このコーナーでは、「あらら、間違って正解!」「おやおや、戸惑って大正解!」と楽しめる、魅力満点の脳活性化プログラムのシナプソロジーをご紹介!
シナプソロジーインストラクターのふーちゃんこと、介護福祉士の山﨑史香さんに、介護施設や、デイサービスなどで楽しめるプログラムを教えてもらいます。
軽度認知症、麻痺のある方も楽しめる「数字数えグーパー」のアレンジをやってみよう
前回に、引き続き「数字数えグーパー」というプログラムをご紹介します。
前回は元気なお年寄り向けでしたが、今回は軽度認知症、麻痺のある人も楽しめる声がけのポイントをお伝えします。
基本動作が前回とは変わります。
ページの下に動画もあるので、そちらも見ながら試してくださいね。
【1】まず、以下の基本動作を覚えましょう!
はじめに、右手、左手の動作を覚えます。
右手の動作 胸の前でグーパー、グーパーと繰り返します。
左手の動作 指を親指から折り曲げながら10まで数えます。
この動作を同時に行います。
麻痺や体を動かしにくい人への指導ポイント
片麻痺の人も一緒に参加出来るバージョンです。基本動作
胸の前で、動く方の片手でグーをつくり、前後にパンチを出すように動作します。
次に、この動作をしながら指は小指から開いていきながら10まで数えます。
※両手が動かないと出来ない!と決めつけるのは介護者側の偏った見方の場合があります。
片手では参加出来ないだろうと、参加者メンバーに入れないという選択ではなく、その方の出来る事にフォーカスしてみてくださいね。
中には片麻痺だからと参加を諦めている方もいると思います。
その方に添った声がけをしながら、脳を活性化させるには麻痺があってもできる事も、伝えてみてください。
軽度認知症のある人・目の見えない人への指導ポイント
新しい事を覚えるのが苦手な方に対しては、参加意欲を損なわない声がけや、内容の変更が必要だと思います。
今回はスパイスアップを最後まで行うことは難しい場合もあるので、参加者の状況にあわせてスパイスアップ中級編まで行ってみてください。また、目の見えない人、見えにくい人でも、スパイスアップに視覚的変化がないものによっては参加可能です。
スタッフが付き添い、スキンシップをとりながら手取り足取りで誘導し、伝えていきましょう。
急に声をかけずに、お名前を呼んでから肩に触れるなど、ビックリさせないように配慮した声がけをしていきましょう。
※注意事項※
認知症の人が安心して出来る和やかな雰囲気を作りましょう。
認知症の人を否定せず、褒めることを心掛けると良いと思います。
参加してくれて「ありがとう」という感謝の気持ちで進めてください。
【2】基本の動作を覚えたら、みんなで実践してみよう!
動作を覚えたら、いよいよシナプソロジーがスタート!
スタートは両手を開いて、右手と左手で異なる動きを同時に、リズミカルに行います。
指示者の声掛け
「では、右手をグーパー、グーパーします。
次に左手の親指から順に折り曲げながら、元気よく声を出して10まで数えましょう。
右手と左手の動きを同時に行いますよ。」
【3】新しい刺激をチャージ!スパイスアップ 初級編
次はスパイスアップ(新しい変化)です。
右と左の手の動きを逆にする。
左手の動作 胸の前でグーパーグーパーと繰り返します。
右手の動作 指を親指から折り曲げながら10まで数えます。
この動作を同時に行います。
麻痺や体を動かしにくい人向け
胸の前で、動く方の片手をグーにして、前後にパンチを出すように動作します。
次に、この動作をしながら指を
親指から開いていきながら10まで数えます。
【4】新しい刺激をチャージ!スパイスアップ 中級編
左手の動作 胸の前でグーパーグーパーと繰り返します。
右手の動作 親指を折り曲げた状態から1から10まで数えます。
この動作を同時に行います。
ふーちゃんのワンポイントアドバイス
笑いながら、脳が混乱して間違えるのを「みんなで楽しむ事」が大切です。
慣れてきたら、「脳の活性化プログラムである事」を意識して、行っていけば良いと思います。一度、スタッフ同士でやって難易度を確認してから、参加者のレベルに合わせてアレンジしてみましょう。
なお、軽度認知症には個人差があります。
初めてプログラムを進行する場合は、指示者のサポート役にもう1人加え、2人で進行できるとベター。
様子を見て、フォローしながら進めていけるとよいと思います。
次週は、新しいプログラムを紹介します。
【片麻痺バージョンの数字数えグーパー】を動画で見る
<シナプソロジーについて>
→シナプソロジーの特徴と効果とは?
→「数字数えグーパー」元気なお年寄り向けはこちら
プロフィール
ふーちゃん こと 山崎史香(やまざき・ふみか)
キャリア11年の介護福祉士。
現場で介護職員として働くかたわら、子供や若者達が触れやすい介護の新しい入り口作りを目指し、「介護イノベーションART」など施設を離れた活動も積極的に行う。
地域、現場から発信するスタイルの介護福祉士として、注目の存在。
電子書籍絵本
『しわのようせい』の作者でもある。
そのほかの活動として主なものは、寝たきりの方の見ている白い天井の景色をARTで変える「花咲かじーさんプロジェクト」、子供達へのシワ物語り「介護授業」、4度目のハタチを謳歌する為の「介護予防サロン」を開催。
今までの活動が、目に止まり、宮城県仙台市のケアヒーローに選ばれる。
また、福祉事業、介護の魅力を伝えるプロモーション、パンフレット、雑誌等にも出演している。
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