■書名:自分が高齢になるということ
■著者:和田 秀樹
■出版社:新講社
■発行年月:2018年6月
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老いることは不幸じゃない!老年精神科医が教える幸せな高齢者になる秘訣
「自分が高齢になるということとは?」
そう問われて、何の不安もなく明るく楽しく毎日を過ごす姿を思い描く人は少ないだろう。老いてくると、体の自由がきかなくなったり体のあちこちが痛くなったり、癌(がん)や脳卒中などの不安もある。
認知症などになってしまったら、自分が自分でなくなるということだ!
家族に迷惑をかけることになるし、とんでもないことだ!
認知症だけにはなりたくない!
介護職の人は実際に多くの高齢者と接してきて、そのようなことを訴える利用者に出会ったこともあるのではないだろうか。
そんな誰もが抱く老化や認知症への不安を吹き飛ばすような頼もしい内容が詰まっているのが本書だ。
著者の和田秀樹さんは、多くの著書もある老年精神科医。
高齢者専門の精神科医として30年間にわたって、多くの高齢者に接してきた和田さんが説く老いの生き方は驚くほど楽天的だ。
本書の構成は以下の通り。
プロローグ 老いて幸せなら、人生それでよし
第1章 ボケは幸せの「お迎え」かもしれない
第2章 「できることをやる・できないことは頼る」でいい
第3章 「ボケ老人」より不幸な「うつ老人」
第4章 あなたの身近なボケを愛すること いまからできること1
第5章 気楽に教えてもらう、助けてもらう いまからできること2
第6章 楽しみの種を蒔いておこう いまからできること3
エピローグ ボケると「新しい力」がついてきます
各章はさらに小見出しのついた10節ほどに分かれており、見開き2ページ程度のコンパクトな内容にまとめられているので読みやすい。気になる項目から読み始めることも可能だ。
本書の特徴は
「人はボケる」という前提に立っていることだ。
85歳を過ぎると40%程度の人が認知症になるという。
「ボケ」は決して特別なことではなく、老化の1つに過ぎず、長生きをするということは「ボケ」を受け入れていかなければならないということ。
それならば、「ボケ」を前提に、幸せな長生きを目指しましょう!というのが和田さんの提案する老いの生き方だ。
<認知症は老いです。高齢になればだれもが経験するただの老いにすぎません。
でも、少しくらい不自由を感じても、まだまだ人生を楽しむことはできます。むしろいちばんみっともないのは、つまらなそうに生きている高齢者です。何の楽しみもなく、ただしょぼくれている高齢者です。>
本書を読むと、高齢になるということが決して不安でもみじめでもないと教えられる。
介護に携わる人にとっては、ケアする高齢者をよりよく理解する助けにもなるだろう。
若いころのようにいろいろできなくなってしまったと悩む高齢者には、できないことではなく、
できることに目を向けましょうと励ますこともできる。
高齢者の心を明るくするような言葉がちりばめられているので、ぜひ読んでみることをおすすめする。
著者プロフィール(引用)
和田 秀樹(わだ・ひでき)さん
老年精神科医。1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、精神科医。国際医療福祉大学大学院教授。和田秀樹こころと体のクリニック院長。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。