■書名:介護事業所を成功に導く はじめての施設長マニュアル
■著者:株式会社日本経営 介護福祉コンサルティング部
■出版社:クロスメディア・パブリッシング
■発行年月:2019年8月
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頼られる施設長になるために!業務にすぐに役立つマニュアルでスキルアップ!
介護施設における施設長は、まさしく『現場のトップ』。施設長として知っておくべきノウハウは少なくないにもかかわらず、施設長を教育してくれる仕組みが用意されていない事業所も少なくない。
本書は施設長業務のノウハウ本として、幅広い内容を含んでいるが、主なものを挙げると以下のとおりだ。
第1章 はじめて施設長になったあなたへ
第2章 施設長に求められる「内部管理」
・施設長はどこまで利用者のことを知っておくべき?
・適切な人員配置と収支管理の考え方
・行政への届出リスト ほか
第3章 地域との関係を築く「外部業務」
・会話例でわかる営業先ごとのアプローチ
・入居者獲得につながる地域の病院・他施設との交流方法
・見学対応の心構えと具体的手順 ほか
『第1章 はじめて施設長になったあなたへ』では、施設長がするべき仕事をまとめた
「施設管理トータルチェック表」が付いてありがたい。
業務内容ごとにわかりやすく整理されたチェック表なので、
今の自分ができていること・できていないことのチェックだけでなく、
施設長業務に求められることの大枠を読み取ることができる。
また各チェック項目については、第2章・第3章で順番に詳しく説明されている。
『第2章 施設長に求められる「内部管理」』の「内部管理」で繰り返し強調されているのは、
「施設長自らが動き、看護職員や介護職員の代わりになろうとする必要はない」ということだ。
忙しい現場の様子を見かねて、やり慣れている現場業務に入ってしまう施設長は少なくないのではないだろうか。
しかし、これでは本来の管理業務はできない。
施設内での施設長としての役割は何なのか、この章で学び取りたい。
利用者管理においても、疾患別のリスクなどは把握しておくべきとしながらも、現場の役割は現場に任せることが大前提となっている。
施設長として重要なのは、
現場の判断が誤っていないか、判断を下すための基準を持っていることなのだ。
『第3章 地域との関係を築く「外部業務」』の「外部業務」の解説では、介護事業コンサルタントである著者グループならではの明快さがモチベーションを高めてくれそうだ。
外部業務の中でも特に営業活動に対しては、介護職出身の施設長を中心に、苦手意識や反発を感じている人もあることだろう。これを踏まえて、営業の重要さを次のように書かれている。
<介護施設を営む者が営業活動に精を出すことで福祉の精神に反することは全くなく、むしろ地域の社会資源のひとつとして、介護施設が営業を行うことは地域福祉を支える重要な業務であるのです。>
地域で必要とされる介護施設・介護事業所を目指すための、数多くの地域営業のノウハウが解説されている。
施設の
案内資料の作り方から、営業先である病院や地域包括支援センターなどへの
アプローチ方法や会話例まであり、どれも具体的でわかりやすく心強い。
これから施設長になろうとしている人、施設長になって間もない人、すでに経験を積んだ人であっても、本書は貴重な学びの場となることだろう。
著者プロフィール(引用)
株式会社日本経営 介護福祉コンサルティング部(かぶしきがいしゃにほんけいえい かいごふくしこんさるてぃんぐぶ)
株式会社日本経営は、「医療機関・介護福祉施設が安定かつ永続的に運営できるようにサポートする」ことを使命とし、ヘルスケア領域における経営支援を事業の中心に位置づけているトータルマネジメントカンパニー。介護福祉コンサルティング部は、同社における介護福祉分野の経営支援に特化した専門家チーム。現場実践型のコンサルティングを提供することを通じて、介護福祉事業者の経営をサポートしている。(原案・執筆:沼田潤、荒田雅樹、村木茂満、坂佑樹)