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2018年08月23日

“日本型介護”に世界が注目。日本からアジアへ、介護技術の輸出が始まるか | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

アジアの介護先進国、日本。外国人介護職受け入れの課題は?

2018年7月、政府はベトナムから介護人材を1年以内に3000人、2020年までに合計1万人を、外国人技能実習制度を活用して受け入れることを、ベトナム政府と合意しました(*1)。政府は、さらにインドネシアやラオス、カンボジアなどからも受け入れを拡大していく考えです。

これまでEPA(経済連携協定)によって来日していた外国人介護士は、トータルで約3500人。
外国人技能実習制度での受け入れが予定通りに進めば、外国人介護士の数はさらに一気に増えることになります。外国人技能実習制度での受け入れについては、以前紹介した記事もご参照ください(「外国人介護職の受け入れ」に関する記事はこちら)。

東南アジア諸国の人材は、言葉が通じやすい英語圏での就労を希望することが多いと言われています。
先進諸国はどこも介護の担い手を求めており、すでに人材の争奪戦が始まっているとも。英語が苦手な人が多い日本が、東南アジア諸国から就労先として選ばれるのか疑問視する声もあります。

しかし、高齢化のトップを走る日本は、今後、超高齢社会にどう対応していくか、東南アジアを含む世界各国から注目されています。
東南アジア諸国にとって、日本は介護先進国であり、お手本とされている国でもあります。東南アジア諸国はこれから急速に高齢化が進んでいきますが、どの国もまだ介護産業自体が構成されていません。

介護保険制度が始まり20年近くたつ日本では、身体的なケアの面でも、尊厳への配慮といった精神的なケアの面でも、質の高い介護を提供する力を培ってきています。そうした日本ならではの介護を学ぼうという人材は、少なくないとも考えられます。

▼アジア諸国の高齢化率の推移と2035年の高齢者向け市場(*)の推計
*高齢者向け市場=医療・医薬産業+介護産業+生活産業


出典:内閣官房健康・医療戦略室「アジア健康構想の推進について」


身体的・精神的ケアで注目される“日本型介護”の輸出が始まる?

外国人介護職を受け入れる一方で、質の高い日本の介護をアジアに輸出していこうという動きも出ています。

2017年1月には、100社を超える企業や団体が連携し、政府の支援を受けながら日本型介護のパッケージ輸出を目指すことになりました(*2)。現地での人材育成や介護機器の販売、介護ロボットやIT(情報技術)システムの開発など、様々な計画が進んでいます。

また、2018年7月には、介護業界国内第2位の規模を持つSOMPOホールディングスが、介護事業での中国等への進出を検討していることが報じられました(*3)。中国はその人口規模から、今後、高齢化の進展により介護の需要が急速に高まることが見込まれています。

中国では、要介護者の尊厳に配慮する意識が、まだ十分ではありません。特に、認知症を持つ人への対応の習得はこれから、というところです。
それだけに、日本から進出したある介護事業者が運営する施設では、日本式の質の高い介護が評判を呼んでいるといいます。

一方で、尊厳への配慮という意識が十分でない、現地採用の職員に日本型介護を教育していくには時間を要するとのことでした。考え方も生活様式も日本とは異なる部分のあるアジア圏で、どのように日本型介護を伝え、定着し、広めていくのか。
日本型介護の輸出が持つ可能性は大きい一方で、課題も多いのかもしれません。

<文:宮下公美子 (社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター)>

*1 介護人材1万人受け入れ ベトナムと合意(日本経済新聞 2018年7月25日)
*2 介護輸出100社・団体連携(日本経済新聞 2017年1月22日)
*3 SOMPOHD 介護「輸出」 高齢化見据え、アジア進出検討(毎日新聞 2018年7月20日)

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