介護業界、正規・非正規の待遇差はある?ない?
正規雇用と非正規雇用で「待遇差があるのは不合理」と認められた裁判が話題になっています。
今回、日本郵便の非正規職員が「格差は不合理」と認められたのは、扶養手当、年末年始勤務手当、年始期間の祝日給、夏季・冬季休暇、有給の病気休暇の5つ。
非正規職員が約4割を占める介護業界では、正規・非正規格差はあるのでしょうか?
厚生労働省の調査結果から、介護業界の実態を調べてみました。
(参考:厚生労働省「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル~パートタイム・有期雇用労働法への対応~ 福祉業界編」)
基本給は『正規>非正規』 でも昇給あり!
介護業界の法人への調査結果から、正規雇用・非正規雇用の待遇差の実態を見てみましょう。
介護業界では、非正規職員の基本給は「正規職員とほぼ同じ」が49%、「正規職員を下回る」が41%となっています。
業務内容が異なる、採用方法が異なる、働く時間が異なる、などの理由で水準が異なっているようです。
しかし、非正規職員にも昇給ありと答えた法人は全体の81%。
多くの法人が非正規職員の給与アップに積極的ということがわかります。
パート・アルバイトの「時間外手当」、正規職員との差は?
介護業界における各種手当や福利厚生について、非正規職員への支給・付与状況はどのようになっているのでしょうか?
■家族手当
正規と同水準14% 正規と異なる水準2% 支給なし82%
■時間外・休日勤務手当等
正規と同水準87% 正規と異なる水準7% 支給なし6%
■病気休職
正規と同水準74% 正規と異なる水準5% 付与なし20%
■法定外年休
正規と同水準70% 正規と異なる水準4% 付与なし26%
時間外手当や休日勤務手当は、非正規職員にも正規職員と同水準の手当を支給している法人が約7割。
夜勤や休日出勤、シフト勤務が多い介護業界では、正規・非正規の区別なく手当を支給する法人が多いのかもしれません。
介護業界はパートの研修にも積極的
介護業界では、給与や手当の格差解消だけでなく、非正規職員の人材育成や離職防止にも積極的に取り組んでいます。
勤務体制や教育・研修制度について、正規職員と非正規職員で同程度に対策している法人が多く、非正規雇用でも長く働ける環境が整っていると考えられますね。