転職・退職理由の上位に登場するのが、人間関係のトラブル。同僚・上司……、誰でも一度は体験することでしょう。
今度こそ、いい環境で働きたいと思い転職したのに、うまくいかない。ここでは、そんな転職の先輩の失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。
せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
〈事例1〉人間関係がイヤで転職したのに、新しい職場も雰囲気が最悪…もう耐えられません!
31歳/女性/より子
前に働いていた介護施設は、とにかくスタッフ同士の仲が悪くて。陰口やイジメはあたり前。もう耐えられない!と思い、別の施設に転職しました。
でも新しい職場もギスギスした雰囲気。人間関係がイヤで転職したのにまた同じ状況になるなんて、私って運が悪いのかな。
人間関係のいい職場を見つけるコツはあるの?
《アドバイス》
職場の雰囲気の善し悪しは、長く働き続けるための重要なポイント。しかし、転職前にその職場の人間関係を知るのはとても難しいものです。
参考にするには、あなたが実際に勤務する施設に行き、自分の目で確認することが一番です。面接とあわせて職場を見学をさせてくれる事業所もありますが、そうでない場合も、自分で見学を申し出ることをおすすめします。自分に合うかどうかを確認できるだけでなく、あなたのやる気のアピールにもなるでしょう。
なおその際、はっきりした理由なく見学を断られた場合は、何か見られたくないことがあるのかもしれません。あなた自身も、転職先として適切かどうかを慎重に考えた方がいいでしょう。
見学では、次のようなポイントをチェックすることをおすすめします。
●スタッフの様子
スタッフの表情や雰囲気はもちろん、見学者であるあなたに笑顔で挨拶してくれるかも大切なポイント。まずはあなたから挨拶をして、反応を見てみましょう。
●利用者の様子
利用者は施設の雰囲気やスタッフの人間関係をうつす鏡です。利用者の表情が明るい施設は、スタッフも楽しく働いている職場といえます。
●施設の様子
あまりにもちらかっていたり、不衛生と感じられる施設は避けた方がいいかもしれません。スタッフの気持ちがすさんでいたり、多忙すぎると、自然と環境にもあらわれます。
転職先の職場が、あなたに合うか・合わないかは、実際に働いてみなければ分からないこともあります。しかし、事前にしっかりと確認しておくことで、転職後のアンマッチをできるだけ防ぐことができます。
「運が悪いから」とあきらめず、自分に合った職場を見つけてください。
〈事例2〉人間関係がわずらわしくないと思ったから、訪問ヘルパーに転職したのに…。
40歳/女性/スズ
以前は介護施設で働いていたのですが、人間関係がわずらわしいと感じてしまって。訪問ヘルパーなら、利用者様以外の人を気にせずに仕事ができると思い、転職しました。
でも働いてみると、他のヘルパーさんやご家族様とうまく付き合うのも大事だと分かってきて…。意外と人間関係がめんどうだなと知り、がっかりしています。
《アドバイス》
訪問ヘルパーは、基本的に一人で利用者宅に伺って介護サービスを行います。そのため「一人でもできる仕事」「利用者以外との人間関係を気にしなくていい仕事」と思っている人も少なくないようです。
しかし、実際は「利用者の家族」「サービス提供責任者」「他のヘルパー」など、さまざまな人と関係性を築くことも重要です。
介護業界に限らず、仕事をする上では、一緒に仕事をする人との人間関係はさけて通れないものです。
あなたが介護の仕事をしているということは、「人と接すること自体はイヤではない」ということですよね。「介護施設で人間関係がわずらわしい」と感じたのはたまたま「その施設の人間関係がよくなかった」からではないでしょうか。
最近は、スタッフ同士のコミュニケーションを円滑にするために、さまざま工夫をしている事業者も増えています。
●管理者、ホーム長や上司がスタッフの話をじっくり聞く場を定期的に設けている
●スタッフみんなで楽しめる食事会やイベントを、事業者が開催している
●アンケートや目安箱など、スタッフが意見を出しやすい環境をつくっている
「介護施設は人間関係が大変だからイヤ」と決めつけるのではなく、視野を広げて自分に合った職場を探してみることをおすすめします。
→介護求人ナビでは、「職種」「サービス形態」「資格」などさまざまな視点で求人を探すことができます
〈事例3〉生活相談員と介護のフロアリーダーのもめごとが多くて…仲が悪い二人をなんとかしたい。
22歳/女性/みなみ
上司との人間関係に疲れて転職。転職先の介護施設はスタッフ同士の仲がよく、仕事も楽しいのですが、生活相談員とフロアリーダーがよくモメているんです。
原因は利用者様に対するケアの方向性の違い。ケンカごしで話されると雰囲気が悪くなるからやめて欲しい…。
でも新人の私が口出しすることもできず、困っています。
《アドバイス》
生活相談員は、家族からの相談対応、病院への連絡・調整など、施設外のさまざまな関係者の間に立ち、連携しながら業務をしています。そのため、総合的な視点からケアと向き合っています。
一方、介護スタッフはケアを実際に行っているため、利用者の気持ちや状況を一番近くで感じることができます。
そのため、「利用者のために」という気持ちは同じでも、立場の違いから意見がぶつかることは少なくないようです。しかし、これはある意味、とても健全なこと。いろいろな視点からケアを考えることで、よりよいサービスのためのアイデアが生まれるというメリットもあります。
「ぶつかるのが嫌だから、異論があるのに口に出さない」というのは、本当の意味で、利用者のためにはなりませんよね。
とはいえ、職場の雰囲気を悪化させるようなやりとりになっているのなら問題です。上司などに相談してみることをおすすめします。
ケアの方向性について熱く話しているということは、二人とも「利用者のために」という気持ちや介護へのこだわりが人一倍強いのかもしれません。相手の立場や視点の違いを理解すれば、いい関係が築けるのではないでしょうか。
介護施設では、介護スタッフだけでなく生活指導員、ケアマネジャー、看護師、理学療法士など、さまざまな職種の人が働いています。そのため、今回のケースのように、意見の違いによるすれ違いやトラブルが起きることもあります。
しかし、それをただ「仲が悪いから」と思うのではなく、それぞれの視点の違いを理解する気持ちを持てば、あなた自身の介護観も広がるのではないでしょうか。
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