介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材がどういった傾向なのか、ぜひ知っておきたいこと。今回は墨田区にある社会福祉法人八広会が運営する施設「和翔苑」の施設長の丹沢正伸さんにお話しを伺いました。
<取材・文 中条佳子>
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○●○ インフォメーション ○●○
和翔苑スタッフのみなさん。和やかな雰囲気の職場です
和翔苑
社会福祉法人八広会
特別養護老人ホーム
高齢者在宅サービスセンター
ヘルパーステーション
〒131-0041東京都墨田区八広6-55-17
電話:03-3617-1501
FAX:03-3617-1502
http://www.washouen.com/index.html
最初は人が苦手でも、人好きになれるんです
ひとことで介護業界といっても、仕事内容は細分されているもの。老人ホームと在宅サービスでは必要とされる人材のタイプも違います。まずは全体的にどういう人が求められているのかを訊いてみました。
「現場の話ではよく、人が好きな人がいいよね、と言われます。まず人が好きな人は、深く人を見ようとします。どうしたらこの人とうまくやっていけるんだろう、どういう気持ちなんだろうと考えるんですね。そうしていくと相互のコミュニケーションが深くなって、ケアの質が向上します」と丹沢さんは言いますが、これは人が少し苦手かなという人でも、決してこの仕事には向かないということではありません。
「仕事をやっていくうちに、結果的に人が好きになっていく方も多くいらっしゃいます。この業界に入ってくる方は、元々、奥手で引っ込み思案な方も多くいるんです。人の役に立ちたいと思ってこの仕事を始めたものの、どうアプローチしたらいいか悩んでしまう。最初はどう接していいかわからなかった人も、仲間や上司に相談したり話し合うことで、コミュニケーションスキルはどんどん高まっていきます」。本当に人が嫌いだったら、まずこの業界を選ばないと丹沢さんは言います。
在宅か施設か、自分の適性を考えてみましょう
「私たちも朝起きてから夜就寝するまで毎日違うように、老人ホームや在宅で過ごされているおじいちゃんおばあちゃんも毎日変化があります。基本的にはタイムラインの中でやることは決まっていますが、たとえば急に熱が出たりといった変化が色々あるわけです。私たちが普段の生活の中でも、友人や家族の機嫌や調子が良いか悪いかなど、空気をうまく読んで相手とコミュニケーションを取れる人と取れないない人がいます。そういう観察力もこの仕事には必要ですね」。
介護といっても広い範囲。マッチングの部分で、在宅か施設かどちらを選ぶかということでも仕事内容や特性が異なります。転職の際には、介護の仕事の中でどの現場に向いているかということも考えるべきところでしょう。
「施設の場合は、勤務時間内に相談出来る上司やスタッフがいるので、自分だけで判断せずに指示を仰いだりできますが、訪問サービスでは一人で在宅に出向き利用者さんがどういう状況なのかを、一瞬にして自分だけで判断していかなければいけません。その点では臨機応変さと判断力が必要とされます。接客業や飲食業を一人で切り盛りしていた中高年の方が、現在介護業界に流れてきている事も多いですが、そういった方は在宅のサービスに向いていてバリバリ働いています。在宅サービスは、自分でクリエイトしていくことが楽しい人に向いていますね」。
どんな仕事でも前向きに考える人は、楽しく仕事ができると丹沢さんは断言します。
次回は丹沢さんご自身の仕事に対するこだわりも交えてお話を伺いましょう。
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