第13次労働災害防止計画(18~22年度)では小売業、社会福祉施設について「休業4日以上の死傷者数(千人あたり)を年5%以上減少」が目標。
しかし、昨年度の千人あたり死傷者数は小売業2.12人で前年比8.2%増、社会福祉施設は2.55人で13.3%増となっている。
同提言では冒頭、「これまで厚生労働省が推進してきた取組では労働災害防止の気運が十分に醸成されず、転倒・腰痛等の減少という具体的な成果に結びついていない」と強調。
①転倒・腰痛等の課題、背景要因の的確な把握 ②企業・労働者の行動変容を促す情報発信、関係者との連携 ③企業、労働者、関係団体の主体的な取組の促進、必要な制度等の見直し、新たな取組――の3つに分け、それぞれ課題・提言・具体案を整理した。
①転倒・腰痛等の課題については「労働災害情報の深堀りや、腰痛等の予防効果を高めるエビデンスの収集が十分ではない」と指摘。
外部専門家の介入による危険要因の抽出、心理面も含めた転倒・腰痛リスクのアセスメントツール(体力測定等)の開発などを求めた。
加えて、現場職員の介助方法や動線などの作業実態をビッグデータ化、災害発生要因の科学的分析が効果的なエビデンスにつながるとし、センサー等のICT機器の活用を提案している。
②の行動変容については、単に「労働災害防止」「健康経営」を発信するだけでは難しい点を課題に挙げ、例えば「仕事の肩こり防止やリラクゼーション」「作業効率アップ」といったポジティブな表現へ視点を変える案も。
対外的には、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標8「働きがいも経済成長も」と絡めた取組により、企業価値のメリットを示すことができるとした。
③の主体的な取組推進の課題では、特に近年増加する高年齢労働者が安全に働けるよう、健康状況の把握に主眼を置く。
具体的には▽椅子立ち上がりテストや片足立ちテスト等の身体機能評価の実施 ▽定期的な健康相談による作業負荷の確認 ▽各作業に必要な体力レベルを明示――などを通じ、職務と労働者の遂行能力とのミスマッチを防ぐことが重要だと説明。
一方で、高リスク者の雇用機会の損失とならないよう留意も必要だとした。
これらを関係機関の連携のもと推進するため、厚労省は今年度より新たに「+Safe」事業に取りかかる。
各都道府県(労働局)に小売・介護関連企業等で構成される協議会を設置し、労災防止への啓発資料の作成、好事例の横展開などを強化する考え。
国は優良事例の表彰・情報発信を担う。
本提言を受け、現在厚労省では「転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会」を開催中。
来年度からの第14次労働災害防止計画やその他指針等へ盛り込む内容について議論を行っている。
<シルバー産業新聞 2022年7月10日号>
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