■書名:「相談力」入門 - 対人援助職のためのコミュニケーションスキル36
■著者:鈴木 雅人
■発行元:中央法規
■ 発行年月:2013年3月20日
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すべての職種に共通する汎用性の高い「相談力」の入門書
「介護保険を申請したい」
「高齢の母の様子がおかしいのだけど、どうしたらいいの?」
介護に携わる人の中でも、ケアマネジャーや相談員などは、利用者やその家族などから相談を受ける機会が多いのではないだろうか。
相談を受ける中で、相手の気持ちをうまくくみ取れなかったり、思うようにこちらの意向が伝わらず、もどかしさを感じたりするなど、相談対応の難しさを実感する人も多いはずだ。
著者の鈴木さんは、「今は専門知識を持っているだけでは専門職とは言えない」と言い切っている。
これまで一部の人しか知らなかった専門知識も、今やインターネットで簡単に調べることができる時代だ。そこで求められるのが、相談を通して個人が抱えている悩みや問題を解決する「相談力」という能力。本書は相談を受ける仕事に就いている人を対象に、相談力のスキルを挙げる方法を36項目にわたって解説している。
本書では、相談の3ステップとして、「お互いの信頼関係を築く」「相談者がアドバイスを受け取る準備ができる」「相談者に変化をもたらす」を挙げている。
相談者と信頼関係を築く前に重要なのは、「(相談者の)自分を大切にしてほしい」という気持ちに気づくこと。つまり相談者のことを理解し、認め、尊重することが大事だという。相談者がアドバイスを受け入れるのは、お互いの信頼関係が出来てから。アドバイスを受け、最終的に相談者が行動を起こす「変化をもたらす」までを、具体的に紹介している。
なんだ、3ステップで簡単じゃないか、と思うかもしれないが、相談内容や相談者の人柄も様々でこれが難しい。
例えば、寡黙な人だったら? こちらの意見を頑として受け入れなかったら? 相談者の自分の大切にしてほしい、という気持ちに応えるには?
36種類のスキルの中には、なかなか相談スイッチがオンにならない場合のスイッチの入れ方、相談者の要望を知る方法、相談者のモチベーションの高め方など、様々なテクニックが詰まっている。
<今後、専門職として生き残っていく上で、個別の問題解決は欠かせません。それに必要になるのが「相談力」です。たとえあなたが他の職種に転職しても、業界を変えても、お客さんの悩みや問題を解決するような職種であれば、身につけた「相談力」は活用することができます。つまり「相談力」とは、全ての専門職に求められる、非常に汎用性の高いスキルなのです>
介護に携わる人だけではなく、カウンセラーやコーチ、士業など、相談を受けるあらゆる職種の人も活用できる内容だ。
<松原圭子>
著者プロフィール
鈴木 雅人さん
リーガルソーシャルワーカー、社会福祉士。東洋大学社会福祉学科卒業後、社会福祉士として横浜市港北区の在宅介護支援センター・地域包括支援センターに従事。法律面の支援を同時に行う必要性を感じ、行政書士の資格も取得した。みそら行政書士・社会福祉士事務所を開設。「相談の学校」を主宰。
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