなたは、ただ、自分の感じ方を基準にして、自分の「ラクなほうを選択する」だけでいいのです。>
本書を読んでいくと、自分が無意識のうちに二者択一の思考に陥っていたり、「しなければならない」という思い込みに縛られていたことに気づかされる。
そんなときにおすすめの「ラクになる言葉」が紹介されている。
<したくなかったら、しない><したかったら、する>
<しないのも自由><するのも自由>
実際、この言葉を自分に言い聞かせるように声に出して読んでみると、可笑しいくらい力が抜けていくような気がした。自分で勝手に「限界」を作っていたのだということが実感できる。
本書のタイトルには「もう、限界!」と思ったとき読む本、とあるが、もちろんその前に読むことをおすすめする。
<小田>
著者プロフィール
石原加受子(いしはら・かずこ)さん
心理カウンセラー。心理相談研究所オールイズワン代表。日本カウンセリング学会会員。日本学校メンタルヘルス学会会員。日本ヒーリングリラクセーション協会元理事。厚生労働省認定「健康・生きがいづくり」アドバイザー。自分中心心理学を提唱し、25年以上続けているセミナーやグループ・ワーク、カウンセリングを通して、多くの悩める人たちにアドバイスを行っている。