■書名:これならわかる〈スッキリ図解〉介護ビジネス
■編著者:辻川泰史
■著者:小濱道博・堀之内高久
■出版社:翔泳社
■発行年月:2013年11月18日
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介護に関わるすべての人に読んで欲しい。介護業界の知っ得情報「全部入り」の一冊
本書は「介護ビジネス」の立ち上げや起業をしたいと思っている人のために書かれた本だ。
しかし、「現場で働くのが好きなだけで、経営には興味がないから…」と、この本を手にとらないのは、もったいない!介護業界に飛び込んだばかりの初心者スタッフから経験豊富なベテランスタッフ、リーダーまで、介護の仕事に関わるあらゆる人が「知って得する情報」が満載なのだ。
しかも1つのテーマを1つの見開きでコンパクトにまとめてあるため、興味のあるところだけピンポイントで読むことができる。これは忙しい介護スタッフにもうれしい構成だ。
まず、初心者には「介護サービスの種類」「介護保険制度の仕組み」の解説が役立つのではないだろうか。
介護サービスと一言でいっても、その目的はサービスの種類によって違う。今の職場が何を目的にしているのかが分かれば、自分が何をするべきか、その方向性がわかるはずだ。
また、介護職の給与形態は、さまざまな「手当」があり、分かりづらい部分があるかもしれない。介護職の給与には、介護保険制度や介護報酬の仕組みが深く関わっている。つまり、介護報酬の仕組みを知れば、給与の仕組みもわかるのだ。
あなたがベテランスタッフなら、「介護職のキャリアパス」をぜひチェックして欲しい。
2013年4月からホームヘルパーの資格制度が終了し、新たに介護職員初任者研修や実務者研修制度がスタート。また「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」が導入されるなど、今、介護職のキャリアパスは大きく変化している。これからのキャリアアップを意識する上で、ぜひ知っておきたい情報がギュっとつまっている。
そしてリーダーには、「スタッフの育成方法」「介護スタッフへのストレスケア」をおすすめしたい。
リーダーがぶつかってしまうことが多いさまざまな問題を解決するプロセスを、図解で分かりやすく解説。実例を交えて説明しているため、明日からすぐ現場で活用できるはずだ。
今、介護業界で利用者と向き合っている方のなかには、「介護ビジネス」という言い方に、違和感を覚える方もいるかもしれない。その理由の一つを本書のなかではこう分析している。
<介護とは、金銭を追ってはいけない聖域というイメージが強いことが原因の一つと考えられます。>
利益を重視する「ビジネス」と、想いを大切にする「介護」。異なる2つのものを両立することは難しいと思うかもれないが、本書では「想い」を大切にすることの重要性をくり返し伝えている。
<たとえば、人が人に介護というサービスを提供するのですから、そこには「想い」という概念が重要になってきます。>
<顧客である「サービスを利用する方」を大事に扱うことは勿論ですが、働く介護職員それぞれの“介護という仕事への想い”も大切にすることが重要です。>
「想い」を大切にしなければ、「介護ビジネス」は成功しない。
自分のキャリアに役立つ情報を知りつつ、介護職としての本質に気づくことができる一冊だ。
編集者・著者プロフィール
<編集者>
辻川 泰史(つじかわ・やすし)さん
株式会社はっぴーライフ代表取締役。株式会社エイチエル代表取締役、社団法人岩手介護コミュニティ協会理事も兼ねる。日本社会福祉教育専門学校卒業後、老人ホーム、在宅介護会社勤務を経て、2002年に有限会社はっぴーライフを設立(2005年に株式会社化)。2008年、株式会社エイチエルを設立。2013年度、岩手県の介護業界プロジェクトコンサルティング受託。
<著者>
小濱 道博(こはま・みちひろ)さん
小濱介護経営事務所代表。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手がける。介護経営セミナーの講師実績は、全国で年間200件以上。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センターなど主催の講演会での講師実績も多数。NKK一般社団法人日本介護経営研究協会 専務理事、C-SR 一般社団法人介護経営研究会 専務理事、C-MAS介護事業経営研究会 最高顧問なども兼ねる。
<著者>
堀之内 高久(ほりのうち・たかひさ)さん
有限会社メンタリング研究所アドバイザ、スーパーバイザー。元横浜国立大学・大学院准教授。長年にわたって「人をケアする人たちのケアこそが重要」という視点でノウハウを開発。体験学習によるトレーニング「福祉管理職になるトレーニング」「堀之内 Beingワークショップ」には全国から多くの参加者が集まり、キャンセル待ちの自己成長のワークショップとして好評を得ている。