■書名:イラストでわかる介護・福祉職のためのマナーと接遇
■著者:関根健夫・杉山真知子
■出版社:中央法規出版
■発行年月:2017年8月
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介護現場で求められるマナーを、基本から実践までまとめてチェック!
「あなたは自分のマナーに自信がありますか?」「相手を満足させる接遇ができていますか?」…このように問われて即座に「はい」と答えられる人はどれくらいいるだろうか。
ホテルや航空会社の対応は丁寧で親切、おもてなしの精神に満ちているのは知られているが、総じて現代社会は接遇やマナーができているのが当たり前になっている。
介護や福祉も人にサービスを提供するのが仕事であることを考えれば、介護職にもきちんとしたマナーに沿った対応が求められるのも納得だ。
本書では、マナーについての一般的な基礎知識から、介護・福祉の現場で求められるマナーや接遇まで、イラストを交えてわかりやすく紹介。
なんとなくやってきたけど自分の対応は間違っていないだろうかという不安も、この一冊できっと解消できるはずだ。
本書の構成は次のようになっている。
第1章 これからの介護・福祉職へ
第2章 必ず身につけておきたい基本マナー
第3章 介護・福祉職に求められるマナーと接遇
第4章 コミュニケーションスキルを身につけよう
第5章 クレーム対応力を磨く
第6章 電話・手紙・メールのマナー
第7章 事例で学ぶマナーと接遇の実践
「声かけは明るく元気に」「身だしなみのマナー」「お茶の出し方」「携帯電話のマナー」「SNSに注意しよう」など、社会人としての一般常識はもちろん、携帯電話やインターネットに関わることにもふれられており、介護現場だけでなく、日常生活にも役に立つ内容が取り上げられている。
項目ごとに見開き2ページで読みやすくまとめられ、わかりやすいイラストと一言ポイントもついているので、要点が理解しやすい。
さらに、各章の終わりには確認チェックリストもついているので、自分の関心のある項目だけをさっと確認することも可能だ。
介護現場に特有なマナーもしっかり解説。「食事介助の際の心配り」「排泄介助などプライバシーへの配慮」「できることを強調する」など、ちょっとした気遣いで利用者を安心させるコツが紹介されている。
そして、第7章では「訴えが多く、怒りっぽい利用者さん」「物品を壊された!」「父が違う人の服を着て帰ってきた!!」など、介護職のリアルな実例をもとに、利用者や家族とのコミュニケーションの取り方やクレーム対応の方法を取り上げている。
介護職として働くには、相手の主張を受け止め、職員としてできることはきちんと対応するという、ブレない姿勢が大切であると筆者は教えてくれる。
<介護・福祉職に求められる接遇・マナーは、常に相手のことを考え、相手を尊重する姿勢を具体的に示すことに尽きます。そうすると、接遇・マナーに「これでよい」という終わりはないことになります。「ここまでやっているのだから、文句は言わないでくださいよ」といった後ろ向きな意識ではなく、「仕事やお互いのためにできることはないか」「相手のためにもっとできることはないか」と前向きに考え、思いを巡らせる姿勢が、これからの介護・福祉職を支える最上の価値観と言えます。>
本書を読むだけで、すぐに完璧なマナーや接遇が身につくわけではないかもしれない。
しかし、筆者が述べているように「常に相手のことを考え、相手を尊重する姿勢」を意識することから始めてみてはいかがだろうか。
相手と接するときの心構えは目には見えなくとも、やがて、日々の態度に現われてくるはずだ。
著者プロフィール
関根 健夫(せきね・たけお)さん
昭和30年東京都大田区出身。昭和54年武蔵工業大学(現東京都市大学)工学部建築学科卒業、民間会社勤務を経て、昭和63年株式会社アイベック・ビジネス教育研究所を設立。現在、同社代表取締役、一般社団法人日本経営協会専任講師、株式会社日本経営協会総合研究所専任講師、株式会社みずほ総合研究所講師、NTT電話応対コンクール審査員。
杉山 真知子(すぎやま・まちこ)さん
昭和26年埼玉県熊谷市出身。民間会社勤務を経て、平成4年コミュニケーションを中心とした人材開発コンサルタントを開始。平成18年慶應義塾大学文学部卒業。現在、株式会社アイベック・ビジネス教育研究所常任講師、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。