■書名:サ責一年生の教科書―新人サ責・牧野はるかの場合―
■監修:後藤佳苗
■漫画:鈴村美咲
■出版社:株式会社ユーキャン学び出版、自由国民社
■発行年月:2017年12月
>>『サ責一年生の教科書―新人サ責・牧野はるかの場合―』の購入はこちら
マンガだからわかりやすい!主人公と一緒にサ責の業務が学べるサ責入門書
サービス提供責任者(サ責)の仕事内容ってどういうもの?
新人サ責の成長をマンガで描きながら、業務の流れやポイントをわかりやすく説明した、サ責入門書ともいえるのが本書だ。
本格的なストーリー仕立てのマンガに引き込まれて読み進めるうちに、自然にサ責の仕事についての理解が深まっていく。
しかも、マンガに加えて文章や図表での補足説明も充実。
サ責が知っておくべき実務をこの1冊でほぼすべて網羅している。
主人公は、訪問介護事業所に勤務するサ責の「牧野はるか」。
介護福祉士試験に合格したばかりでサ責に指名され、戸惑うシーンからストーリーは始まる。
初めて経験するサ責の業務に戸惑い、ときに失敗に落ち込みながら、先輩や同僚、利用者からの励ましに支えられて一歩一歩成長していく。
マンガは細部までリアルな設定で描かれているので、ストーリーを追っていけば、サ責の業務の流ればかりでなく、業務に関わる基本的知識まで得ることができる。
ストーリーは次のように展開。(カッコ内は、それぞれのパートに付属するコラムの主な内容)
プロローグ サ責に指名された!(サ責の資格要件・配置人数)
Part1 サ責の一日(業務概要・業務の流れ・受付時のポイント)
Part2 信頼につながるアセスメント(ケアプランの見方・アセスメントシートの書き方)
Part3 その人らしさを生かす訪問介護計画書(訪問介護計画書やサービス提供手順書の書き方)
Part4 事故発生!(事故発生時の対応・報告・利用者からの苦情対応)
Part5 ヘルパーと利用者との調整役(ヘルパーへの依頼・指導・相談対応)
Part6 その後のモニタリング(利用者へのモニタリング・経過記録の書き方)
どのパートも、マンガとコラムの組み合わせで、わかりやすく、かつ、詳細な内容を把握することもできる構成となっている。
まずは、サ責が経験していくことになる業務を、ステップごとにマンガで手早くリアルに解説。
その後に続くコラムでは、マンガでは描ききれなかった内容について、文章や図表を使って詳しく補足説明していく。
サ責の仕事を伝えるマンガの部分でも、大切なポイントは四角く囲んで箇条書きにして解説。
違和感なくストーリー展開しながら、しかも大切なポイントをきちんと理解できる工夫がされている。
たとえば、「Part4 事故発生!」では、事故発生時にサ責がやるべきことを次のようにまとめている。
①事故が発生した場合は、利用者の安全を確保
②利用者の家族へ連絡
③ケアマネジャーや事業所など関係機関各所への連絡
④市区町村への連絡
⑤事故報告書の作成・提出
絵で見てイメージしやすい、というマンガならではの利点が生かされていて、わかりやすさは抜群だ。
サ責の仕事とは何なのか、マンガの部分を読むだけでも十分に理解できるのではないだろうか。
さらに具体的な専門知識を知りたければ、コラム部分がしっかりと補足。マンガとコラムを上手に組み合わせた良書だ。
なお、「まんがでわかる!介護のお仕事シリーズ」には、本書のほかに『ケアマネ一年生の教科書―新人ケアマネ・咲良ゆかりの場合―』もある。
こちらも、楽に読めて知識も身に付く、ケアマネの仕事内容を知るためにおすすめの1冊だ。
>>
『ケアマネ一年生の教科書―新人ケアマネ・咲良ゆかりの場合―』について詳しく見る
監修者プロフィール
後藤 佳苗(ごとう・かなえ)さん
あたご研究所代表。看護学修士(地域看護学)、保健師、介護支援専門員、千葉県介護支援専門員指導者、千葉県介護予防指導者、千葉市認知症介護指導者、特定非営利活動法人千葉県介護支援専門員協議会理事。千葉県内を中心に、介護職・看護職などに向けて年200回以上のセミナーを実施。主な著書に『記載例で学ぶ居宅介護支援経過~書くべきこと・書いてはいけないこと~』(第一法規株式会社)、『法的根拠に基づく ケアマネ実務ハンドブック【介護報酬・加算減算編】』(中央法規出版)など多数。
漫画家プロフィール
鈴村 美咲(すずむら・みさき)さん
商業漫画、イラスト、広告などを中心に活動。また、漫画アシスタントとしても活動している。