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2017年04月28日

『レビー小体型認知症がよくわかる本』 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

■書名:レビー小体型認知症がよくわかる本
■監修:小阪憲司
■出版社:講談社
■発行年月:2014年2月

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発見者が監修!「レビー小体型認知症」をイラストでわかりやすく解説

レビー小体型認知症は、比較的新しいタイプの認知症。一般にはなじみが薄いが、アルツハイマー型に次いで多く、認知症の人の約2割を占めているのだそうだ。
本書では、レビー小体型認知症の発見者・小阪憲司医師を監修者に迎えて、認知症の人を支える家族や、経験の浅い介護職にとってもわかりやすく解説している。

まず知っておくべきなのは、従来の認知症とは症状の現れ方が違っていることだろう。
はじめのうちは、物忘れなどの認知機能の低下は目立たない。その代わりに、8割以上の患者に、そこにはいない人やものが見える「幻視」がある。
このようなことから、見逃されたり、違う病気だと思われたりしやすいのが、レビー小体型認知症なのだという。

本書の冒頭部分には、幻視の具体的なパターンがイラストで描かれており理解しやすい。
幻視がこの病気の重要なサインであることを知り、早めの診断と治療に結びつけてもらいたい、という監修者の願いを強く感じる構成だ。

認知症のひとつとして認められてから日が浅いこともあり、医療機関においてもレビー小体型認知症についての知識や治療経験が不足していると、率直に書かれている。
そのため、レビー小体型認知症の人や周りの人へのアドバイスとして、専門的な知識をもつ医師や勉強家の医師を選ぶことの大切さ、要注意の医師の見分け方まで書かれている。
認知症の人と関わる介護職にとっては、すぐに助けになる内容に違いない。

さらに、レビー小体型認知症の人を支える介護者に向けて、心がまえや症状への対応の仕方についても詳しく解説。
日々の生活の中で、認知機能の低下より苦労しているはずの幻視や妄想について、具体的な対応がわかりやすく図解されているのがありがたい。

幻視への対応としては、患者の「見えている」を理解し、否定せずに受け止めることが大切だと繰り返されている。否定すると、本人の不安や興奮を高めてしまうだけなのだとか。
妄想については、否定も肯定もしないのが基本で、本人の苦しさを理解し、安心してもらえるように接すること。「不安や混乱を防ぐこと」を最優先に考えるべきと語っている。

<幻視や錯覚による誤認は、本人が混乱したり、不安になったりするきっかけになりやすい症状です。
(中略)まわりの人が適切に対応していけば、本人が「自分にしか見えないのだ」と納得したり、納得とまではいかなくても、いやな気持ちはもたずにすむようになったりします。幻視などがあっても、混乱や不安をまねかなければよしとする。それくらいの気持ちで対応していきましょう。>


認知症の人を支える家族の悩みや課題に長く向き合ってきた監修者ならではの、現実的で具体的なアドバイスが多いのが特徴だ。
レビー小体型認知症を正しく理解する助けになることはもちろん、長い治療・介護生活を支えてくれる知恵がつまった本だと言えるだろう。


監修者プロフィール

小阪 憲司(こさか・けんじ)さん
横浜市立大学名誉教授。金沢大学医学部卒業後、横浜市立大学医学部精神医学教室教授、横浜ほうゆう病院院長などを経て、現在メディカルケアコートクリニック院長。専門は認知症の臨床と脳病理の研究で、「レビー小体型認知症」の発見者として世界的に知られている。
レビー小体型認知症研究会の代表世話人、レビー小体型認知症家族を支える会顧問を務めるなど、日本の認知症医療と家族のサポートを牽引。認知症関連の著作多数。講演なども行いながら、認知症の啓蒙活動に努めている。

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