■書名:現場で役立つ 介護・福祉リーダーのためのチームマネジメント
■著者:井上 由起子、鶴岡 浩樹、宮島 渡、村田 麻起子
■出版社:中央法規出版
■発行年月:2019年11月
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リーダーの役割と業務を確認!よりよい「チーム」を作るための実務書が誕生
介護職としてようやく一人前になったと思ったら、今度はリーダーを任された。
あるいは後輩の指導を任された。
これまでリーダーの経験もなければ、若手の育成などしたこともない……。
そんなときに、強力な助けになるのが本書だ。
チーム運営や人材育成のテキストは数多くあっても、本書のように介護や福祉の分野に特化したものは珍しい。
さらに、現場で使える実務書を目指して作られているので、具体的でわかりやすく実践につなげやすいのもありがたい。
まず第1部で、“チーム”の定義や福祉サービスにおけるチームの特徴など、
『チームに関する基礎知識』を学ぶ。
第2部では、大人の学び方やリーダーシップ理論など、
『人を育てるリーダーの条件』について。
第3部では、モチベーションやキャリア形成など、
『同僚や部下の学びをどのように支えるか』、第4部では、対立や危機を乗り越えて
『学び続けるチームを作るにはどうすればよいか』を考える。
本書では、「現場で学ぶ」という立場を大切にしているので、現場での具体的なケースが多数盛り込まれている。
第1部から第4部までで計19の実践ケースが掲載されており、いずれも
ケースから課題を見出し、関係する理論を学び、実践に移していく流れになっている。
たとえば、第3部第5章「モチベーションに働きかける」では、上司からのねぎらいや承認の言葉が不足したために部下が退職したケースが取り上げられている。
人がやる気を失うのはどのような時なのかを考え、働くモチベーションについて学ぶ章となっている。
モチベーションの基礎理論がいくつか紹介されている中で、働く意欲の原動力の1つ
「承認欲求」について、このように解説されている。
<仕事を正しく評価できるのはリーダーや管理者であり、彼らに認められることが専門職のキャリアとしては効果的で、やる気も長く維持されるとの指摘もあります。部下や同僚に対して、できるようになったことを具体的な事実に基づいて言葉で承認し、できていない時はその過程としての努力をフォローしつつ、どうすればいいのかを伝えることは大切です。部下の期待は高まり、やる気も上がります。>
反対に現場のやる気を下げる例として、管理職や施設長が経営的な数値目標をダイレクトに示すケースにも触れている。
<「在宅復帰率〇%」と掲げるよりは、「今月は〇さんと△さんの在宅復帰を実現する」と掲げたほうがモチベーションは上がります。リーダーには組織が示した目標を現場職員にとって魅力的な言葉に置き換えて伝えることや、組織目標の達成が利用者にプラスの効果をもたらすことを丁寧に説明することが求められます。>
介護の「現場」を中心に据えているので、初めてリーダー業務につく人にとって心強いテキストとなっている。
ベテランの管理職にとっても、自身の仕事の振り返りに役立つはずだ。
著者プロフィール(引用)
井上 由起子(いのうえ・ゆきこ)さん
日本社会事業大学専門職大学院教授
鶴岡 浩樹(つるおか・こうき)さん
日本社会事業大学専門職大学院教授、つるかめ診療所副所長
宮島 渡(みやじま・わたる)さん
日本社会事業大学専門職大学院特任教授、社会福祉法人恵仁福祉協会理事長
村田 麻起子(むらた・まきこ)さん
社会福祉法人リガーレ暮らしの架け橋マネージャー
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