大学の土木工学科を卒業し、土木建設の会社に就職したM・Nさん。しかし、ヘルメットをかぶり、現場監督をする仕事にどうにも違和感を感じて……。180度違うと周囲から言われる介護業界に転職しました。しかし、Mさんにとって、「これこそが天職」だったようです。介護業界に入ってからも、何度か職場を変えながら、自分らしい働き方を見出しました。そんな、Mさんが目指すものは? 4回に分けて転職体験談をお伝えします。
*M・Nさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
M・Nさん(35歳)のプロフィール・転職経験
●介護業界歴…12 年
●介護の仕事に就く前…土木建設会社
●転職回数… 3回
●いままでの勤務先…老人保健施設(老健)、グループホーム
●保有資格…介護福祉士
現場監督を一生やっていくのか……
父親が土木関係の仕事をしていたこともあり、すすめられて、大学は土木工学を専攻しました。在学中はコンクリートの耐久実験をしていました。理系学科の勉強は嫌いではなかったし、専攻を生かす意味もあって、大学卒業後は、土木建設会社に就職しました。ところが、入ってみて、「この業界は自分にはまったく合わない」と思い始めたのです。
与えられた仕事は、道路の整備の現場監督。よく道路工事をやっていますよね、あの監督です。現場の人たちは、日払いの人達も含め、この仕事に精通していて、新卒の現場監督をバカにしたようなところがある。毎日、ヘルメットをかぶって確認作業に出掛けるのですが、無視されることも多かったですね。男くさい職場で、怒鳴られることも多く、人間関係に悩みました。
朝8時から夜8時まで、来る日も来る日も道路端に立ち、「自分はいなくても道路はできていく」という無力感にさいなまれる。入社数カ月で、「この職場は無理だ」という思いが、ふくらんできました。職場に足を向けることすらつらくなり、秋には辞表を出していました。
うちは、父は土木の仕事ですが、母は民生委員、姉もボランティアとして特別養護老人ホーム(特養)で働いていました。自分は、母や姉のようなマインドを持っていることを、ずっと感じていました。次の仕事をどうしようかと考えたときには、すぐに介護職を思いつきましたし、母も姉も「それがいいんじゃない?」と言ってくれました。
ボランティアで介護の職場体験をしてみる
退職して暇だったので、まずはヘルパー2級(現在は介護職員初任者研修に相当)の資格を取りました。理論も実技も、学ぶほどにどんどん吸収でき、やはり介護の業界が向いているのだという思いが深まってきました。しかし、次の職場はすぐに辞めたくはない。だから、最初から就職してしまわずに、いくつかの職場でボランティアとして働いてみて、職場の雰囲気や仕事内容を確認してから、正職員になろうと決めていました。
老人ホームや障害者施設などに行ってみようと思い、インターネットで近隣のホームを探し、電話をかけ、ボランティアをさせてくれないかと頼んでみました。しかし、意外に受け入れてくれるところは少ないのです。社会福祉協議会のボランティア募集なども見てみましたが、家から遠いなど、条件があまり合わなくて……。
ようやく受け入れてくれた老健は、通ううちに、すぐに「正職員にならないか」と誘われました。特に雰囲気が悪いわけでもなく、他の小さなホームよりは給料もよかったので、ほかを経験することなく、その老健の職員になりました。
次回は、老健での仕事に疑問を感じ始め、次の転職を考えるMさんの様子をお伝えします。
*M・Nさんの「私が転職した理由」…1回目、
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