2015年06月03日

グループホームで働きたくて…私が転職した理由 Oさん3 | 介護求人ナビ　介護転職お役立ち情報

訪問介護の仕事に魅力を感じ、将来的にはこの世界で正職員に、と心を決めたOさん。時を同じくして、義父や夫との関係にも距離が生まれ、母子3人の暮らしになっていきました。一家の大黒柱として、介護の仕事にどう関わるか――。今回は正念場を迎えたOさんの決意と行動を伝えます。

＊O・Mさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目、4回目（最終回）はこちら

O・Mさん（37歳）の転職経験

高校卒業後、老舗の高級和食店に就職
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妊娠が発覚し、1年で退職、9年間専業主婦に
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第2子が5歳になると昼間のみ、和風ファミレスにパート勤務
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「ファミレス勤務」と「訪問介護の登録ヘルパー」と二足のわらじ
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ファミレスをやめ、「訪問介護の登録ヘルパー」と「グループホームのパート」の二足のわらじ
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グループホームにフルタイム勤務、のちに正職員になり、現在はホーム長

ついに飲食店をやめて介護一筋に

実は、私には、あるグループホームで働きたいという夢がありました。ヘルパーの実習で行ったグループホームがとてもよかったんです。

そこは、”利用者さんの「やりたいこと」を実現する”が、企業理念でした。毎日、利用者さんと夕食の買い物に行き、何を食べたいか、相談して食材を買っていました。

外出先も、職員が勝手に決めるのではなくて、利用者さんに相談して行き先を決めます。もちろん、中には「どこでもいい」という人もいますし、要介護度が高くて、ご自分では決められない人もいますが、必ず「ここに行こうと思いますが、いいですか？」とお声がけをするなど、「利用者本位」が徹底していました。

また、私たち職員も、やりたいことがあれば上司に気軽に伝えることができ、それが利用者さんにとってプラスなら、手間が掛かってもOKを出してくれるような心意気がありました。経営者の考え方がすばらしいと思っていたのです。

訪問介護を初めて1年ほどで飲食店を辞め、思い切ってそのグループホームにパートで勤務することにしました。今度は訪問介護とグループホームの二足のわらじです。夫と別居し、生活を安定させるためには、安定した収入が不可欠と、自分なりに慎重に考え、一足飛びに進めずに石橋を叩いて渡るような気持ちでの決断でした。

正職員にと請われて、訪問介護にも区切りを

実際にグループホームで勤務してみても、実習のときと同じような感激を覚えました。この事業者に雇ってもらえて本当によかったと、しみじみ感じました。

グループホームに勤務して半年たった頃に、勤務先の訪問介護ステーションと、グループホームの両方から、「正職員にならないか」と声をかけてもらいました。「やった！」という気持ちでした。ただ、どちらかひとつに絞らねばならなくなり、とても悩みました。

訪問介護の場合、正職員になれば、前より忙しくなるでしょうけれど、子どもの生活にあまり支障が出ないように、昼間の勤務中心にすることができます。仕事も相変わらず楽しく感じていました。

しかし、訪問ヘルパーは目の前で困っていることがあっても、「介護保険でやっていいこと」「いけないこと」の線引きがあり、お断りしなければならないことがあるのに矛盾を感じていました。

利用者さんが発熱して起きられないのに、規則で投薬の介助ができないので、「ご自分で飲んでくださいね」と帰らなければなりません。体が不自由な方で、庭の手入れができなくても、草取りはダメ、電球を替えることもダメというのは、実態に即していないな、と憤りさえ感じていました。

一方、グループホームで正職員になるのは願ってもないことでしたが、夜勤があるのがネックでした。子どもたちは小学校6年と3年になる頃。上の娘は中学受験をすることになっていました。別居した夫の手が借りられない中、仕事と育児をどう両立する？　お金はどうする？

…いろいろ考えた末、やはりずっと憧れていたグループホームに正職員として勤務することにしました。子どもたちも、家計や私の気持ちを考えてくれたのか、「大丈夫だよ、がんばって」と言ってくれます。給料の面でもこちらのほうがよかったこともあり、思い切って訪問介護をやめ、こちらに一本化することにしました。

学費については、別居する夫と義父に頭を下げ、塾代や受験代を出してもらうことにしました。悔しかったけれど、私の給料だけでは、親子3人が暮らしていくだけで精一杯だったのです。

かくして、私はあこがれのグループホームの正職員に。不安材料はたくさんあったものの、意気揚々と春を迎えました。

次回の最終回は、グループホームでキャリアを積んでいくOさんの様子を伝えます。

＊O・Mさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目、4回目（最終回）はこちら

●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
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