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2015年12月24日

高血圧の人がグレープフルーツを食べていたら…高齢者を守る介護職の観察眼 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

高齢者を“点”ではなく、“線”で見ている介護職。高齢者の日々の生活を見守り、密にコミュニケーションをとっているからこそ、薬の服用に伴う変化にも気づきやすい。それが医療との連携で生きてくるということを、前回、お伝えしました。

介護と医療の連携というと、難しそう、敷居が高いと感じる介護職も多いかもしれません。それはもしかしたら、医療職と対等に話をできる専門知識を持たなくては、と考えているからでは? 介護と医療はそれぞれ異なる知識と技術、強みを持った職種です。それぞれの強みを、互いに引き出して生かすための接点を持つことができれば十分。対等に話すための専門知識は、必ずしも必要ではありません。


観察眼+ちょっとした知識で高齢者を守る

q1介護職の発揮できる強みの一つが、前回もお伝えした「観察眼」です。
高齢者の状態が「なんとなくいつもと違う」と気づける力は大切です。そこに、たとえば薬に関連するちょっとした知識が加わると、さらに気づけることが増えていくと思うのです。

たとえば、グレープフルーツと薬の飲み合わせについての知識。
グレープフルーツは、高血圧や狭心症の治療に用いられるカルシウム拮抗剤(アダラートなど)や、一部のてんかん治療薬(テグレトールなど)、高脂血症治療薬(リピトールなど)などの服用中は、一緒に食べてはいけないとされています。相互作用により、薬が効きすぎてしまうからです。

グレープフルーツのほか、スウィーティーや夏みかん、伊予柑、ハッサクなども相互作用を起こすことが明らかになっています。一方、温州ミカンやバレンシアミカン、レモンなどは食べても問題はありません。


在宅生活を見ていない医師や薬剤師にはできないこと

もちろん、医師や薬剤師は処方、調剤の際、グレープフルーツ等との飲み合わせに注意するよう伝えているはずです。しかし、言われた高齢者本人は意外にピンときていないことも。高齢者の在宅生活を見る機会のない医師や薬剤師は、注意が守られているかを確認するすべがありません。

しかし、在宅を訪問しているヘルパーなどは、薬についても自宅で高齢者が食べている食材についても、直接目にし、耳にするチャンスがあります。こうした知識を持っていれば、降圧剤を飲んでいるのにグレープフルーツを食べていて大丈夫なのか?と気づくことができます。


見つけてつないでいくのが介護職の役割

q2このほか、血液をサラサラにするワルファリンの服用中は、ビタミンKが豊富な納豆や青汁を摂ると薬が効きにくくなります。また、ワルファリンは血が止まりにくくなるので、歯科治療で抜歯する予定がある場合などは要注意。必ず服用中であることを歯科医に伝えることが必要になります。

生活全般を見渡しやすい介護職だからこそ、こうした複数の情報を結びつけて検討することができます。心配に思うことがあったら、それを主治医や訪問看護師などの医療職に伝えて、問題がないかを判断してもらえばいいのです。薬についての詳しい知識は必要ありません。

異変、あるいは異変のもとを見つける。そして、それを正しく判断して対応できる専門職につないでいく。それこそが介護職の重要な役割なのではないでしょうか。

<文:宮下公美子 (社会福祉士・介護福祉ライター)>

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