こだわりのあるレコード店から、特別養護老人ホーム(特養)へと転職したものの、職場の人間関係に悩み続けたYさん。周囲からもウツに見えるような状態になってしまいました。しかし、ストレス解消のため、休みのたびに長野県の八ヶ岳に登るうち、ある決意が生まれたのです。こんな解決法があったのかと、目からウロコです。
*Y・Yさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
Y・Yさん(34歳)の転職経験
音楽関連の専門学校を卒業後、一度は祖父の経営する会社に勤務
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横浜のレコード店にアルバイトから勤務を始め、契約社員として5年間勤務
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ヘルパー2級を取得し、横浜の特別養護老人ホームに正社員として5年間勤務。その間に介護福祉士の資格取得
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仕事のストレス解消として夜勤明けに長野の山に出かけることを趣味とする。次第に八ヶ岳へ移住を考える
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長野県で有料老人ホーム・グループホームを運営する法人に正社員として転職。現在はユニットマネジャーとして後進の指導も行う
介護福祉士の資格があれば、どこででも働ける
職場のストレスを解消するために、悪口が蔓延する職場から離れ、ひとりで八ヶ岳に通い始めて2年。もう何十回、八ヶ岳に行ったでしょうか。そうなると、往復の時間がだんだんもったいなくなってきて。もともと宮崎駿の映画『となりのトトロ』が好きで、あんな緑あふれる風景のところに移住したいな、と前々から思っていました。でも、移住するとしても、仕事に区切りがつく50代くらいになってからだろうなぁ、と思っていましたが……。入職して5年目ぐらいになると、今でもいいのではないか、という思いがどんどん大きくなってきました。
幸いなことに、介護福祉士の資格を持っています。この資格があれば、日本中どこでも働ける。そして、今や日本中に、老人ホームはあります。職場に困ることはないでしょう。じゃ、行っちゃう? 自分に問いかけ、軽いノリで八ヶ岳のふもとに移住を決めました。
職場に迷惑をかけないよう、早めに退職の意思を伝え、それから移住先を探しました。長野県の茅野市や原村がいいだろうと思ってアパートを探しましたが、原村にはあまり物件がなくて。結局茅野市にアパートを借りることにしました。在職中は、時間を気にせず情報を集められる介護専門の求人サイトをよく見ていました。すると、茅野市だけでも募集があるところは多く、特養だけでも3、4件の求人を見つけました。これなら大丈夫だろうと思い、山登りのついでに現地のハローワークにも足を運んで、転職先を絞り込みました。
介護の勉強会に出て、仕事に向かう姿勢が変わった
そして、転職したのが、今の職場です。株式会社で有料老人ホームとグループホームを運営しています。社長の「命の長さより、質を取りたい」という方針に惹かれました。以前の特養では、「ただ生き長らえればいい」というようなところがあって、とにかく食事も口に突っ込んで完食してもらう、という感じでした。「私がやると全部食べるのよ」というのが、職員の自慢でした。でも、ひそかに疑問を持っていたのです。質のいい人生を送っていただきたいと考えるホームがまっとうなのだと思いました。それに、職員の人たちも、以前の職場よりフレンドリーで、派閥もなさそうでした。
ただ、正直、最初は職場には期待していませんでした。たとえどんな職場だったとしても、当時は「仕事はしょせん仕事、休みの日に山に登る生活を楽しむ」と割り切っていました。だから、勉強熱心でもなく、最初の1年は、外部研修にも参加しませんでした。横浜の特養時代も、5年間まったく研修に行きませんでしたね。
でも、少しは勉強しないと、と思って研修に出席してみると、パワフルに介護の仕事に取り組んでいる人をたくさん見るんです。みなさん、知識も深い。自らを反省して本を読みあさり、認知症のことをもっと勉強してみようと思うようになりました。
会社はそういう意欲を見せれば、後押しをしてくれます。交通費こそ自分持ちですが、研修参加費は負担してくれ、出勤扱いにしてくれます。最初は長野県内の研修を積極的に受けていましたが、東京では、介護の勉強会や講演会が数多く開かれ、著名な講師の話も聞ける。だんだん都内の勉強会や講演会にも、出るようにもなりました。
最終回は、移住先の土地の職場で輝き出すYさんをお伝えします。
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1回目、
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