2016年09月02日

『ハードロック介護！』 | 「介護求人ナビ　介護転職お役立ち情報」

book ■書名：ハードロック介護！
■著者：コバヤシ
■発行元：ワニブックス
■発行年月：2016年6月15日

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介護のイメージを一新！介護施設での「明るい」日常を４コマ漫画で紹介！

本書は、BLOG of the year2015の優秀賞を受賞した、一日15万PVの人気ブログを書籍化したもの。著者は、三重県・伊賀の特別養護老人ホームで「楽しく介護」している33歳の介護士コバヤシさん。そこでの経験やおもしろかったことを４コマ漫画にしている。４コマ漫画なので、最後にオチがつき、ニヤリとさせられる。ちなみに、絵はコバヤシさんの奥さんの手によるもので、可愛らしいイラストは本書の内容にピッタリだ。

本書には、とても個性的でユニークな利用者が何人も登場する。彼らのおしゃべりは、漫才のようであるが、背景にはそれぞれの事情もあったり…。読んでいると、ほっこりしたり、ほろりとさせられたりする。

登場する利用者の多くが認知症の症状を抱えた人たちなので、どこまで笑って良いのか迷ってしまうエピソードもある。それでも、介護施設は「暗くて、汚くて、キツイ」ばかりのところではないのだと教えてくれる。「お年寄りと過ごすにぎやかな毎日はこんなにも明るくて、こんなにも楽しい。」と本の帯に書かれたメッセージが、じんわりと心に染みてくる印象だ。

たとえば、次のようなシーン。

「ここはどこやろか。帰りたいわ」「そういえばどこやろ？」…と不安でざわざわする入居者達。
そこに現れたコバヤシさん。
「兄ちゃんここはどこなん？」という質問に笑顔で「ここは日本ですよ」ときっぱり。
すると「それはそうなんやけどなっ」と入居者達が一斉に笑顔になり、少し空気がホッコリする…。

介護の現場を知る人にとっては、「あるある」というネタも満載だろう。また、こんなに笑って楽しいことばかりではない、という面もあるだろう。しかしコバヤシさんは、「辛い状況も明るく受け止め楽しんじゃえばいいじゃない！」と、どこまでも前向きで、明るい。利用者によるひっかき傷やかみつき傷も、「どうってことねえよ！」と啖呵を切ってみせる。

介護施設の日常を描いた４コマ漫画以外に、特別養護老人ホームの見取り図が紹介されたり、介護士の一日や、介護施設で働くメンバーの紹介などもある。さらに最後は、誰にでも「のりお、のりお」と若い時に亡くなった息子の名前を呼ぶ上野さんとの別れも描かれている。介護の現場を知らない人にも、介護とはどういうものかを知ってもらいたいという著者の思いが伝わってくる。

＜日々のご家庭での介護や、介護業務に疲れた方がふとこの本を開いた時に、少しでもホッコリできたり、前向きな気持ちになってもらえたら嬉しく思います。そして、今はまだ介護とは縁遠いと感じている方や、介護施設での虐待など、暗いニュースのイメージを持っている方。そんな方にも介護の良いところを知ってもらえるきっかけになれたら。＞

本の帯には、「暗い・汚い・キツイ介護の当たり前をぶっこわす！」というメッセージも。介護に携わる家族や、介護施設のスタッフにとっても、ネガティブなイメージを一新する勇気を与えてくれるのではないだろうか。

＜小田＞

著者プロフィール

コバヤシさん
1983年生まれ。三重県在住の介護職員。デイサービス、小規模老人ホームでの夜勤専門スタッフ、特別養護老人ホームへの転職を経て、現在の介護施設にて勤務中。介護施設での日常を４コマ漫画にしたブログ『コバヤシの、ハードロック介護！』が話題となり、BLOG of the year2015の優秀賞を受賞。

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