このコーナーでは、「あらら、間違って正解!」「おやおや、戸惑って大正解!」と楽しめる、魅力満点の脳活性化プログラム、シナプソロジーをご紹介!
シナプソロジーインストラクターのふーちゃんこと、介護福祉士の山﨑史香さんに、介護施設やデイサービスなどで楽しめるプログラムを教えてもらいます。
軽度認知症、麻痺のある人も楽しめる「初詣3動作」のアレンジをやってみよう
皆さん!お雑煮は食べましたか?お餅ってついつい食べ過ぎちゃいますよね。
私はやっぱり、地元・宮城県の名物、ずんだ餅派です。
さぁ、前回に引き続き
「初詣3動作」というプログラムを紹介します。
今回は、
軽度認知症、麻痺のある方も楽しめる声がけやコミュニケーションのポイント、会話の引き出し方をご紹介します。
【1】まず、以下の基本動作を覚えましょう!
はじめに、3つの動作を覚えます。
1の動作 手拍子2回
2の動作 両手を組み、神社の鈴を鳴らすようなイメージで左右に振ります
3の動作 両手を合わせて拝む
麻痺や体を動かしにくい人への指導ポイント
両手が動かないと出来ない!と決めつけているのは、介護者側の偏った見方の場合があります。
片手、片足では参加出来ないだろうと、参加者メンバーに入れないという選択ではなく、その方の出来る事にフォーカスしてみてくださいね。
中には片麻痺だからと参加を諦めている方もいると思います。
その方に添った声がけをしながら脳を活性化させるには麻痺があってもできる事を、伝えてみてください。1の動作 手拍子2回 動く方の手で麻痺の手を優しく2回触れてもらいましょう。
2の動作 片手の動く方で、神社の鈴を鳴らすようなイメージで左右に振ります。
3の動作 動く方の手で手を合わせて拝むイメージで動作をしてもらいましょう。
イメージすることで脳にいろんな刺激を与えます。
イメージしながらがポイントです。
軽度認知症のある人への指導ポイント
プログラムに入る前に、お正月の過ごし方や話題を出して、回想法を取り入れましょう。
認知症の人が安心して行える居場所を作れるように配慮した、和やかな雰囲気を作りましょう。
認知症の人を否定せず、褒めることを心掛けると良いと思います。
参加してくれて「ありがとう」という感謝の気持ちで進めてください。はじめのうちは、スタッフの動作をすべてマネしてしまう場合があるかもしれません。
サポートで他のスタッフに入ってもらい、基本動作を覚えてもらいましょう。
参加者の中に認知症の方が多くいる場合は、サポートのスタッフを増やし、こまめに声かけをしながら一緒にやってみてくださいね。
お正月の回想法以外にも、参加者の昔の職業や、生活歴に関係ある項目など、いろいろな回想法を試してみてくださいね。
【2】基本の動作を覚えたら、みんなで実践してみよう!
動作を覚えたら、いよいよシナプソロジーがスタート!
指示者は1から3までの、いずれかの数字を言います。
指示者
「私の言う数字の動作を行ってくださいね。
1から3のどれかの数字を言いますので、先ほど覚えてもらった3つの数字にあてはまる動きをしましょう。
その数字を元気よく声に出しながら、その動作をしましょう。」
※3~5回繰り返します。
【3】新しい刺激をチャージ!スパイスアップ 初級編
次はスパイスアップ(新しい変化)です。
声に出す言葉が変わります。
動作はそのままで声に出す言葉が変わります。
1の動作 「パン パン」
2の動作 「ガラン ガラン」
3の動作 「とり年」
【4】新しい刺激をチャージ!スパイスアップ 中級編
3の動作 「とり年」と言う→「今年の抱負」を言う に変えます。
神社にお参りするような気持ちで、願い事を言ってもらいましょう。
それ以外の言葉は変わりません。
ふーちゃんのワンポイントアドバイス
お正月に、親戚や家族で団らんした思い出やお年玉、家庭ごとのお雑煮、おせちの味について話してみましょう。
また、昔の正月の過ごし方、正月の遊びなど、回想法を使って言葉や表情を引き出してから誘導すると、このプログラムは尚楽しく盛り上がると思います。
この季節ならではの内容ですので、是非やってみてくださいね。
慣れてきたら、「脳の活性化プログラムである事」を意識して、行っていけば良いと思います。
一度、スタッフ同士でやって難易度を確認してから、参加者のレベルに合わせてアレンジしてみましょう。
次週は、新しいプログラムを紹介します。
【初詣3動作】を動画で見る
<シナプソロジーについて>
→シナプソロジーの特徴と効果とは?
→「初詣3動作」元気なお年寄り向けのアレンジはこちら
プロフィール
ふーちゃん こと 山崎史香(やまざき・ふみか)
キャリア11年の介護福祉士。
現場で介護職員として働くかたわら、子供や若者達が触れやすい介護の新しい入り口作りを目指し、「介護イノベーションART」など施設を離れた活動も積極的に行う。
地域、現場から発信するスタイルの介護福祉士として、注目の存在。
電子書籍絵本
『しわのようせい』の作者でもある。
そのほかの活動として主なものは、寝たきりの方の見ている白い天井の景色をARTで変える「花咲かじーさんプロジェクト」、子供達へのシワ物語り「介護授業」、4度目のハタチを謳歌する為の「介護予防サロン」を開催。
今までの活動が、目に止まり、宮城県仙台市のケアヒーローに選ばれる。
また、福祉事業、介護の魅力を伝えるプロモーション、パンフレット、雑誌等にも出演している。
しわくちゃんFacebookページ