■書名:福祉職員こころの強化書:穏やかな気持ちで人を支援する専門職になる
■著者:久田 則夫
■出版社:中央法規出版
■発行年月:2019年12月
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心のダメージが減って、仕事もうまくいく!「心のマネジメントスキル」って?
介護や福祉の仕事をしていて、一番苦しいと感じるのはどのようなことだろうか。
著者によれば、圧倒的多数の人が『
スタッフ同士の人間関係』を挙げるのだという。職員それぞれが、同僚や先輩、上司、部下などとの関係がうまくいかずに悩んでいるという。
さらに、こうした人間関係や心の状態が利用者へのサービスの質に影響を及ぼすことにも、気づいている人は少なくないだろう。
本書では、その影響の大きさを強く訴えかけるとともに、人間関係や心の状態を良い状態にするために、
「人間関係スキル」と「心のマネジメント・スキル」を鍛える具体的方法が解説されている。
まず第1章では、
職員の心の状態が業務レベルに大きな影響を及ぼすことをていねいに説明。
どのような立場にも共通する、気をつけたい基本ポイントがわかる。
第2章では、自分自身の経験と感情を振り返り、自己チェックをする。
自分に正しく向き合えるようになれば、心穏やかな状態で働くための基本姿勢が身につき、良好な人間関係作りにもつながるからだ。
第3章から第5章では、自分の働く姿勢の中に
「負の特性」がないかを確認する。
「負の特性」とは、業務の質の低下を招いたり、自分のモチベーションを下げたり、他の職員や利用者を不安にしてしまう、次のような姿勢のことだ。
・仕事・業務に対して不満感を露わにする
・過去の失敗経験にとらわれ自責の念に駆られやすい
・頑張りすぎる
・自己顕示欲が強い
・自分の意見が受け入れてもらえないとイライラする
・他者の欠点ばかりあげつらう
このような「負の特性」が自分の中に潜んでいないかをチェックシートなどで知り、負の特性が潜んでいる場合には、どのようにして行動を改めていけばよいかを考えていく。
著者の言葉を借りるなら「”負の特性”から自己を解き放つ」ためのアプローチだ。
たとえば「頑張りすぎる」人の場合。
長く美徳とされてきた「頑張る姿勢」だが、今では自分自身の心にダメージを与えるなど、負の側面が注目されている。
この「頑張る姿勢」から自分自身を解き放つには、具体的に次のような取り組みが勧められている。
<際限なくすべてに全力を尽くすのではなく、力の入れ方に強弱を付ける取り組みです。一日の業務のなかで、どの業務に重点的に取り組んでいくか、焦点を絞っていくのです。具体的には、勤務に入る前に、その日一日の自分自身の重点課題を明確にします。例えば、「認知症の利用者Aさんが落ち着いて過ごせるようサポートする」(後略)>
このように、すべての「負の特性」について、具体的な方法が示されているので、今日からでもすぐに実践していけそうなのがありがたい。
福祉・介護に関わるなら、今一度立ち止まって、自分の中に「負の特性」が潜んでいないかを確かめてみたい。
まずは本書の目次から、気になる特性の項目を見つけて拾い読みすることから始めてみるのもよいだろう。
著者プロフィール(引用)
久田 則夫(ひさだ・のりお)さん
長崎県大村市生まれ。昭和60年3月、上智大学外国語学部卒業後、知的障害者施設に就職。平成6年3月まで、支援職員として勤務。その間、3年間にわたり、英国国立スワンジー大学院博士課程に留学。高齢知的障害者に関する社会学的研究で、博士号(Ph D)取得。長崎純心大学、龍谷大学を経て、現在、日本女子大学人間社会学部教授。
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