■書名:よくわかる!介護施設での生活相談員の仕事
■著者:田中 大悟
■出版社:ナツメ社
■発行年月:2016年12月
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「生活相談員」の業務を具体的に解説!効率的な実務の進め方がわかる1冊
生活相談員の職場には、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、デイサービスなどさまざまな介護施設がある。
この中で、「デイサービス」での生活相談員の仕事にしぼり、業務に必要な知識や考え方を提供しているのが本書だ。
生活相談員は役割範囲が非常に広い仕事なので、押さえておくべき情報も多岐にわたる。生活相談員に必要とされる膨大な知識や情報が、本書ではわかりやすく整理されているので、便利に使えることだろう。
本書の構成は以下のとおり。
巻頭 すぐわかる生活相談員の仕事
第1章 相談業務の考え方と実践
第2章 生活相談員の日々の業務
第3章 生活相談員の週の業務
第4章 生活相談員の月の業務
第5章 生活相談員の年の業務
第6章 生活相談員の運営に関する業務
第7章 相談業務の基本と準備
巻頭の「すぐわかる生活相談員の仕事」では、生活相談員の仕事のあらましを紹介。
イラストや図表がふんだんに使われ、生活相談員の役割の全体像が無理なく見えてくる内容になっている。どのような立場で読んでもわかりやすくまとめてあるので、最初に読むことをおすすめしたい。
第1章では、生活相談員が身につけておきたい基本的な考え方やスキルについて、詳しく解説。個々の業務に必要な12の考え方と、10のスキルなどが紹介されている。
たとえば、介護計画のプランニングでは、次のような視点や考え方が生活相談員として必要なのだという。
<介護計画の立案にあたっては、まず、課題への対応策を検討し、自事業所内で対応できることか、他の事業所や行政など、事業所外に協力を依頼する必要があることかを検討し、それぞれの担当者を決めます。次いで、速やかに実行すべきことから優先順位を考えます。>
検討して出てきた対応策を、「急ぐか急がないか」の優先度と、「生活相談員である自分がすることか他事業所・他職種がすることか」の度合いの、2つの視点で整理し、担当者を決めて順番に取り組んでいくのだという。
介護計画のプランニングについて、具体的事例を使った図表が添えて説明してあるので、イメージがしやすく理解を助けてくれる。
第2章から第5章までは、日・週・月・年ごとの生活相談員の業務を解説。
日々行う基本的な業務をおさえたあとに、週次業務、月次業務、年次業務へと進んで、まとめて確認することができる。
たとえば、週次業務では、「利用予定者の確認」「スタッフの業務分担」「レクリエーションの企画」「食材の発注」「福祉用具・設備・備品の点検整備」「車両の保守点検」のように詳細に項目を分けて解説されているので、わかりやすい。
本書では、デイサービスでの仕事に的をしぼり、生活相談員の基本的な仕事内容から、日々の業務の具体例までを網羅して解説されている。
デイサービスで働く生活相談員であれば、新人からベテランまで重宝する一冊となることだろう。
著者プロフィール
田中 大悟(たなか・だいご)さん
介護支援専門員、社会福祉士、一般社団法人日本デイサービス協会理事。2014年に、コンサルティング事業と独立型社会福祉士事務所を展開する合同会社JAPAN UNITED HOME CAREを設立。ケアマネジャー業務と同時に、「医療と介護の連携を推し進め、地域包括ケアシステム構築のためのしくみ作りに挑戦する」をテーマに生活相談員向けのセミナーや介護事業所の運営支援を行っている。
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