■書名:プロフェッショナル介護人
■著者:木下 博之
■出版社:幻冬舎
■発行年月:2018年7月
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介護の世界の「プロフェッショナル」とは?介護職が目標にしたい姿はコレ!
著者の木下氏は、経営者として有料老人ホームのオープンから運営に携わってきた人。
木下氏が2008年、自分の右腕になってもらえる人材として出会ったのが、布施君江さんだった。
介護業界や介護職に対する著者の考えは、布施さんとの出会いによって大きく変わったそうだ。布施さんが、本書のタイトルにもなっている「プロフェッショナル介護人」だと感じた著者。
介護の仕事を生き生きとこなし、充実感をもって介護のプロフェッショナルとしてキャリアを築いてきた布施さんの姿を見て、介護は未来ある素晴らしい仕事だとわかったという。
そして、「介護は素晴らしい仕事である」という著者の気付きを多くの人に伝えたいと思ったことが、著者が本書を書くきっかけとなっている。
介護についてのさまざまな知識と、どんな現場にも対応できる技術を身につけ、かつ、人間味にあふれるのが「プロフェッショナル介護人」であるということ。
介護職なら「プロフェッショナル介護人」を目標にするのが良いということ。
そして、「プロフェッショナル介護人」としてキャリアを築いていくために必要なこと。
本書には、今すでに介護現場で働いている人や、これから介護職として働きたいと考えている人にとって、大いに役立つ事柄が、わかりやすく書かれている。
本書では、経営者としての立場の著者と、施設長として現場に近い立場の布施さん、2人の対話形式に近いような形で話題が展開されていく。
話題は、「メンタル」「サービス」「知識」「組織づくり」の4つの項目に沿ってまとめてあり、次のような構成となっている。
第1章 介護職でプロフェッショナルを目指すべき理由
第2章 まずは自らの「介護理念」を持つ。あるべき介護人の姿を描くことがプロへの第一歩【メンタル編】
第3章 介護はケアではなくサービス。ご利用者の感動と笑顔を生んでこそプロである【サービス編】
第4章 命を預かるプロとして介護現場のリスクマネジメントが不可欠【知識編】
第5章 一人では介護職は成り立たない。職場のモチベーションまで高めるのがプロの介護人【組織づくり】
第6章 “プロフェッショナル介護人”が業界の未来を支える
介護現場の責任者として、布施さんの言葉がふんだんに盛り込まれているのが印象的だ。経営者である著者の言葉との間にギャップはなく、老人ホームの運営において上手に連携をとってきたことがよくわかる。
介護現場に近い布施さんの言葉が多いことで、実際のエピソードに数多く触れることができるのもありがたい。
また本書では、布施さんのほかに3人の「プロフェッショナル介護人」を紹介している。
「私が出会ったプロフェッショナル介護人たちの過去、現在、そして未来」と題したコラムの形で掲載されているので、具体的なロールモデルとして参考にすることができるはずだ。
介護職ではない人にも手に取ってもらうために書かれているので、難しい専門用語などもなく、わかりやすく、一気に読める。
それでいて読後には、介護の仕事に前向きな気持ちがしっかりと残るような本だ。
著者プロフィール
木下 博之(きのした・ひろゆき)さん
1970年生まれ。慶應義塾大学卒業後、山一證券株式会社入社。会社自主廃業後、米国ジョージタウン大学ビジネス・スクール留学を経て、外資系投資銀行などに勤務。2008年、老人ホーム運営会社を設立して代表取締役就任。現在は太閤木下建設株式会社代表取締役副社長として、不動産・建設業務に携わりながら、国内外含めた新規事業の開拓に取り組む。