■書名:現場で役立つ!ケアマネジャー業務ハンドブック
■編著者:中島 圭一
■出版社:ナツメ社
■発行年月:2017年5月
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ケアマネ業務のすべてがギュッと凝縮!さっと開けて役に立つハンドブック
ケアマネジャーに必要な知識・情報のすべてがつまった、業務に役立つハンドブック。
オールカラーで見やすく、カタログのように項目が整理されて並んでいるので、大変使いやすい一冊だ。
ケアマネジャーが実務で必要な、基本知識からスキルアップに役立つ情報までを、もれなく網羅。新人からベテランまで、広く活用できる内容となっている。
本書の構成は以下のとおりだ。
1章 ケアマネジャーと介護保険
2章 家での暮らしを支えるケアサービス
3章 他職種とのコミュニケーション
4章 施設入居の相談対応
5章 社会保障制度をプランに活かす
6章 高齢者に多い病気と薬の理解
それぞれの項目は、ハンドブックとして、見やすく調べやすくわかりやすいことをモットーにまとめられているが、さらに、細やかな配慮が行き届いているのが印象的だ。
たとえば1章「ケアマネジャーと介護保険」では、初回訪問からケアプラン原案作成まで、順を追って解説。電話でのアポイントのとり方から指導してくれる。
実務では、電話でのアポイントから利用者や家族との関わりが始まるということで、緊張する新人ケアマネも少なくないだろう。
顔の見えない電話でのコミュニケーションには難しさもあるので、この段階からサポートしてもらえるのはありがたい。
電話の会話例まで掲載されているので、大いに参考になるのではないだろうか。
また、初回訪問時の服装についても、細やかなアドバイスがされている。
男女それぞれのイラストに、女性の場合には「スカート丈は椅子に座ったときに膝が隠れるぐらい」「脱ぐのに時間がかかるブーツは避ける」などのアドバイスが添えられていてわかりやすい。
6章「高齢者に多い病気と薬の理解」には、「ケアマネジャーが在宅でよく見る薬」が25種、写真付きで掲載されている。
薬のシートや容器が写真で紹介されているので、該当する薬を簡単に目で確認できるようになっている。薬の説明内容も簡潔で、必要なことをすぐに知ることができる。
その他の薬についても、あいうえお順の一覧表で効能を調べることができる。
利用者の異常を早期発見するために、薬の基本情報知識を押さえておきたいケアマネのニーズにも応えてくれるはずだ。
巻末の付録には、介護・医療用語集に加えて、出来事・流行語・流行歌一覧までが付いている。
たとえば、1935年生まれの人が20歳のころには、石原慎太郎の小説『太陽の季節』がベストセラーになり、「岸壁の母」「別れの一本松」「ここに幸あり」のような歌がはやったことがわかる。
高齢者と円滑なコミュニケーションを取るために、役に立つ情報と言えるだろう。
上手に使えば、利用者との距離がぐっと近づくに違いない。
訪問先の現場で困ったことがあったとき、またはデスクワークの際にも、知りたいことをすばやく調べることができる。
図表やイラストも多く、内容が整理されているので調べやすさは抜群。
タイトルのとおり、ケアマネ用のハンドブックとして申し分ない。手元にあると安心な一冊だ。
編著者プロフィール
中島 圭一(なかしま・けいいち)さん
1974年京都府生まれ。東京造形大学中退、セツ・モードセミナー卒業。特別養護老人ホームの介護職員を経て、埼玉県にて在宅のケアマネジャーとして従事、さいたま地域ケア研究会を主宰する。現在は、東京都内の居宅介護支援事業所に勤務。