毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「3.11 介護関係者はどう過ごした?」という話題を紹介します。
今年も3月11日がやってきた。震災から4年が経過し、記憶の風化が徐々に進んでいるが、あの日、介護に携わる人々はどのような時間を過ごしたのだろう?
多摩地区に住むヘルパーのAさんは、地震発生時、勤務中だった。Aさんは、勤務中は幼い息子を保育園に預けており、地震の後、Aさんの頭に真っ先に浮かんだのは、息子の安否。Aさんは、自分の息子を迎えに行くか、介護が必要な利用者のところに行くかで一瞬悩んだそうだが、「保育園の先生が自分の息子の面倒を見てくれるはずだから、自分も自分を必要としている人のところへ行こう」と、利用者のお宅を1軒1軒回ったそうだ。
都内に住むヘルパーのBさんは、揺れが収まった後、事業所のスタッフと手分けをして、利用者のお宅を回った。ある80代の女性のお宅を訪ね、「大きな地震でしたね。大丈夫ですか?」と尋ねると、「地震? 何のこと?」とのこと。認知症がある女性は、地震があったことを認識できていなかった。
そしてその後、女性が住む地区が計画停電区域に指定されたため、Aさんはそのことを女性に説明しに女性宅に赴いた。すると、女性は「地震があると、なぜ電気が止まるのか?」と、まったく理解できない様子。テレビを見ていると、恐ろしいニュースばかりが流れて不安が高まったためか、女性の認知症の症状は一挙に悪化してしまったという。
このほか、震災後に苦労したことをあげてもらうと、
「節電で介護施設のエレベーターが1機しか動かないため、勤務時間のかなりの時間がエレベーター待ち」
「一人暮らしの利用者からの『ガスの復旧ボタンを押して欲しい』との連絡が多かった」
「高齢の利用者は電話以外に連絡手段がなく、手分けしてお宅を訪問するしか、安否の確認方法がなかった」
「ヘルパー自身が大地震に激しく動揺してしまい、まともに介護ができなくなってしまう人がいた」
「おむつや食品などの買い置きがない利用者から買い物の介助を頼まれたが、欲しい品が手に入らなかった」
と、さまざまなトラブルが発生したようだ。
先述のAさんは震災後、「利用者を避難させる時は、結局はおんぶだな」と思うようになり、いざという時のために、おんぶの練習をしているという。二度と起きてほしくはない悲劇だったが、現場のプロ意識は総じて高かったようだ。
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